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他の人とうまくいかない。コミュニケーション能力が欲しい。
同僚、上司、後輩、生徒、保護者など、コミュニケーション能力は教員にとって、必須です。
経団連の調査によると企業が新卒に求める能力も「コミュニケーション能力」が高いです。
4位の協調性と5位の誠実性も、もはやコミュニケーション能力と同じ意味だと思います。
1位 | コミュニケーション能力 | 82.4% |
2位 | 主体性 | 64.3% |
3位 | チャレンジ精神 | 48.9% |
4位 | 協調性 | 47.0% |
5位 | 誠実性 | 43.4% |
もはやコミュニケーションスキルは、「あったらいいもの」ではなく「なくてはならないもの」と言う他ないでしょう。
私は学生まで人見知りで、コミュニケーションに自信はありませんでした。
しかし、コミュニケーション能力についての捉え方が変わってからは、よく同僚に「コミュニケーション能力が高い」と言われるようになりました。
結論から言うと、教員に必要なコミュニケーション能力は「聞く力」です。
この記事では、「聞く力」がどれほど教員にとって必要なスキルであるかを紹介します。
教員に必要なコミュニケーションスキルは「聞く力」
教員に必要はコミュニケーションスキルは「聞く力」です。
昨今の書店でも、「聞く」が大切という本が並んでいることが多いです。
しかし、本当の意味で「聞く」が実践できている人はなかなかいません。
「聞く力」を説明するには、まずは「コミュニケーションの目的」から考察する必要があります。
コミュニケーションは相手ファースト
コミュニケーションの目的は、相手の望みを叶えることです。
つまり、相手ファーストでなくてはなりません。
- 相手が楽しむ
- 相手が安心する
- 相手がスッキリする
- 相手が気持ちよくなる
など、会話によって様々ですが、相手の利益を優先することができると良いコミュニケーションが築けます。
自分が利益を得るのは、その後です。
必ず「Give&Take」の順番です。「Take&Give」ではありません。
では、どうすれば相手にGiveすることができるのでしょうか。
まさしく、「聞く」が答えです。
聞いてもらえると楽しくなる
相手の話を「聞く」ことが、誰でもできる相手にGiveを与える方法です。
あなたが「楽しいな」と思う人との会話を思い出してみてください。
その人との話が楽しいのは、あなたや相手のの話がおもしろいからでしょうか?
おそらくそれもあるでしょうが、根本的な理由は、相手があなたの話を聞いてくれるからです。
あなたが10000人に1人いるかいないかの話術を持っているなら別ですが、そうでないなら、あなたが鍛えるべき能力は「聞く力」です。
「聞く力」とは「聞いていることを伝える力」
「聞く力」とは、「聞いていることを相手に伝える力」です。
「聞く」といっても、ただただ耳に音を届かせているだけでは、聞いていることになりません。
コミュニケーションにおける「聞く」とは、相手にGiveすることが重要と言いました。
ならば、こちらが真剣に聞いていることを相手に伝える努力が必要です。
その力が「聞く力」であり、最重要コミュニケーション能力です。
ここからはどのように聞けば、相手に伝わるのかを解説します。
丁寧にリアクションする
最も大切なのが、リアクションです。
元気で挨拶してくれる生徒には、話かけやすくありませんか?
聞き手のリアクションが良いと、話し手もノってきます。
ただし、この時のリアクションは、「何のためにその話をしているのか」に注目する必要があります。
例えば、上司が自慢したい何かがあったとします。
まずは、上司が自慢したいということをいち早く会話の中から察知することが求められます。
その後、驚きのリアクションを入れます。
他にも、場面と空気に応じて、適切なリアクションを入れます。
- (相手が)自慢したい→驚く
- (相手が)悲しんでいる→共感する
- (相手が)楽しんでいる→元気を出す
など、少しオーバーなくらいのリアクションが必要です。
質問する
丁寧なリアクションがとれたら、質問します。
おれ、この前○○の授業したんだよ。
という上司がいたら、まずは丁寧なリアクションです。褒めるよりも驚く方が、素が出ているように見えてgoodです。
そのあとは、質問で話を展開します。
など、「もっと知りたい」という気持ちがあるように見せましょう。
ちなみに質問を深掘っていけば、無限に話すことができます。
よく「なぜそんなに職員室の人のこと知っているの?」と言われますが、
授業一つでも深掘っていけば、その人のパーソナルな部分まで会話してしまいます。
この方法では、話題を思いつかなくても、面白い話ができなくても、より良いコミュニケーションを築くことができます。
相手の信念に共感する
「リアクション」と「質問」で、だいたいのコミュニケーションはOKです。
※どちらも丁寧にできればの話です。
もう一つだけ伝えるなら、「相手の信念に共感する」ことが重要です。
部活を大事にしている教員には、部活の話で、
授業を大事にしている教員には、授業の話で、
労働時間を大事にしている教員には、努力の話で、
効率を大事にしている教員には、効率の話で、
コミュニケーションをとることが重要です。
相手の大事にしているところと、自分が共感できそうなところを見つけて、その話以外はしない、くらいの気持ちが必要です。
よくある勘違い
ここからはおまけとして、コミュニケーションにおけるよくある勘違いをお伝えしたいと思います。
面白い話をしなければならない、という勘違い
ユーモアで職員室を笑わせたりしている教員を見ると、少しの憧れを持ってしまいます。
ですが、ユーモアはおまけみたいなものです。まずは「聞く力」が重要です。
面白い話ができる人は、常に面白い話ができないか材料を集め、試行錯誤し、ようやく辿り着くレベルです。一朝一夕で身につくものではありません。あまりお勧めしません。
お菓子を配ればいい、という勘違い
私は職員室のコミュニケーションにお菓子が必要だとは思いません。
別にお菓子を配ってはいけない、とまでは言いません。問題は考え方にあると思っています。
お菓子はどんな人にでも配れるコミュニケーションです。
しかし、相手にかかわらず同じコミュニケーションになっています。
相手が「世界で一番どら焼きが好きなんだ!」という人であれば、どら焼きを渡す価値はあります。
ですが、キットカットやハッピーターンなどを配る時、コミュニケーションができている、などとは思わない方がいいでしょう。
相手に応じてリアクションや質問を変えて、どんどん相手を知っていく「聞く」コミュニケーションの方が重要です。
飲み会でコミュニケーションできる、という勘違い
飲み会に行かないと、 コミュニケーションがとれないなんてことはありません。
もちろん、行かないよりは行った方が職場の人と仲良くなれますが、職員室でもそれは可能です。飲み会は金額と時間に見合うリターンが得られないことが多いです。
何でも言い合える仲が作れる、という勘違い
上司であろうと保護者であろうと生徒であろうと「素」で接したい、というのは幻想です。
そもそも職場は仕事をする場所です。誰であろうと、相手に何かをサービスするというのは、教職でも同じです。
サービスするときに、相手にGiveしながら、できるだけより良いコミュニケーションをするのは当然です。
基本的にはそうです。
上司には、技術と経験があります。
しかし、下の者にはそれがありません。上司の経験などを話してもらえるなら、相手に気持ちよく話してもらう状況を作るのは当然です。
まとめ
この記事では以下のことを解説しました。
・聞く(相手ファースト)
・リアクションをとる+質問する+信条に共感する
「ここまで考えて、人と話さないといけないの?」とよく言われますが、それができるから、コミュニケーションは「能力」であり「スキル」なんです。
友達や家族と話すコミュニケーションとは、全く別物として捉えましょう。
ですが、友達でも恋人でも、相手のことを第一に考えるのは、共通して重要なのではないでyしょうか。
コミュニケーションがしっかりと能力として身についていると良いことがたくさんあります。ぜひ、明日からリアクションと質問だけでも実践してみてください!
・どのようにして思いついたんですか?
・どんな目的があったんですか?
・生徒の反応はどうでしたか?