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採点が多くて大変だなぁ!
テストの採点の期日になると帰宅するのが遅くなるのは定番ですよね。
よく職員室は残業する教員で溢れかえります。
「今日こそは採点を早く終えるぞ!」と意気込んでもいつも時間がかかってしまいます。
なぜなら、採点を効率化させるための方法は「作り方」にあるからです。
私もこの方法にしてからは、毎回残業なしに1日で終わらせています。
この記事では、採点を効率化させるためのテストの作り方と採点方法を解説します。
採点を1日で終わらせて、シュッと帰宅しましょう!
採点を早くしてもたかがしれている
採点を早くしても、抜本的な解決にはなりません。
1問10秒の採点を意気込んで採点してみても、1問8秒になる程度です。
意気込んでスタートした分、休憩を多くとってしまいがちです。
年齢を重ねて体力が落ちれば、いつまで経っても早くなれません。
もちろん、しないよりはいいですし、早く採点しようとする姿勢は大切ですが、やる気を「作り方」に向けることでもっと早くなるでしょう。
採点を効率化するテストの作り方
ここからは実際に採点を効率化するためのテストの作り方を解説していきます。
問題数を絞る
まずは問題数を絞りましょう。
当たり前ですが、100問を50問にすれば採点時間は半分になります。
1問1点を100問というテストがありますが、やめましょう。
ただただ単語を暗記することに意味はありませんし、時代は単純暗記から離れつつあります。
問題数を絞ることは、教員・生徒・社会が喜ぶ三方良しの方法です!
記号を増やす
記号を増やした方が採点は効率的になります。理由は言うまでもありません。
記号にすると勘で当たってしまうし、論述じゃないと正しく理解できているか確認できないのではないか?
問題ありません。センター試験や大学共通テストは4択の記号問題です。
4択の記号問題を丁寧に作れば、勘で当たるものではありません。
4択を3問連続勘で正答する確率は64分の1です。
それに記号問題を工夫すれば、正答しづらいものになります。
記号問題の方が易しい、という先入観は捨てましょう。
簡単な記号問題は穴埋めを用いる場合です。
次の語句に当てはまる言葉を書きなさい。
(A)時代に稲作が本格化した
①縄文時代 ②弥生時代 ③飛鳥時代 ④奈良時代
これですら、校種によっては答えにくい問題だと思いますが・・・。
難しくしようと思えば、以下のような記述になります。
次の文章の正誤の組み合わせを選びなさい
ア:縄文時代に稲作が日本列島全域に拡大した。
イ:縄文時代に領地を巡っての争いは頻発した
①ア-正 イ-正 ②ア-正 イ-誤 ③ア-誤 イ-正 ④ア-誤 イ-誤
縄文時代について深く知らないと正解できないですし、ア、イの両方の文章を判断できないと正解には結びつきません。
単語暗記ではなく、理解を促せる発問です。生徒は文章を読み込んで、何度も判断するため、少ない問題数でも時間を使ってくれます。
あとは1問3点程度にすれば、簡単です。少しだけ手間ですが、採点コストは1個の記号だけです。単語テストを3問作って、3個漢字まで判断するコストよりも効率的です。
最初は記号で「やったー!」と言っていた生徒は「記号いやだ・・・」と言うようになりました。
また記述にすれば採点者でのズレも生じにくくなります。
もし同科目を他の教員と持っている場合は、他の教員の採点業務を減らすことができますし、論述問題での話し合いも削減できます。
似たような問題は固める
仕事の鉄則として「似ている作業は一気に終わらせる」というものがあります。
Aの仕事→Bの仕事→Aの仕事→Bの仕事
と、繰り返すより、
Aの仕事→Aの仕事→Bの仕事→Bの仕事
とまとめてしまう方が効率的です。
A→B→Aの順番では、Bを終えてからもう一度Aの仕事を思い出さなければなりません。
しかし、A→Aと、同じ作業を繰り返せば、Aの作業のプロになることができます。
採点も同じで、
単語→記号→論述→単語・・・と繰り返していくより、
記号→記号→単語→単語・・・と揃えた方がはるかに採点効率が上がります。
惜しい解答欄は、問題の種類がバラバラです。
上記解答欄の記号問題・単語問題・論述問題を色分けすると以下のようになります。
色はバラバラになってしまいます。
採点効率の良い解答欄は、問題の種類ごとにまとめています。
上記解答欄の記号問題。単語問題・論述問題を色分けすると以下のようになります。
色は統一されています。
問題ごとに種類を分けていれば、記号問題の採点のときは記号問題の採点に集中できます。
単語問題は単語問題。論述は論述に集中して採点することができます。
採点を効率化する方法
採点しやすいテストが作れたら、採点していきます。
ここからは効率的な採点方法を解説していきます。
まとまった問題を一気に採点する
まとまった問題は一気に採点しましょう。
以下のような解答欄を想定します。
この場合、1問目から6問目まで暗記します。
その後、模範解答を見ずに、すべての生徒の1問目から6問目までの採点を一気に終えてしまいます。
7問目の採点を途中で挟むとどうしても遅くなってしまいます。
※採点基準もガタガタになってしまいます。
この採点方法を実行するために、問題を種類ごとにまとめてテスト作成する必要があります。
まるしない
小テストであれば○する必要はないでしょう。
丸をつけるという行為は意外にも手の作業を持っていかれます。
✖︎でなければ、丸を示しているので、特に生徒とのいざこざが生じることはありません。
見るだけなら早いのに、丸をつけるとなるとどうしても手を動かす時間が遅くなります。
最初こそは、求められます。
しかし、「私のテストでは赤が少なければ少ないほど美しい答案用紙であり、100点の場合は、何も手が加えられておらず、ソッと総合点に『100』があるんだ!」
と、言うとなぜか納得してくれます。
生徒が素直で、信頼関係が築けている場合ですが・・・。
「丸する時間がもったいない」と素直に言うこともあります!
1人で一気に終わらせる
採点中は色々情報を覚えています。配点や解答や採点基準など。
次の日に持ち越したり、大幅な休憩を入れたりすると忘れてしまい、思い出すのに時間がかかります。
別室に移動するか、持ち帰るかして1人の時間を確保して終わらせる方がよっぽど効率的になります。
文章を速く読めるようになる
記述問題を早く採点するには、文章が速く読めれば事足ります。
私は最初5時間くらい採点にかけていましたが、知り合いの教育学部教授に「時間をかけすぎ!」と言われました。
教員の仕事がブラック化している一因に、新人教員の仕事の遅さにある、と言われて悔しかったのを覚えています。
ここで、教員の業務は多すぎる、と思うのか自分が速くなればいい!と思うのかでその後の教員生活が変わってくると思います!
デジタル採点システムを活用する
採点システムを応用すれば、採点業務は今の半分になります。
ただ、これは個人ができることではなく学校を巻き込む必要があります。
もし、あなたがそこそこの地位にあるか、そこそこの地位のある教員に提案できる立場にあるのなら、活用するのがお勧めです。絶対的に採点が早くなります。
ただ、教員という生き物は本当に新しいものを導入するのが嫌いなので、強い逆風を乗り越えていける覚悟のある人に限られます。
もし、できるのであれば、本当にお勧めします。
こちらのサイトでデジタル採点システムを比較しています。
サイトの中では、EdLogクリップ採点支援システムを活用しましたが、全く文句がありません。なんなら、年度ごとに機能が更新されていきます。
余裕があればぜひ・・・。
まとめ
この記事では以下のことを解説しました。
・テストの作り方から考える
・作り方
→問題数を絞る
→記号を多くする
→まとめる
・採点方法
→まとめて採点する
→まるしない
→1人で終わらせる
→早く読む
自分の工夫で採点業務も早く行うことができます。
なにかを取り入れる時は必ずストレスがかかりますが、その後の仕事を効率化させてくれます。
ぜひ一緒に業務を改善し、豊かな教員ライフを送りましょう!