【辛い・大変・疲れた】多忙な教員に伝えたい70点で働く方法

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【辛い・大変・疲れた】多忙な教員に伝えたい70点で働く方法

あの仕事もこの仕事も終わってない・・・。

教員室の時計を見たら、思ったよりも時間が過ぎている時の絶望感といえば、何度味わっても慣れることのない痛みですよね。

多分、教員の慣れない痛みランキングがあれば、準々決勝までの出場は固いでしょう。

私も教員になりたてのときは、毎日同じような悩みを抱えていました。

そんな中、「教員の仕事は1回の100点よりも、毎回の70点の方が大事」という言葉に救われました。

現在、仕事を早く終え、割りと帰る時間をコントロールできるようになった今も強く賛同する考えです。

この記事では、教員の仕事は70点を目指した方が良い!という理由を論理的に説明したいと思います。

この記事を読んで、みなさんも現在取り組んでいる仕事との向き合い方を変え、早く帰ることを目指しましょう!

教員の仕事の100点はどこにある?

「教育」に100点などあるのか?

会社の売り上げ目標が50万円だとすれば、50万円達成すれば、それは100点の仕事といえるでしょう。

しかし、教育現場の100点とは何でしょうか?※ここでは100点を満点とします。

判断がすごく難しいと思います。100点の設定など、不可能に近いでしょう。

おそらく自分の中で100点を目指しても、すぐに200点に目を向けてしまうことでしょう。

成長や教育に際限はありません。200点を達成すれば、250点が見えてきます。100点(満点)を目指すことは無理難題に取り組むようなものです。

満点を目指すのではなく、基準を設けて、70点を目指すようにしましょう!

そもそも教員の仕事の100点はハードルが高い

仮に教員の100点(満点)があるとして、満点の状態とはどのようなものでしょうか?

  • 全生徒が主体的な授業を行う
  • 全保護者に感謝される
  • 担当している部活が最高の成績をおさめる
  • 全ての生徒が第一志望に合格する
  • 全ての行事で全ての生徒が納得のいくものにする

どうでしょうか?満点など取れないことは明らかです。

教育現場で100点は取れない。

なぜ90点ではなく、70点なのか?

100点がとれないことがわかった上で、こう思う人がいるはずです。

なぜ100点より30点低い70点なのか?90点ではダメなのか?

ここでは、90点とることはコストパフォーマンスが悪いことを説明します。

50点を70点にするより、70点を90点にする方が難しい

90点を目指すことをオススメしない理由として、「割りに合わない」というのが挙げられます。

50点から70点を目指すのは20点アップです。
70点から90点を目指すのも20点アップです。

同じ20点上昇だったら、努力量も同じでしょうか?いや、違います(反語笑)。

学校の教員であれば、テストで置き換えるとわかりやすいと思います。

数学70点、国語20点だとすれば、単純に合計点だけを伸ばすのであれば、どのようにアドバイスするでしょうか?

きっと国語を応援すると思います。国語の方が伸び代がありすぎるからです。

少し難しい言葉で説明します。

経済用語に、「限界生産力」というものがあります。以下の図を見てください。

最初のうちは、労力をかけるほど生産量は上昇していきますが、一定ラインを超えると、あまり生産量は上昇しないことがわかります。

例えば、教員の仕事道具としてパソコンを1台用意して、生産性が2倍になったとしてましょう。では2台目を用意すれば、生産性はさらに2倍になるでしょうか?
パソコンを4台用意してもそんなに生産性は上昇しないでしょう。

他にモニターやマウスや椅子にお金をかけた方がよさそうですね。

自分で70点かなあ?って思ったら、その仕事は一旦終えて、別の仕事に取り組んだ方が良いでしょう!

教育現場では、90点を目指すのはコスパが悪い

終わりが見えるとモチベーションが上がりやすい

さて、生徒指導や部活指導が終わり17:00になりました。

明日までに仕上げなければならない仕事が1つ残っています。

今から2つの選択肢を提示します。
取り組みやすいのはどちらでしょうか。

○ 完璧に近い90点を目指して仕事に取り掛かる
○ 70点でいいんだと思って、仕事に取り掛かる

スタートダッシュが早くなるのはどちらでしょうか?
モリモリ作業ができるのはどちらでしょうか?

そうなんです。70点を目指せば良いという考えは、モチベーションのアップにもつながります。

子どもも大人も、目指すゴールが近いとやる気が出るのは変わりません!

70点はモチベーションの向上につながる

70点を取る仕事スタイルを邪魔する2つの考え方

70点を取りにいった方がよいことが、骨の髄まで、染み込んで、理解してもらえたところだと思います。

ここでは最後に、70点を取る仕事スタイルを邪魔する2つの考え方を覚えてください!
落とし穴にハマらないようにしてください!

「した方がよい」という思考

全世界の職員室で、使用禁止にするべき言葉、これが「した方がよい」です。

会議において、ある議題が「した方がよいか?」という軸で進んでいるとしましょう。

その議題は、十中八九「する」方向になります!

なぜなら、「しない」よりは「した方がよい」からです。

私の体験談を説明します。

私が会議で、「この時期に全員面談するのはなぜですか?」と尋ねたとき、いろいろな回答が出ました。
最終的に「面談は全員にした方がよいか?」という問いが会議で発せられました。

結論はもちろん、全員面談決行!そりゃ、しないよりはした方がよいに決まってる!笑

私が言いたかったのは、それにかかるいろいろなコストだったのですが、徒労に終わりました。

みなさん!よく考えてみてください!

  • 学校内の会議に豪華なスライド資料
  • 全員揃っての職員室の朝礼
  • 全員が揃った会議での資料の読み上げ
  • 逐一の保護者への案内
  • 毎日の学級通信の発行
  • ちょっとしたことでの家庭訪問
  • 特に事件は起こっていないが、授業のない教員の廊下の見回り

いや、しないよりはした方がいい。ただ、支払うコストを考慮したときに本当に「した方がよい」かは微妙なラインのものは学校にたくさんあります。

70点を目指すのであれば、「した方がよい」という基準で物事を考えることは、不適切だと言わざるを得ません。

「した方がよい」という考え方はしない方がよい!

30点分空いたから、いつもしていない仕事をしてしまう

やっぱり教員というものは、100点をとろうとすることが身に染み付いている生き物です。

せっかく70点で仕事を終えて、早く帰れる状態を作っても、空いた時間で今までしてこなかった仕事に無理に取り組んだりしてしまいます。

ここでも私の悲劇的な具体例を紹介します。

私の学校ではロイロノートというアプリを導入しています。
ちなみに、私は「ロイロノート認定ティーチャー」という称号をロイロノート社からいただいております。

ある日、ロイロ社から

「ロイロノートで教員の業務は減りましたか?」という質問をされました。

おそらく、「はい!とても業務が減りました!とても助かります!!」という返答を待っていたのだと思います。それほどまでに会社の人の目は期待と純粋さに溢れていました。

しかし、実際ロイロノートで仕事は増えました💧
それはなぜか?

確かにロイロノートによって、課題の出題・回収・採点・フィードバックは劇的に効率化されました。

しかし、課題を出しやすくなった分、今までより課題を多く出すことになったのです。これでは本末転倒です。

教員というのは、業務を効率化しても、100点を目指したがるという良い事例だと思います。

70点を目指し、30点分空いたのであれば、遠慮せずに帰りましょう!

そうしないと結局どんどん仕事の沼に入っていってしまいます。
※仕事の沼に入りたい人を止めはしません笑

余裕が出ても、無理に仕事を作りにいかない

まとめ

この記事では以下のことを解説しました!

多忙な教員に伝えたい70点という働き方

教育現場で100点を取ることはできない

90点を取るのもコストパフォーマンスは悪い

70点を取る働き方を妨げる考えに気を付ける

「まとめ」で言うのもなんですが、70点で良いというのは、何より自分の心をホッとさせてくれます。

自分を教育者と考えると、生徒の前では完璧な人間でいなければならないと思いがちです。
一度そう考えてしまうと、どんどん心が苦しくなります。

70点を目指すだけでいいというのは、落ち着いて職業と向き合うことができる基準にもなります。何より、70点でいいんだよ?という姿勢は生徒にも安心を与えることになるのではないでしょうか?

生徒と、何よりあなたの心のために、70点を取るという働き方をぜひ実践してみてください。

そもそも教員という仕事は向いてない、転職考えている人は以下の記事が参考になります。