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なかなか良い授業づくりが思い浮かばないなぁ
毎回毎回の授業作り、って大変ですよね?
教員には他の仕事が多いために、授業準備の時間はあまりとれません。
しかし、この記事を見てくれている人は、それでも授業作りを雑にしたくないと考えていると思います。
私は授業を作っていくうちに、テンプレートのようなものが分かってきました。
実際に、教材研究は今も続けていますが、作業時間自体は減っていっています。生徒や他の教員からの評価も下がっていません。
この記事では、私の授業作りで意識していることを具体例付きで3STEPで解説しました。
良い授業を時間をかけずに作れるようになって、教員生活にゆとりを持たせましょう!
Ⅰ|書き出す
まずは、学習することを書き出していきましょう。
最後に生徒に書いてほしいことを想像すると、書きやすいかもしれません。
ここでは、中学社会の「アメリカの農業」を例にします。
アメリカは大規模な農業を展開している
大型機械で少ない人間で大量生産できる生産性を維持している
自然環境を活かした栽培がなされている
企業的な農業が増えている
ここまでで、特に意識することはありません。
Ⅱ|並べる
次に書き出した内容を、並べます。
流れを意識しましょう。
流れとは、「並列」「因果関係」「順番」などがあります。
自分の中で、最もしっくりくる順序で並べ替えましょう。
並列は、同じような内容を並べることときに使います。
解き方① 、解き方②・・・
近畿地方の農業、近畿地方の工業、・・・
多細胞生物、単細胞生物・・・
因果関係は、「〜だから•••」というように原因と結果で並べるときに使います。
鉄鉱石を海外から運んでくるから、工業自体は海沿いにある
冬に光合成するために、たんぽぽはロゼット状になる
順番は、「○○→△△」というように時系列などで並べるときに使います。
桶狭間の戦い→長篠の戦い
核が分かれる→細胞質が分かれる
どれが適しているかは、授業に応じて変わります。
以下は先ほどと同じアメリカの農業の具体例です。
自然環境を活かした栽培がなされている
大型機械で少ない人間で大量生産できる生産性を維持している
企業的な農業が増えている
アメリカは大規模な農業を展開している
Ⅲ|分解する
次に並べた文章を分解します。
分解とは、「目の前の生徒がわかる言葉まで分解する」ということを指します。
例えば、「企業」。
アメリカでは、企業が中心となって農業を行っていますが、「企業」とは何かわからない生徒がいれば、ここでつまずきます。
「農家」と「企業」の差は何かを解説する箇所が必要になります。
思っているよりも生徒は言葉を知りませんし、知識もありません。
自分が生徒の年齢の時に知らなかったことは全て、生徒が知っている言葉に置き換えましょう。※教員は学習できた人が多いため、当時の自分より1段階低く見積もる必要があります。
アメリカの農業の場合
自然環境を活かした栽培がなされている
→酪農、綿花などの説明
大型機械で少ない人間で大量生産できる生産性を維持している
→生産性の説明
企業的な農業が増えている
→企業の説明
アメリカは大規模な農業を展開している
Ⅳ|問いを立てる
並べて分解できたら、前で講義するだけでそこそこの授業にはなります。
ここからは、「生徒が考える」授業にするためにどうデザインするかを解説します。
「分解」までできた要素の中から、問いを立てましょう。
難しく考える必要はありません。
授業の一部分の中から気になる部分を抜き出すだけで大丈夫です。
映画の予告編だと思いましょう。
「なぜアメリカの農業では、飛行機が飛ぶのか?」
「なぜアメリカの農業は円の形をしているのか?」
「なぜ、アメリカの人口は少ないのに、農業輸出国になれているのか?」
授業のどこでもいいので、この授業を知らなかったときに、「ちょい出し」されたら、続きが気になるような問いを設定しましょう。
アメリカの農業はどのようになっているだろうか?
この、「どのように」というのは、便利ですが、ほとんど効果がない問いです。
理由は2つあります。
1つ目は答えにくい・考えにくいという問題です。
「最近どう?」と上司や親に聞かれた時に、答えに詰まります。何を聞かれているかもわかりませんし、何を答えていいのかもわかりません。
2つ目は面白くないという問題です。
先ほどの例と比べて、「どのように」は続きが気になる問いになっているとは言えないでしょう。
Ⅴ|学習方法を考える
最後に学習方法を考えましょう。
学習内容に合わせて、「あれが使えそう!」など、組み合わせていきましょう。
アメリカの農業を具体例にして考えます。
グループワーク:教科書にある写真をヒントにグループで考えさせます。
ICT:教科書にある写真・動画をICTで見せたり、まとめさせたりします。
授業プリント:学んでいく内容ごとに適度に空欄や問いを設けながら整理します。
授業スライド:画像や動画などを写します。
板書計画:学んでいく内容ごとにまとめます。
ここは”自分がしてみたい”、”ICTを使うように言われた”など状況に応じて、設定すればいいと思います。
まとめ
ここでは以下のことを解説しました。
・書き出す
・並べる
・分解する
・問いを立てる
・学習方法を考える
もちろん、授業作りはとても奥が深いもので、これだけでカバーすることはできません。
また、この方法でもいくつかのデメリットなどがあるのも事実です。
しかし、1つも「型」を持っていないと別の「型」はなかなか見えてきません。
1つずつ身につけていきましょう!
ちなみに、上達してくるとこれら全ては頭の中でできるようになります。
通勤時間で考えたりできるようになると授業作りは早くなります!!
より良い授業を作っていきたい人は、一緒に頑張りましょう!