【具体例あり】授業の組み立て方とポイントを5STEPのテンプレートで解説

PR

【具体例あり】授業の組み立て方とポイントを5STEPのテンプレートで解説

なかなか良い授業づくりが思い浮かばないなぁ

毎回毎回の授業作り、って大変ですよね?

教員には他の仕事が多いために、授業準備の時間はあまりとれません。

しかし、この記事を見てくれている人は、それでも授業作りを雑にしたくないと考えていると思います。

私は授業を作っていくうちに、テンプレートのようなものが分かってきました。
実際に、教材研究は今も続けていますが、作業時間自体は減っていっています。生徒や他の教員からの評価も下がっていません。

この記事では、私の授業作りで意識していることを具体例付きで3STEPで解説しました。

良い授業を時間をかけずに作れるようになって、教員生活にゆとりを持たせましょう!

Ⅰ|書き出す

まずは、学習することを書き出していきましょう。

最後に生徒に書いてほしいことを想像すると、書きやすいかもしれません。

ここでは、中学社会の「アメリカの農業」を例にします。

アメリカは大規模な農業を展開している
大型機械で少ない人間で大量生産できる生産性を維持している
自然環境を活かした栽培がなされている
企業的な農業が増えている

ここまでで、特に意識することはありません。

Ⅱ|並べる

次に書き出した内容を、並べます。

流れを意識しましょう。

流れとは、「並列」「因果関係」「順番」などがあります。
自分の中で、最もしっくりくる順序で並べ替えましょう。

並列は、同じような内容を並べることときに使います。
解き方① 、解き方②・・・
近畿地方の農業、近畿地方の工業、・・・
多細胞生物、単細胞生物・・・

因果関係は、「〜だから•••」というように原因と結果で並べるときに使います。
鉄鉱石を海外から運んでくるから、工業自体は海沿いにある
冬に光合成するために、たんぽぽはロゼット状になる

順番は、「○○→△△」というように時系列などで並べるときに使います。
桶狭間の戦い→長篠の戦い
核が分かれる→細胞質が分かれる

どれが適しているかは、授業に応じて変わります。
以下は先ほどと同じアメリカの農業の具体例です。

自然環境を活かした栽培がなされている
大型機械で少ない人間で大量生産できる生産性を維持している
企業的な農業が増えている
アメリカは大規模な農業を展開している

「自然環境」は気候の学習をしてきているので、最初に持ってきました。
「機械」と「企業」の内容が近いと思ったために「企業」を前に持ってきました。
「大規模な農業」は、最後に結論として持ってきたかったため、最後に配置しました。
※正解はありません。目の前の生徒に合わせましょう。

並べる段階で、あまり関係がないなと思うものは思い切って削りましょう。
「今回は、合わなかった」で十分です。
全部解説する授業の方が、脈絡も何もなく結局生徒に何も残らないです。

Ⅲ|分解する

次に並べた文章を分解します。

分解とは、「目の前の生徒がわかる言葉まで分解する」ということを指します。

例えば、「企業」。
アメリカでは、企業が中心となって農業を行っていますが、「企業」とは何かわからない生徒がいれば、ここでつまずきます。
「農家」と「企業」の差は何かを解説する箇所が必要になります。

思っているよりも生徒は言葉を知りませんし、知識もありません。
自分が生徒の年齢の時に知らなかったことは全て、生徒が知っている言葉に置き換えましょう。※教員は学習できた人が多いため、当時の自分より1段階低く見積もる必要があります。

ベテランの教員ほど陥りやすい罠になっています。
ベテランの教員は、「わからなかった時期」を忘れていることが多いです。

アメリカの農業の場合

自然環境を活かした栽培がなされている
→酪農、綿花などの説明
大型機械で少ない人間で大量生産できる生産性を維持している
→生産性の説明
企業的な農業が増えている
→企業の説明
アメリカは大規模な農業を展開している

人間は一度で覚えることはできません。
過去に説明したことでも、ほとんどの生徒は知らないのだと思い、何度でも分解して説明しましょう。

Ⅳ|問いを立てる

並べて分解できたら、前で講義するだけでそこそこの授業にはなります。
ここからは、「生徒が考える」授業にするためにどうデザインするかを解説します。

「分解」までできた要素の中から、問いを立てましょう。

難しく考える必要はありません。
授業の一部分の中から気になる部分を抜き出すだけで大丈夫です。
映画の予告編だと思いましょう。

「なぜアメリカの農業では、飛行機が飛ぶのか?」
「なぜアメリカの農業は円の形をしているのか?」
「なぜ、アメリカの人口は少ないのに、農業輸出国になれているのか?」

授業のどこでもいいので、この授業を知らなかったときに、「ちょい出し」されたら、続きが気になるような問いを設定しましょう。

アメリカの農業はどのようになっているだろうか?

この、「どのように」というのは、便利ですが、ほとんど効果がない問いです。

理由は2つあります。

1つ目は答えにくい・考えにくいという問題です。
「最近どう?」と上司や親に聞かれた時に、答えに詰まります。何を聞かれているかもわかりませんし、何を答えていいのかもわかりません。

2つ目は面白くないという問題です。
先ほどの例と比べて、「どのように」は続きが気になる問いになっているとは言えないでしょう。

Ⅴ|学習方法を考える

最後に学習方法を考えましょう。

学習内容に合わせて、「あれが使えそう!」など、組み合わせていきましょう。

アメリカの農業を具体例にして考えます。

グループワーク:教科書にある写真をヒントにグループで考えさせます。
ICT:教科書にある写真・動画をICTで見せたり、まとめさせたりします。
授業プリント:学んでいく内容ごとに適度に空欄や問いを設けながら整理します。
授業スライド:画像や動画などを写します。
板書計画:学んでいく内容ごとにまとめます。

ここは”自分がしてみたい”、”ICTを使うように言われた”など状況に応じて、設定すればいいと思います。

まとめ

ここでは以下のことを解説しました。

授業作りのポイントとは

・書き出す

・並べる

・分解する

・問いを立てる

・学習方法を考える

もちろん、授業作りはとても奥が深いもので、これだけでカバーすることはできません。

また、この方法でもいくつかのデメリットなどがあるのも事実です。

しかし、1つも「型」を持っていないと別の「型」はなかなか見えてきません。

1つずつ身につけていきましょう!

ちなみに、上達してくるとこれら全ては頭の中でできるようになります。
通勤時間で考えたりできるようになると授業作りは早くなります!!

より良い授業を作っていきたい人は、一緒に頑張りましょう!