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良い授業を作りたいけど、授業準備の時間がとれない!
教員が抱える悩み大会があれば優勝候補の悩みだと思います。
1つ良い授業を作っても、その次の日も授業があるため、準備が間に合わなくてクオリティの低い授業をしてしまうことが多々あります。
私自身もそのような悩みを抱えていましたが、授業作りにおける考え方を根本から変えることにしました。
その頃から、授業のクオリティが上がっていき、様々なサイトで授業が掲載されるようになり、学会で発表したこともあります。
この記事では、授業準備の時間がない教員がクオリティの高い授業を作る方法を解説します。
この記事を読むメリット
- 授業づくりが早くなる!
- 授業のクオリティが上がる!
- 授業への考え方が変わる!
結論から言います!
早く良い授業を作るための方法は、「人の真似をすること」です!
良い授業は「人の真似」から始まる!

結論から言います!
早く良い授業を作るための1番の方法は「人の真似をすること」です!

それだけ?なんか拍子抜けだなぁ・・・

いやいや、「真似をする」の本当に意味をわかってないんじゃないかな!
さらに深ぼっていきます!
なぜ真似することが授業作りにおいて最強なのか?
なぜ人の真似をすることが良い授業を作ることに有用なのかを説明します。
ここでは以下のポイントに絞って解説していきたいと思います。
- すでに仕上がっているので時間がかからない
- クオリティの高い授業ができる
- 良い授業がわかり応用できる
- 来年も再来年も使える
順番に説明していきます。
理由1:すでに仕上がっているので時間がかからない

他の人が行っている授業を真似すれば、自分で準備する時間を極限まで短縮することができます。
自分で
- 内容理解
- 構成
- プリント
- スライド(板書計画)
- 教材づくり
- 評価の観点
などを考えていると日が暮れてしまいます。初心者がこれらをするのは、2週間に1度が限界です。
しかし、すでに仕上がっている授業をすれば、それらの時間が短縮されるため、他に時間を使うことができます。

自分で全部作る必要がないのは、本当に大きいですよね!
理由2:クオリティの高い授業ができる

人の真似をすれば、クオリティの高い授業を展開できます。
普段の授業の量をこなしつつ、質の高い授業を展開するのは、骨が折れます。しかし、すでに仕上がっている授業の中からクオリティの高いものを選べば、一瞬で良い授業ができます。
良い発問ですら、考えるのに100年くらいかかります。その上、アクティブラーニングなどを組み込んでいくとすれば、作成するのに10億年はかかります。
それならば、自分の他に100億年かけて作った人の授業を真似した方が、はるかに利点が大きいです!

全国に100万人以上の規模で70年間作成してきた授業なんて良いに決まっていますよね!
理由3:良い授業がわかり応用できる
良い授業にはヒントがたくさんあります。真似をするだけで、自分の授業レベルが上昇していきます。
例えば、自分が発問を考えることが苦手だったとしましょう。そんなときに、多くの授業を真似すると多くの発問に出会います。
そこで、
「アフリカの面積は広いのに、貧困が拡大するのはなぜか?」
という問いを見つけたとします。
そこから「○○のに、△△なのはなぜか?」という問いの立て方を見つけました。
そこから、「イギリスでは茶も砂糖も採れないのに、紅茶文化が根付いたのはなぜか?」という問いを立てることのヒントになるかもしれません。

良い授業1と良い授業2を組み合わせて、良い授業3を作ることも可能になるかもしれません。
その後も使える

クオリティの高い授業は来年も使用できます。クオリティが低いと「この授業をもう1回するのは嫌だな」となってしまいます。
クオリティが高いか授業は来年も再来年も使い回すことができます!
過去の自分の授業を見て、
「なんだ、このポンコツな授業は!?」
と思い、結局最初から作り直したことがある人は、私だけではないです笑。
その点、人の授業を真似し、クオリティの高い授業を実践することができれば、来年も再来年も、運が良ければ10年、ひょっとすると、ずっと使用しつづけることができます。
良い授業は”ストック”になります!
真似した授業の方が満足度が高い

人の授業を真似するなんて、サボってしまってもいいの?
これはよくある教員の誤った考えだと思われます。他にも、以下のようなことがよく言われています。
- 「楽して授業を作って良いのか?」
- 「生徒にバレたらどうするんだ!」
- 「自分で授業を作らなくてプライドはないのか?」
教職を勘違いしている教員の典型的な考え方だなと思います。ここでは、この考え方について解説していきます。
プライドの捉え方を変えるべき

自分で全部一から授業を作りたいというのは、単なる自己満足です。
教員の仕事は「授業をする」ではなく、「生徒の成長に貢献すること」です。授業はそのための手段でしかありません。
もし、教師としてプライドを持つなら、生徒の成長に貢献できたかどうかにプライドを持つべきです。
自分本位に授業を作ることにプライドを持っていても、何の役にも立っていません。
自分で作るか人が作ったものを使うか、は本質的な議論ではないのです!
自分で授業を作るときは、
- 授業を発表する(研究授業)
- 全国に良い授業が全くない
- 目の前の生徒に合わせて1番自分が良い授業を作れると確信している
そんなときだけです!
生徒が面白いと思った授業はだいたい真似した授業
僕の体験談を解説します。
僕は、学期終わりには授業評価のアンケートを生徒にお願いしています。
そこで、評判の良かった授業は、「自分で作ったか」「真似したものか」を算出してみました。
以下がそのグラフです。

真似をした授業の方が評価割合が高いことがわかります。中には映像を見せるだけの授業がランクインすることもあります。

本当に悲しいんだけどね!
しかも、僕は授業づくりには自信があり、大学や学会でも発表してきました。そんな僕でも全国ですでに評価を得ているものには、勝てないことがわかります。
研究授業でさえも良い研究は真似した授業

研究授業でさえ、真似た授業の方が、評価も高く、研究の意義もあります。
大学院の研究授業の実体験
何人かの班に分かれて、授業研究を発表しました。
私は気合いと根性を入れて、意見を主張し、最高の授業を作った気でいました。
一番良い評価を得たのは、私の班ではありませんでした。
評価された授業とそうでない授業の差は歴然でした。何がそんなに違ったのでしょうか?
実は、評価された授業は、「過去の良い実践」に+1を加えたものでした。
一方、評価されなかった授業の講評は、「すでにそういう授業あるよ?」でした。
研究授業のため、全くの模倣では成り立ちませんが、過去の良い授業の足りなかった部分を補う、という形では十分な研究です(むしろそっちの方が研究です)。
過去の積み重ねを参考にしないなど、普通の研究分野では基礎中の基礎です。
授業になるとどうしてもこの視点が欠落してしまうようです。
その後、自作した授業をいろいろなサイトに掲載したり、学会で発表する機会をいただくことが多くなりましたが、「良い実践」に+1を忘れたことはありません。
研究では、過去の研究を必ず参考にするのですが、なぜか授業になると自分で1から作れると思ってしまうんですよね!
授業を真似する方法
では、実際に授業を真似る方法を解説していきます。
- 人に聞く
- 書籍やネットで調べる
人に聞く

1番手っ取り早い方法が、「人に聞く」という方法です。
書籍やサイトで調べるよりも、簡単でいつでも質問にいけるからです。
学校に配属されたら、余裕のあるときに参考になる教員が身近にいるかどうかを確認しましょう!
まずは、その人の授業を真似することを徹底しましょう。
その次に、その教員が授業を生み出すにあたって参考にしたものを聞いてみましょう。
- 何を参考にしたか?
- 何を考えて授業を作っているか?
- 他の授業を教えてもらってもいいですか?
など、得られるものは多いはずです。

おまんじゅうを持っていくことを忘れずに!
書籍やネットで調べる

現代ではどこでもいつでも情報にアクセスできるようになっています。
それはつまり、過去の授業者や遠い地域の授業者の授業を真似することができるということです。
インターネットや書籍などで楽に良い授業にアクセスしましょう。
また予備校などが出している講義動画も参考になります。講義形式の授業なら、そのまま流すか、真似をするだけでも十分授業になるでしょう。
ただし、無料で閲覧できるものには要注意です。
肌感覚でしかありませんが、お金を支払って見るコンテンツの方が遥かに良質な物が多いです。さっそく書店に行ったり、学会に登録したりしましょう!
注意点
人の真似をすることにもいくつか注意点があります。最後に紹介して終わりにしようと思います。
- 生徒の実態に合わせる
- 背景知識は勉強する
生徒の実態に合わせる
良い授業を見たからといって、そのまま実践していいものではありません。
必ず目の前の生徒に即した授業を展開する必要があります。
生徒がグループワークに慣れていないのに、ほとんど生徒主体の授業を行なっても意味はありません。
そこだけは、誰にもできないあなただけの仕事です!
背景知識は勉強する
全く何も知識を入れずに、授業を展開すると説明の段階で、途中で止まってしまう可能性が高いです。
また、生徒の突発的な質問に対応できません。
真似をするといっても、その授業で扱う周辺知識は勉強しておくようにしましょう。
実体験を入れる
授業には、自分の実体験や想いを入れる必要があります。
他人の授業をそのまま活用しても、狙いまでを正確に汲み取れません!他人の授業方法や内容をベースにしつつ、自分の想いや自分の実体験を入れましょう!
まとめ
ここでは以下の内容を説明しました!
早く良い授業を作る方法
- 人の授業の真似をする
- すでに完成されていて、準備に時間がかからないどころかクオリティも高い
- 自分で授業を作るかどうかに焦点を置くのではなく、生徒を成長させられたかに焦点を置く
- 完全に真似するではなくある程度は自分で改変する
これからの教員というのは、渾身のよりよい授業を100時間かけて作成することが優れた証ではなくなるかもしれません。
いろいろな情報を集めてきて、生徒の実態に合わせて展開する。そういった引き出しの多さが優れた教員の証なのかもしれません。
みなさんと協力して、余裕を持ちながら、良質な授業ができたらと思います!