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学習指導要領と授業が合わないなぁ
色々と話題となる学習指導要領で、現場を助けるための要綱が逆に困らせている場面もあることでしょう。
もしくは、もう5年くらい見てもいないという人もいるはずです。
私も学習指導要領など、無視して好きに授業を作ろうと思っていました。
しかし、学生時代に指導していただいた大学教授に使い方を教えてもらってからは、「よくできているんだなぁ」という考え方に変わりました。
今でも、ちょくちょく確認するようにしています。
この記事では、学習指導要領で授業を作るときの考え方と方法を解説します。
この記事を読んで、学習指導要領と自分との適切な距離の取り方を覚えていきましょう。
学習指導要領から授業を作るメリット
まずは、学習指導要領から授業を作るときのメリットを解説していきます。
最低限の授業が作れる
学習指導要領から授業が作れるようになると、最低限の基本的な授業が作れるようになります。
学習指導要領の作成者から話を聞いたことがありますが、本当に学習指導要領はよくできています。
様々な場所に配慮したり、言葉遣いを選んだりしています。
教科書は学習指導要領から作成されるため、当然ですが、2つはリンクしています。
作り方は学習指導要領から授業は簡単に作成することができるようになっています。
後ろ盾が得られる
学習指導要領から授業が作れるようになると、「この授業でいいんだ!」という自信を得ることができます。
みなさんは、以下の質問に迷いなく答えることができるでしょうか。
「教育費は税金から捻出されているけれど、それに見合った授業はできていますか?」
「学校から出たこともない教員が、社会に必要なことを授業で扱えるんですか?」
答えるのに非常に厳しい質問だと思います。
しかし、学習指導要領は文部科学省が定めたものです。
学習指導要領通りに作ってさえいれば、「国の方針に従っている」と言えます。
授業していると「このままでいいのかなぁ」と不安になることもありますが、
「最低限のことはできている!」と思うことで、心に余裕を作ることができます。
学習指導要領と教科書から授業を作る方法
ここからは学習指導要領から授業を作成する方法を解説します。
私は社会科教員のため、社会科をベースに作成しますが、他の教科でも応用可能であると思っています。
中学校社会の学習指導要領には以下のように記載されています。
(ア)人々の生活は、その生活が営まれる場所の自然及び社会的条件から影響を受けたり、その場所の自然及び社会的条件に影響を与えたりすることを理解すること。
文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説』
それぞれの単語を抽出します。
- 人々の生活
- 自然
- 社会的条件
- 影響を受けたり、
- 自然
- 社会的条件
- 影響を与えたり
実は、これらの単語は教科書とリンクしていることが多いです。
地理の教科書の中でリンクしている場所を探します。
- 人々の生活:高床、伝統衣装、米、土砂降りの生活
- 自然:暑い、雨が多い、森林がある
- 社会的条件:伝統的な家や服装
- 影響を受けたり、:木材の家、風通し、水を使う米
- 自然:熱帯林
- 社会的条件:観光地化、伝統的な生活
- 影響を与えたり:熱帯林の破壊、伝統的生活の衰退
つまり、暑くて雨が多い熱帯地域の自然は、人々の衣食住に影響を与え、人々は観光地にするために自然に影響を与えている、という知識を獲得させればいいということになります。
あとは、それぞれ写真や図を用いるだけです。
小さい発問も考えることができます。
「なぜ高い家に住んでいるんだろう?」
「衣服にはどのような特徴があるだろうか?それはなぜか?」
などですね。
発問に応じて、グループワークを展開すれば授業作成は終わりです。
どのような構成で、教科書が作成されているのかを学習指導要領は示してくれます。
まとめ
この記事では、以下のことを解説しました。
・学習指導要領のメリット
→簡単に授業が作れる
→後ろ盾が得られる
・授業の作り方
→指導要領と教科書を照らし合わせる
注意して欲しいのは、学習指導要領から授業が作れているからといって、ベストということはありません。
最低限の指針が学習指導要領には、示されています。
しかも、法的拘束力に関する法令は今のところありません。
けれども、最低限の授業を簡単に作ることに関しては学習指導要領はよくできています。
ぜひ、活用して、よりより働き方を目指していきましょう!