【本当に必要?】授業でスライドを用いるときのメリットとデメリット

PR

【本当に必要?】授業でスライドを用いるときのメリットとデメリット

「授業プリントもできたし、スライド作りがんばるぞ〜!」

誰もがおしゃれでスマートなスライドを用いた授業をしたいと思っていることでしょう。

しかし、スライドは授業において、「あった方がいい」ものであって、「なくてはならないもの」ではありません。

スライドの効果を知らないと、ただただ作成する時間がかかり、努力が報われないことになってしまいます。

私はほとんどの授業でスライドを使っています。

嬉しいことに、毎年「スライドがわかりやすい」「スライドの作り方を教えて欲しい」と言われることがあります。

以下のようなスライドを状況に応じて、使い分けています。※イメージです

授業で多くのスライドを作成することで、見えてきたものが多々あります。

この記事では、授業にスライドを用いるときのメリットとデメリットを解説します。

メリットを知っておくことで、よりスライドを効果的に使用することができるようになります。

授業でスライドを用いるメリット

まずは、スライドを用いるメリットをお伝えしたいと思います。

・図解できる
・生徒からの評価が高まる
・何度も使用できる=資産となる

順番に確認していきましょう。

図解できる

スライドを用いると生徒に図解としてイメージを持たせることができます。

綿布というものは、綿花から糸をつむぎ、綿糸にしたあとで、縦と横に織ることでできあがる。

上記の文章は、産業革命からの歴史を学習するにあたって必須ともいえる「綿(製品)」に関する説明です。

しかし、なかなか文章では中々伝わりにくいものがあります。

それをスライドを用いるとどうでしょう?

文字情報がなくても、視覚情報として伝わります。

あとは少し説明を加えてあげるだけで、生徒もイメージしやすいものになります。

読むより見た方が早いものは、図解しましょう!

生徒からの評価が高まる

意外に知られていない効果として、スライドを丁寧に用いることができれば、生徒からの教員としての評価が高まる、というのがあります。

さらに、生徒の教員への評価は「スライドのうまい人だ!」に留まりません。

ハロー効果によって、教員のその他の信頼性も向上します。

ハロー効果とは、目立つ特徴に引っ張られ、その他の特徴の評価も上昇することを言います!

例えば、上質なスーツを着こなしている人がいたら、「仕事ができる人だ!」と思われやすいですよね?

ある特徴から、直接関係のない印象に結びつくのがハロー効果です。

スライドにこだわってから、生徒からの私への評価は、「仕事できる人」「デジタルに強い人」など、勝手に追加されていきました。

スライドできる人→仕事できる人→信頼に足る人、というような印象を持たれることが多いです。

教員にとって、生徒からの信頼はあった方がいいでしょう!

スライドの効果としての副産物といえるかもしれません。

何度も使用できる=資産となる

スライドは、板書とは異なり、何度も使用することができます。つまり教員人生の資産となり得ます。

1つスライドを作成すると他のクラスでも使い回すことができます。

1年目に作成したスライドは、2年目、3年目・・・15年目まで使うことができるかもしれません。

今までのスライドから、何枚か抜き取って、合わせて使用することもできます。

私は社会科のため、日本史で作成したスライドを世界史や地理や場合によっては総合的な学習の時間などでも使用したりします。

もし、現在スライドを作成しているなら、5年使うつもりで作成すると、このあと何度も使用することができます。

3年間かけて、スライドを丁寧に作成し続けると、4年目の授業のスライドは、ほとんど再利用することができます。

生徒に図解できて、ハロー効果も見込めるスライドを、1秒で過去から持ってくることができます。

スライドの効果として、最もメリットのある使い方だと思います。

前提として、未来の自分も納得できるだけの質の高いスライドである必要はあります。

他の人を助けることができる

スライド=資産、というのをさらに効果的に使うなら、同僚に共有するのもよいでしょう。

同じ科目を複数人で持っていると、1人の作業で複数の教員の板書と将来の資産を作ることができます。

一度のスライドで、他クラスと未来の自分と現在の同僚の板書を割愛することができます。

せっかく作ったスライドを他人に渡したくない人もいますが、教育は生徒の成長に資するべきです。もったいぶっている場合ではありません。

また、同僚に共有することで、得られるメリットも多くあります。

他にも、スライドには授業中のカンニングペーパーとしての役割をもたせることができます。教壇の紙を見ていると、見栄え的にもあまりよろしくありません。

授業でスライドを用いるデメリット

ここまではスライドの良い面ばかりを強調してきましたが、デメリットも少なからずあります。

ここからは、授業にスライドを用いるデメリットを紹介します。

・時間がかかる
・授業の流れを残しておけない

時間がかかる

スライドを作成する最も大きなデメリットは「時間がかかる」ことです。

これがとてもとてもとてもとてもとても大きなデメリットになります。

例えば、この記事の冒頭でお見せしたスライドですが、これだけなら特にスライドにする意味はありません。

言葉で伝えれば終わりです。特にスライドを用いなければわからないというほどのものでもありません。

作成する時間を捧げてまで得られるメリットがないのであれば、作らないことを即決することもまた、仕事を早めるコツになります!

授業プリントと同じならスライドはいらない

そもそも授業で用いるプリントが図解として、成立しているのであればスライドを用いる必要はありません。

授業プリントに記載していて、スライドにも記載していて、さらにスライドを読み上げるという謎の繰り返し授業を見ることは少なくありません。

授業プリントに記載しているものは基本的にはスライドでは用いません。
板書を写すときくらいです。

授業の流れを残しておけない

スライドを用いるもう一つのデメリットが、「授業の流れを残しておけない」ことです。

主発問を出しても、次のスライドにいけばスライドは、主発問を写したスライドは消えてしまいます。

他にも、導入から展開1、展開2、まとめ、と生徒が黒板全体を見たときに思考の流れを視覚化させることができにくいです。

もちろん、授業プリントを見れば、多少はわかりますが、空いている時間に自分のノートを見る生徒は少ないです。

生徒がぼーっと黒板を眺めると、授業の流れが視覚化されていくというのは重要です。

スライドと板書の両方のメリットを活かしながら、使用すると良いでしょう!

まとめ:効果を意識できなければ無駄な努力

この記事では以下のことを解説しました。

授業でスライドを用いる時のメリットとデメリット

・メリット

  • 図解できる
  • 生徒からの評価があがる
  • 何回でも何年でも何人でも使える資産となる

・デメリット

  • 作成に時間がかかる
  • 授業の流れを残せない

スライドを思考停止で作っても作業時間が増えるだけです。

このスライドは図解した方がわかりやすいかどうか、この先何年も使うものになりそうかどうか、などを考える必要があります。

効果をきちんと意識できれば、スライドは最強の武器となります。

しかし、意識できずに作成するなら、それは無駄な努力です。やめましょう!

ましてやその無駄な努力をひけらかすようなことは控えましょう。

効果を実感できた人は、スライドの作り方の記事も参考にしてみてください!

良いスライドで、最高の授業と働き方を実践しましょう!