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グループワークをしたいんだけど、どうすればいいのか?
グループワークをしたいという気持ちはあるけれど、何をしたらいいのかわからない、という人は多いのではないでしょうか。
私も最初の1年目から3年目までは、グループワークを取り入れるも、すぐ挫折し、講義形式の授業を多くしてしまうことがありました。
アンケートをとってみても、「講義形式の方が良い」と答えた人は90%以上で、グループワークを望む生徒はほとんどいませんでした。
しかし、諦めずに挑戦し続けた結果、4年目からのアンケートでは、グループワークを好む生徒の方が多くなっていました。
当初はグループワークに懐疑的でしたが、徐々にそのメリットと成功させるための考え方もわかってきました。
この記事では、グループワークを行う上でのメリットと成功までの考え方を解説します。
グループワークのメリット
ここではグループワークのメリットを3つに絞って解説します。
・生徒が達成感を得られる
・学び合うことで相乗効果が得られる
・教員の手が空く
順番に解説していきます。
生徒が達成感を得られる
グループワーク形式の授業では、生徒が達成感を感じやすいです。
教員が講義するだけでは、生徒は情報を聞いているだけです。
しかし、グループワークにより他の生徒と問題を解決していくことができたときに、「わかった」と「できた」の両方を感じさせることができます。
生徒の授業満足度を充実させるためには、「この授業のおかげで○○ができた」と思ってもらう必要があります。
達成感を得ることが、学校生活での充実につながったり、自己肯定感の向上に寄与したりします。
生徒が達成感を得られるように授業をデザインすることはとても重要です。
学び合うことで相乗効果が得られる
グループワークで学び合うことで、相乗効果が得られます。
自分にはなかった他者の考えをプラスすることで、学びはより深まります。
などと、課題の自由記述欄に書いてくれる生徒も少なくないです。
グループワークでは、考え方を補うだけではなく、「教える機会」と「教えられる機会」を与えることができます。
まずは、「できない生徒」について考えてみましょう。
「できない生徒」は、友達に教えてもらうことでわかるようになる可能性があります。教員から一斉に大人の言葉で話されることよりも、友達から個別に子どもの言葉で説明される方が腑に落ちる場合が多いです。
次に、「できる生徒」について考えてみましょう。
「できる生徒」は、友達に教えることでより深く理解することができます。「教えることで自分も勉強になる」というのは古代から伝わる言い伝えです。多分。
できる生徒とできない生徒がグループになっても、課題設定さえ、うまくできていれば、学びを深め合うことができるのです。
教員の手が空く
グループワークを多く取り入れるようになって、一番実感している効果は「教員の手が空く」ことです。
教員の手が空くことで得られるメリットは計り知れません。
- 生徒をよく観察できる
- 何回も同じ授業をする必要がない
- 他の業務を行うことができる
所見・面談が予定されている生徒を注意深く観察することもできます。
他クラスで授業するのに、数十分同じ話をせずに済みます。
間に合っていない業務がある時は、採点などを行うことができます。
教員の業務を時間内で終わらせるためには、グループワークは力強い味方になるというわけです!
グループワークの考え方
ここからは、グループワークを始めるにあたって、必ず押さえておかなければならない考え方のポイントを解説します。
まずやってみる!
最も大切な考え方が「まずやってみる!」です。
グループワークの批判点を考えると、1000個くらい出てきます。
講義形式至上主義の人は、批判してきます。
できる生徒・真面目な生徒ほど、「講義がいい」と言ってきます。
最初は誰も話し合わないし、ぎこちないです。
グループワークに挫折する機会はいくらでもあります。
しかし、やってみないとわかりません。
どこがダメで、どこにつまずいているのかは、やってみてわかることです。
最初は他人と自分からの批判に耳をふさいで、やってみることをお勧めします。
ストレスがかかり、「あー、今からでも講義にしよかなー」とすぐに一瞬の楽を求めてしまいますが、まずはやってみましょう!
グループワークには練習が必要
グループワークには練習が必要です。
失敗した時にすぐにグループワークのせいにしてはいけません。
講義で失敗したからといって、講義形式のせいにしている人はいません。
グループワークになった途端、グループワークという”方法”が悪かったことにします。
講義の場合、むかーーーしから講義形式の授業を受けてきて、様々な講演を見てきて、話のうまい芸能人を見て、自分でも実践するのが講義形式です。
グループワークの場合、ほとんどの人生で触れてきておらず、練習期間もないはずです。
そのような状態で講義とグループワークを単純比較するのはナンセンスです。
昔、研究授業のようなときに教員の説明をほとんどカットした授業をしたことがあります。
いろいろな教員に、良い点と悪い点を様々いただきました。
その中に、「生徒が自主的に活動しているところを見て、日頃から実践していることが伝わった。」という意見がありました。
涙が出そうなくらい嬉しかったのを覚えています。
講義ができてからグループワーク
私は一旦講義形式の授業ができるようになってからグループワーク授業を行うことをお勧めしています。
なぜなら、授業内容の全体像がわからないまま、グループワークを実践しても、良い問いも活動もポイントもわからないからです。
授業内容を把握した上で、グループワーク形式を思いつくのは、初任の頃にはどうしても時間が足りません。
私も最初は95%が講義式で、徐々に講義形式の授業からグループワークに変えられそうなところから変えていきました。
まずは、講義形式で展開をつかんで学習させることができるようになりましょう。
それでも、今すぐにグループワークの授業を実践したいという人は、「元々ある教材を利用する」という方法をおすすめします。
グループワークへの批判は講義形式も同じ
グループワークをはじめようとすると、多くの講義形式派から弾圧を受けます。
しかし、丁寧に批判を聞いてみると、講義形式にも当てはまることが多いです。
それは講義形式にも言えます。講義形式で、本当に正しい知識が身についているのか?生徒が聞いていなければ、浅い知識に終始するのではないでしょうか。
それは講義形式にも言えます。講義形式で教科書の範囲は終わるのでしょうか?私が見てきた中では、講義形式で教科書を全て扱えている授業を見たことがありません。
それは講義形式にも言えます。講義形式で講義する内容は、かしこい生徒をターゲットにすると、かしこくない生徒はつまらないし、かしこくない生徒をターゲットにすればかしこい生徒はつまらなくなります。
結局、一長一短です。
講義形式にもグループワークにも良い面と悪い面があります。
実を言うと、今でも私は発問する講義形式の方がグループワーク授業よりも多いです。
毎年、徐々にグループワーク型授業を増やしていっています。
両方の良い面を取り入れながら、良い授業ができるようになっていきましょう!
まとめ
この記事では以下のことを解説しました。
・メリット
→生徒の達成感が上がる
→学び合いによる効果が得られる
→教員の手が空く
・考え方
→まずやってみる
→練習が必要
→講義とグループワークの良いところをとる
グループワーク授業も3年でようやく生徒も望むものになっていきました。
取り入れられるようになってからは、もう95%の授業を講義形式で行っていた時代には戻れないです。
まだあまり実践していない人は、最初のうちはストレスがかかります。
めんどくさいですし、安心を求めて講義に戻ってしまうこともあるでしょう。
しかしこれは、建設的な議論というよりは、感情の問題であると思います。
自分ができないことを取り入れたくないというのは、論理的ではなく感情の問題である可能性が高いです。
意を決して、グループワーク型授業を取り入れてみましょう!