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明日の授業ができていない〜
授業以外の仕事は複数人が関わるので、自分だけでこなす「授業準備・教材研究」は後回しになりがちですよね。
いわゆる「持ち帰り仕事」の内容でダントツでトップなのが「授業準備・教材研究」です。
教員の残業・持ち帰り仕事の原因ともなっている「授業準備・教材研究」を減らすことで教員の業務を改善することができそうです。
この記事では、授業準備・教材研究の時間を減らすための考え方を解説します。
結論から言うと、70点を目指すという考え方です。
労力に見合う意義があるかどうか
大学でも初任者のときも「授業準備が命」という風に言われてきました。
その割には、授業準備に集中させてくれない環境を同僚から頂戴することは少なくありません(長い世間話・長い野望話・自慢・雑用)。
ここでは、授業準備・教材研究の意義について、私が考えたこととをまとめたいと思います。
「授業時間」という限界
生徒は「授業」というだけで拒絶反応を出してしまいます。
私は大学期間と教員期間で、少なくない授業研究をしてきました。
それにより、決して低くない評価を生徒や他の教員からも受けることができています。
しかし、「今日は自習」と言った時の生徒の喜びに満ちた顔には勝てません。
自習ということは、私から学べることが1回分減ることになります。
それでも自習の時に喜び溢れた表情になる生徒を前に、少しやるせない気持ちになります。
私はその度に反省します。
「あぁ、私の授業は比較的マシなだけであって、いつでもどこでも受けたい!!というものではないんだぁ」
と。
いくらでも反論できることを言っているのは重々承知しています。
しかし、目の前の生徒に対して、「苦痛」を与えているということは忘れてはならない事実でしょう。
授業準備・教材研究とは、どれだけ重ねようとも生徒の苦痛を和らげる作用でしかないということは自覚しておかなければなりません。
今の自分が貢献できることを考える
学校教育において生徒の成長に貢献できる場面は、授業場面だけではありません。
生徒対応や日常での声掛けなど、いくつでも思いつきます。
昔、私が尊敬している教員に以下のことを聞いたことがあります。
「過去の自分の授業よりも、今の自分の授業の方が質がクオリティが高いことに対して、過去の生徒に対して、詫びる気持ちみたいなものはありますか?」
そうしたら以下のように返答されました。
「あの時には、あの年齢や経験でしかできない授業ができていたと思うから、そんなに反省はしていない」
と。
学校教育現場には、自分の年齢やスキルでしか貢献できないことがあります。
若い教員は「共感」「スピード感」「ICTの活用」といった場面で活躍しやすいです。
ベテランの教員は「危険の予測」「ドシッとした考え」「失敗談」などで活躍しやすいです。
授業準備・教材研究に深夜まで時間をかけるよりは、寝て体力を蓄え、自分にできることで貢献することも重要なことです。
70点の授業で生徒をよく見る
授業準備・教材研究の完成度は70点を目指しましょう。
その理由を以下の2つであり、それぞれ解説します。
・体力が余る
・100点とるのは難しい
体力が余る
自分の中で70点の授業を作れば、30点分体力が余ります。
その30点分を使って、生徒と対話することの方がトータルで、生徒のためになります。
生徒がどこでつまずいているのか、授業に対してどう思っているのかを把握することに体力を使う方が授業満足度は向上するでしょう。
私はよく授業研究会や学会に参加することがあります。
そこでは、日々授業に対する熱い思いや素晴らしい授業が研究されていて、感心するばかりです。
しかし、その人の授業を見学させてもらうと、自分よがりの自己満足授業であることが少なくありません。
理論だけ武装していても、生徒が見えていない、ということに気づきました。
昨日も今日も「授業!授業!!」と言っている人ほど、教材は見えていても生徒の実態を見ようともしていませんでした。
そもそも100点をとるのは難しい
授業において、100点をとるのはとても難しいです。
その理由をまとめると以下のようになります。
・達成できたとしても継続することが難しい
・労力と成果が割に合わない
・100点を達成したつもりでもすぐに200点が見えてくる
詳細に関しては次の記事で解説しています。
時間をかけない授業準備・教材研究の方法
ここでは、すぐに70点をとる教材研究の方法を紹介していきます。
結論から言うと次の2つになります。
・真似をする
・型を覚える
順番に解説していきます。
真似をする
「真似をする」という考え方はとても重要です。
先ほどは批判してしまいましたが、現代ではさまざまな研究会が授業について研究してくれています。
あなたは生徒にとってどの授業がよいかを考えるだけでいいのです。
世の中の良い授業と生徒をマッチングするスキルが現代の教員に求められています。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
型を覚える
毎回毎回の授業は普通でいいんです。
100点はとれないけれども20点をとることもない70点の授業が作れる型を覚えているのは、とても役に立ちます。
授業づくりの「型」についてはこちらで解説しています。
まとめ
この記事では以下のことを解説しました。
・労力に見合うだけの意義はあるか考える
→授業は生徒にとっては苦痛であると自覚する
→授業以外の場面で貢献する可能性を模索する
・70点の授業を作り、残りの30点で生徒をよく見る
・70点の授業準備の方法
→真似する
→型を覚える
授業という視野だけでなく、学校・生徒などの幅広い視野で物事を考えるようになりましょう!