成績処理を減らす方法は2つだけです。課題の量と、答えの分岐

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成績処理を減らす方法は2つだけです。課題の量と、答えの分岐

学期末になると、評価の仕事で潰れます。

採点、集計、所見、評定。これを「頑張って早くやる」という発想でいるかぎり、毎学期おなじことが起きます。速く処理する方法を探しても、量は減りません。

減らす方法は、実は2つしかありません。しかも、どちらも学期末ではなく、学期の最初にやることです。

この記事では、その2つと、採点そのものを軽くする作り方を書きます。

図解:成績処理を減らす方法は2つだけ。学期末ではなく、学期の最初にやる

成績処理を減らす1つ目は、課題の量を減らすことです

身も蓋もない話から始めます。

評価の作業量は、課題の数に比例します。 課題が20個あれば、20個ぶんの提出確認と、20個ぶんの記録が発生します。ここは工夫のしようがありません。

だから、いちばん確実に効くのは課題の量を減らすことです。

端末が入って、課題は増えました

ここは正直に書いておきます。1人1台の端末が入って、いちばん変わったのは「提出物をたくさん出せるようになったこと」です。

そして、出せるようになったので、実際に増えました。

紙のころは、印刷して配って回収して、という手間が抑制になっていました。その抑制がなくなった結果、課題の数が膨らんでいます。便利になった分だけ、評価の仕事が増えているというのが実態です。

「出せるから出す」をやめるだけで、学期末の景色が変わります。

成績処理を減らす2つ目は、答えの分岐を狭めることです

もう一つは、課題や問題の作り方です。

同じ1問でも、答え方の幅が広いほど、採点に時間がかかります。自由に書かせる問題は、生徒の数だけ違う答えが返ってきます。それを一つずつ判断するので、当然遅くなります。

だから、回答の分岐が出ないように、選択肢を狭めます。

  • 記述の条件を先に指定する(何を必ず入れるか)
  • 答えの形をそろえる(文で答えるのか、語句で答えるのか)
  • 選べる選択肢を用意する

「思考力を測れないのでは」と思うかもしれません。ただ、測りたいものが決まっていれば、分岐は狭められます。分岐が広いのは、多くの場合、何を測りたいかが決まっていないからです。

記述の採点基準は「あるかないか」で作ってください

分岐を狭めるのと同じ話が、採点基準にもあります。

記述問題の基準を作るとき、「その記述があるかないか」で作ってください。

  • ◯ この語句が入っているか
  • ◯ この理由に触れているか

これなら、見た瞬間に決まります。

逆に、こうすると遅くなります。

  • ✕ 具体的に書けているか
  • ✕ 十分に説明できているか

「具体的かどうか」で見ると、難しくて面倒になります。 判断のたびに迷い、迷うたびに手が止まります。そして、生徒から質問が来たときに説明もしづらくなります。

私が成績をつけていていちばん迷うのは、やはり論述です。だからこそ、迷う場所を先に減らしておきます。

説明できない評価の付け方をしない

評定に納得しない生徒や保護者への説明を、心配する人がいます。

私の考え方はひとつです。説明できないような評価の付け方をしません。

基準が「あるかないか」で作ってあれば、聞かれたときにそのまま答えられます。説明の準備をするのではなく、説明が要らない基準を先に作るということです。

採点は1クラス1時間かかりません

参考までに、実際にかかっている時間を書いておきます。

採点は、1クラスあたり1時間かかりません。

速くしている工夫はひとつだけです。採点支援システムを使うことです。スキャンして、設問ごとにまとめて見ていく形にすると、紙を1枚ずつめくる方式より確実に速くなります。

学校に入っていれば、使わない理由がありません。入っていなければ、導入を提案する価値があります。

なお、テストそのものの作り方を変えると、採点まで軽くなります。考え方は教員が採点を効率化する方法は『作り方』にあったに書きました。

所見は、AIで書く時間がほぼゼロになりました

最後に、所見の話をします。

昔は1人あたり30秒くらいかけていました。いまは、AIが考えてくれるので、ほとんど時間がかかりません。

ここは、この数年でいちばん変わったところです。手順は所見をAIを使って一瞬で終わらせる方法に書いています。

そのうえで、守っていることが2つあります。

1つ目。所見に、ネガティブなことは書きません。 通知表は保護者の手元に残ります。マイナスの記述は、そこに残り続けます。

2つ目。生徒が特定できる情報は、AIに入力しません。 氏名やクラスは「この生徒」に置き換えれば済みます。生成された文章に、あとから自分で名前を入れれば足ります。

また、お勤めの学校や自治体に生成AIの取り決めがある場合は、そちらを優先してください。 使ってよいツールと、入力してよい情報の範囲は学校ごとに違います。

まとめ 成績処理は、学期の最初に減らします

  • 減らす方法は2つだけ。課題の量を減らすことと、答えの分岐を狭めること
  • どちらも学期末ではなく、学期の最初にやる
  • 端末が入って課題は増えた。「出せるから出す」をやめる
  • 記述の基準は「その記述があるかないか」で作る。「具体的かどうか」で見ると遅くなる
  • 説明できない評価の付け方をしない
  • 採点は採点支援システムで1クラス1時間以内
  • 所見はAIでほぼゼロ。ただしネガティブは書かない、個人情報は入力しない

学期末に速くする方法を探すのは、もう終わりにしましょう。減らすなら、4月と9月にやることです。

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