【本当に必要?】多すぎる教員の仕事の中から不要なものを考えてみた

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【本当に必要?】多すぎる教員の仕事の中から不要なものを考えてみた

仕事が多すぎて、間に合わない・・・。

最近では、教員の仕事が多いことが世間に認知されてきました。

文部科学省によると、定時以外に業務を行う理由については、小中高共通して、「業務量の多さ」が1位となっています。

小学校・中学校・高校
1位自身が行わなければならない業務量が多いため
2位予定外の業務が突発的に発生するため
3位業務の特性上、その時間帯でないと行えない業務があるため
平成29年度 過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業より作成

「ストレスや悩みの内容」を問う質問においては、「長時間勤務の多さ」が上位に入っています。

小学校中学校高校
1位長時間勤務の多さ長時間勤務の多さ職場の人間関係
2位保護者対応休日の少なさ休日の少なさ
3位職場の人間関係職場の人間関係長時間勤務の多さ
平成29年度 過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業より作成

もちろん、長時間勤務が多い理由は「業務量が多いため」となります。

業務量を減らさないと、教員の働き方改革は夢のまた夢、ということになります。

業務を効率化することも重要ですが、そもそも業務量を減らすことが重要になってきます。

この記事では、教員が行うべきとされている業務の中から、必要な業務の考え方と「場合によっては不要なのではないか?」と思う業務を記載します。

業務を見直し、教員の働き方改革を実践していきましょう!

必要かどうかを見分ける考え方

まず、必要な仕事か不要な仕事かを見分ける私の考え方を紹介します。

  1. 常識を疑う
  2. コストと成果から考える
  3. 得意分野が活かせないか考える

常識を疑う

抱えている業務が必要か不要かを考える方法として「常識を疑う」というのは必須です。

1872年、約150年前に公的な学校制度は始まりました。
現在にいたるまでに、明治維新、戦争、高度成長、不況など、様々に変化してきました。
しかし、学校教育の中には、過去で良しとされたことを教えていることが多々見受けられます。昔の常識の全てが今に当てはめられるわけがありません。

私は「社会人になるとき」「社会に出たら」「常識」などの言葉を軽々しく使う教員に疑問を持っています。
あまり使いたくない言葉ですが、社会を知らない教員が変化に応じて常識を語ることができるとは思えません。

周りの教員が「絶対必要!」と思っている中でも、「本当だろうか?」と疑うことが必要です。

コストと成果から考える

常識を疑って、必要か不要か迷ったら。次に考えることは「コストと成果のバランス」です。

生徒の下校時間中ずっと門に立って、生徒が怪我しないかどうかを確認し続けるとします。
1年間し続けた結果、転んだ生徒を救出することができたとします。
「やっぱり、門に立って監視しててよかった!」

と、なるでしょうか。
1年間毎日、門で下校を見守ることに毎日1時間かけるとします。週5時間、月に20時間、年に200時間近くになります。
門の近くで怪我をする生徒を1人発見できたことによる200時間のコストはどう考えても大きすぎます。

多すぎる業務の中から必要となる業務は、コストに見合う成果を得られるものです。

コストと成果はどう考えたらいいの?

教員の仕事の特性上、「成果」を考えるのはとても難しいです。
ただ、考えるのが難しいからといって、考えなくていいことにはなりません。

自分の教育理念や学年の方針と照らし合わせて決めていきましょう。

教員自身の生活を顧みない働き方は確実にコストのかけすぎです。

得意分野が活かせるか考える

必要な業務かどうかを考えるときには、自分が得意な業務かどうかを考えましょう。

文章を書くのが得意な人、生徒と話すのが得意な人、など教員の特技は様々です。

生徒と話すことを得意としており、文章執筆を苦手としている教員が、生徒と話す時間を削って学級通信を書くのは、コストと成果が見合っているとは思えません!

つまり、必要か不要かを考えることにおいて、絶対解はなく、教員の持っているスキルによるということです。

必要かどうか考えた方が良い業務(対生徒編)

ここからは私が実際に働いていたり、知人教員から聞いた中で、本当に必要かどうか吟味した方がいい業務を紹介します。

  • 学級通信
  • 学級日誌
  • 朝礼と終礼の演説
  • 個人面談
  • 掲示物

学級通信

いきなり賛否が分かれると思いますが、私は学級通信に懐疑的です。

なぜなら、「生徒が読まない」からです。
生徒が読む時間をとれば読んでくれると思いますが、「読め!」と言って生徒が読む状態では、結局生徒は理解できていません。
自然と生徒が読みたくなる学級通信が必要です。

自然と生徒が読みたくなる学級通信を書けばいいじゃないか!

それこそ、コストと成果の問題です。

私は実は学級通信を毎日書いており、卒業後の寄せ書きにも「学級通信面白かった」と書いてくれる生徒は3分の1くらいはいます。

ただ、万人にお勧めできることか、と言われれば全くそんなことはありません。
読みやすい文章、読み応えのある文章、新しい知識、具体的な内容など、考えることは無限大で、誰でも手を出していいものではないと考えています。

ほとんどの学級通信が教員のエゴであると考えています。
お金を出しても読みたい文章かどうかを考えてみましょう。
もし、学級通信の作業時間で他に生徒の成長に貢献できるなら、迷わずそちらを選択してください!

学級日誌

生徒1人1人がその日にあったことを書いていく学級日誌も検討する価値はあるでしょう。

1人目の生徒が書いたものに教員が返信を書いても、見るのは2人目です。
教室の状況を正確に書いてくれる生徒はごく一部です。

生徒とのやりとりの側面から考えても、クラスの状況を知るという側面から考えても、それほど高い効果が見込めるとは思えません。

教員の返信は、1コメントするのは簡単ですが、

  • 次、誰になるか考える
  • きちんと回っているか確認
  • 不適切なことを書いた生徒の指導
  • 休みの人がいるときの対応

など、実はコストの総量は小さくありません。

また、始めたはいいものの、いい加減な状態で運営していくなら、クラスの状態としても良くありません。
そもそも取り入れないのが無難です。

朝礼と終礼の演説

朝礼や終礼での演説も検討する価値があるでしょう。

大前提として、この時間、子どもは全く話を聞ける状態ではありません。
朝礼の時間は友達と会えて話したいですし、終礼は早く帰ることで頭がいっぱいです。
自分たちに利益のある話か、自分たちが気持ちよくなれる話しか聞けません。

人によっては生徒を巻き込む演説ができる教員はいます
ただ多くの教員にとっては、しない方が無難です。

「おもしろくない話を延々とする教員」というレッテルを貼られる可能性があります。

朝礼や終礼は生徒が沈黙ているからといって、「聞いて、感動してくれている」と思ってはなりません。

いつもの朝礼と終礼での演説を極力なくして、いざという時に「今日だけは聞いてほしい」と伝える方がよっぽど話は生徒に入ります。

個人面談

個人面談や三者面談も検討する価値があるでしょう。

全員個人面談をやめようと提案すると、「は?」という顔で、にらまれます。

それほど個人面談というのは「絶対に全員した方がいいもの」という考えが染み付いています。

しかし、普段からコミュニケーションが取れていればわざわざ面談する必要はありません。
さらに、問題がない生徒に聞くこともほとんどありません。中高生にもなると相手も大人になってくるので、話しを合わせてくれる子どもも現れます。

もちろん、面談を全員し終わったときに思うことは「してよかった!」です。
褒めてくれたり、思っていることを話してくれたり・・・。
しかし、何度も言うようにコストと成果です。面談を実施するために、何人のスケジュールと場所を動かすのか、その時間帯によってどれだけの仕事を終わらせることができたのかを考えましょう!

やめるべき!とは思いませんが、検討する価値は十分にあると思います。

掲示物

掲示物も見直した方がいいでしょう。

掲示しすぎると教室がごちゃごちゃして見えます。
掲示しない方がいい、とまでは言いませんがどうしても作って掲示する作業と効果が見合っているとは思えません。

他にやることがなくて、どうしても掲示したい何かがあるときにしましょう。

必要かどうか考えた方がいい業務(同僚編)

次に職員室などの同僚と仕事をする際に検討した方がよいことを記載していきます。

  • 電話
  • 飲み会

シンプルに紙をやめた方がいいです。

業務でもなんでもなくて、多少の申し訳のなさはありますが、本当に紙はやめた方がいいです。

紙で作業するデメリットは、

  • なくなる
  • 机を圧迫する
  • 探す時間が手間となる
  • 1人しか見れない
  • 動かすのに時間がかかる
  • 紙ベースの仕事に未来はない

などたくさんあります。

ザッと解説すると、

紙で作業すると、単純に紛失します。紛失したら探す必要ができます。時間のロスです。

紙で作業すると机を圧迫します。他のものまで見えにくくなり、探し物が増えます。時間のロスです。

1人しか見れないために共有するときに印刷が必要になります。時間のロスです。

本当に残しておきたいもの、毎日何度も見るもの、それだけを紙ベースにするべきです。

「紙のぬくもり」とか「なんでも効率化すればいいってもんじゃない!」という人がいます。
紙のぬくもりを感じたい人は家で肌に紙を押し当てて寝ればいいし、効率化することが嫌いな人は、帰る時間が遅れることについて二度と文句を言わないでほしい。

紙で配られたものは、スキャンしてパソコンかタブレットに保存しましょう。
机のまわりにある紙で必要かも?と思ったらスキャンしましょう。たいてい使いません。

パソコンにファイルで保存したものを見つける方法は以下の記事で参考にしています。

我々は100年前に紙に故郷を滅ぼされたと考えるべきです。
憎しみを持って接しましょう。地球のためにもなります。

ちなみに私は本は紙派です・・・。

電話

電話をかけるのは大罪です。

電話は相手の時間を強制的に奪います。

あなたがもし水泳中だとして、うまく泳げている!と思っているときに電話がかかってきて取らないといけなかったら、怒るはずです。

仕事も同じで、何かに集中したりしているときに電話で集中力を切らせることは論外です。
これは自分だけが感覚として持っていても業務改善にはつながりませんが、自分だけでも持っておきましょう。

もちろん、電話の方がメールなどより早く回答が返ってきます。しかし、それは自分の仕事のスピードを相手よりも優先している状態です。

緊急時以外は電話はあまり使わない、という風習が職員室内にあるといいのですが・・・
あまりならないです・・・。

飲み会

もし、あなたが飲み会で楽しみを得られないのだとしたら、ただちに行くのをやめましょう。

基本的に飲み会というのは、気持ちよくなりたい人とそれをサポートする人で成り立っています。

上司の武勇伝や語りを聞いて、「すごい!」という人がいるから成り立つ場です。

多くの飲み会が何も生み出しません。
特に6人を超える飲み会になると共通して話せる話題が減るため、どうしても「結婚」「子ども」「車」「家」などのありきたりな話になります。

また金額も馬鹿になりません。
月に1回の飲み代で5000円だとすれば、年に6万円です。
1泊1万円の旅行に6回行くことができます。

付き合いだから仕方ないのではないか?

飲み会に行かないことで得られる付き合いなど大したものではありません。
特に教員は尊敬できる上司に出逢える可能性が低いです。
評価を高くして得する上司がほとんどいません。付き合う必要性があまりありません。

飲み会で得られるものが多いのではないか?

飲み会で知識を得たいなら、少人数がお勧めです。
大人数で特別な知識や理念を共有できたことなど一度もありません。

いざ、誘われると断りづらい

これはその通りです。しかし、人生で使える金額と時間は限られています。
一回承諾すれば、二度、三度、四度誘われます。
二度、勇気を出して断れば誘われることはありません。

問題はその二度の勇気を出せるかどうかです。
最初は「予定が・・・」と断っていましたが、最近は新しい人にも「行きません」と言うことができるようになりました。

職員室の人間関係に支障が出るのはないか?

出ないです。飲み会に行くからつながれる人間関係より、仕事ができるからつながれる人間関係を構築しましょう。
そちらの方がはるかに絆が強く、協力できるつながりになります。


まとめ

この記事では以下のことを解説しました。

減らすべきか検討するべき業務

・常識を疑う
・コストと成果から考える
・得意分野を活かす

・検討すべき業務
→学級通信・学級日誌・読み上げ・掲示物
→書類・電話・飲み会

何度も言いますが、「やめるべき」とは言いません。
これらの業務で成果を出す人がいるからです。

ただ、全員がするべきとも思いません。
そのため、検討するべきがあると思っています!

検討した結果、やっぱり必要!と思うのであれば、これからも力を入れて取り組むことができます!

効率的に業務を改善することはできますが、100の業務を効率的にできてもせいぜい70くらいです。0にできる方が良いに決まっています。

自分で自分の業務と働き方を解決する術を持ちましょう!