PR
職員室がしんどい。行くのが憂うつだ。
そう感じている先生に、まず伝えたいことがあります。意地悪な人は、職員室全体の2割もいません。
信じられないかもしれません。実際、職員室にいると、嫌な人ばかりに囲まれているように感じます。ただ、それには理由があります。その2割の声が、とにかく大きいのです。だから10割に見えてしまう。
意外とみんな、明るく丁寧に接してくれます。ただ、その人たちは静かなので、しんどいときには目に入りません。
この記事では、その2割とどう距離を取るか、味方をどう作るか、そして人間関係の悩みが本当に消えるのはどういうときかを書きます。気合いで乗り切る話はしません。
職員室の人間関係がしんどいのは2割の声が大きいからです
まず、いま見えている景色を疑ってください。しんどさの原因は、人数ではなく音量です。

職員室で意地悪な人は全体の2割にも届きません
私の実感で言えば、意地悪な人は全体の2割にも届きません。残りの8割は、普通の人です。
ところが、その2割は目立ちます。声が大きい。話が長い。感情を隠さない。だから記憶に残ります。印象の面積が、人数の割合と一致しません。
一方で、丁寧に接してくれる人は静かです。必要なときに助けてくれて、あとは自分の仕事をしている。助けられたことは、しんどいときほど思い出せません。だから職員室が敵だらけに見えます。
まず、この見え方の歪みを知ってください。あなたが感じているしんどさは本物ですが、その原因の人数は、あなたが思っているより少ないです。
職員室の人間関係は2割から距離を取れば変わります
人数が少ないと分かると、打つ手が変わります。8割と仲良くする努力ではなく、2割から距離を取ることに集中すればいいからです。
全員に好かれようとすると、その2割にも合わせることになります。合わせれば、消耗します。順番が逆です。先に距離を取る。そのうえで、残りの人と普通に働く。
距離の取り方については、職員室での人間関係を三段階で改善する立ち回り方にまとめてあります。知る、回避する、強くなる。この順で進めるのが現実的です。
職員室の空気が悪い学校には声の大きい人がいます
学校によって職員室の空気は大きく違います。その差を作っているものも、はっきりしています。
職員室の空気は悪口を言う人がいるかどうかで決まります
空気が悪い学校には、共通点があります。声が大きくて、悪口ばかり言う人がいることです。
その人がいるだけで、職員室の空気は変わります。他の人が悪口を言い始めるからではありません。その人の発言を聞かされる場所になるからです。黙っていても、耳には入ります。
逆に言えば、その人がいなくなるだけで環境は一変します。異動でそういう人が抜けた年、職員室の空気ががらりと変わるのを見たことがあります。教員のしんどさの多くは、仕事の中身ではなく同僚の話です。
職員室の空気が悪いのはあなたのせいではありません
ここは強めに書きます。職員室の空気が悪いことに、あなたの責任はありません。
うまくやれていないのは自分のコミュニケーション能力のせいだ、と考えてしまう人がいます。真面目な人ほどそうなります。でも、原因は構造にあります。声の大きい人が一人いる。それだけで空気は悪くなる。あなたが変わっても、その構造は変わりません。
自分を責める必要はありません。やるべきなのは、その環境の中でどう自分を守るかを考えることです。
職員室で味方がいないなら味方を作るところからです
孤立を感じているなら、やることは一つです。まず味方を作ってください。
職員室では意外とみんな丁寧に接してくれます
味方を作ると聞くと、身構えるかもしれません。ただ、思っているより簡単です。意外とみんな、明るく丁寧に接してくれます。
先ほど書いたとおり、職員室の8割は普通の人です。話しかければ普通に返ってきます。むしろ、こちらが心を閉じていると、相手も距離を取ります。しんどいときほど、その悪循環が起きます。
やることは特別ではありません。挨拶をする。困っていることを聞く。手伝えることを手伝う。普通のことを普通にやれば、味方はできます。
職員室で味方を作るなら力のある人を見極めてください
もう一段だけ、コツを書きます。誰と仲良くなるかを選んでください。
自分のデスクの隣にいる人を、そのまま師と仰いでしまう人が多いです。ところが、隣にいる人が仕事のできる人とは限りません。力のない教員も、やりすぎな教員も、おせっかいな教員もいます。
見極めたうえで、力のある人のアドバイスを実践してください。「この本がいいよ」と言われたら読む。「このアプリがいいよ」と言われたら使う。実践する人のところには、次の情報が集まります。それが味方を作るということです。
職員室の人間関係は気にしないより気にならないを目指してください
ここからが、この記事の核心です。世の中のアドバイスは、たいてい「気にしないようにしましょう」で終わります。私はそれを否定します。
職員室の人間関係で気にしないという努力は続きません
気にしないでいよう、と決めて実行できる人はほとんどいません。気になるものは気になります。気にしないというのは、気になっている状態を我慢することでしかないからです。
我慢には限界があります。しかも、気にしないよう努力するほど、その相手のことを考える時間が増えます。忘れようとするほど思い出す。これは仕組みの問題です。
だから、方向を変えてください。目指すのは「気にしない」ではなく、「気にならない」です。
職員室の人間関係は自分のレベルが上がると気にならなくなります
では、どうすれば気にならなくなるのか。答えは自分の能力を上げることです。
たとえば、小学4年生と割り算の速さを競おうとは思わないはずです。相手が何と言おうと、気になりません。レベルが離れると、比較の対象から外れるからです。
職員室でも同じことが起きます。仕事が速くなり、授業に手応えが出て、任された役割をこなせるようになる。そうなると、絡んでくる人の言葉が、以前ほど刺さらなくなります。
これは精神論ではありません。実力をつけることが、いちばん確実な人間関係の対策だという話です。同じ発想は職員室の人間関係を良好にするたった1つの方法にも書きました。仕事を終わらせることが、いちばん効きます。
職員室で人間関係に悩まなくなるのはリスペクトをもらえたときです
私自身、いつから人間関係で悩まなくなったのか。振り返ると、はっきりしたきっかけがありました。
職員室の外でもいいので認められる場所を持ってください
悩まなくなったのは、特定の分野でリスペクトをもらえたときです。
「この人からは認められている」。そう思える相手が一人いれば、それでいい。全方位で認められる必要はまったくありません。
その相手は、職員室の中の人でなくてもかまいません。生徒から慕われていることでもいい。家族ができたことでもいい。自分が大事にされている場所がどこかにある。それだけで、職員室での小競り合いの重みが変わります。
人間関係が気にならなくなると考える余裕がなくなります
認められる場所ができると、何が起きるか。変な人に頭を使っている余裕も、ワクワクもなくなります。
これは冷たい話ではありません。人の時間と関心には限りがあります。大事なものが増えれば、そちらに使われるというだけのことです。
だから、人間関係を直そうとする前に、自分が没頭できるものを増やしてください。授業でもいい。校務分掌でもいい。家庭でも、外の活動でもいい。「気にならない状態」は、我慢ではなく、他が充実した結果として来ます。
合わない同僚とは仕事以外で関わらないでください
きれいごとではない部分も書きます。どうしても合わない人は、います。
合わない同僚とは仕事が重なる場面だけで話してください
私のやり方はとても単純です。仕事が合致するところ以外では、話しません。
雑談をしない。飲みに行かない。必要な連絡は必要なだけする。冷たいと思われるかもしれませんが、関わりを減らすことは、相手を攻撃することとは違います。
そして、協力しないと進まない仕事があったとき。自分の負担がそれほど増えないなら、自分でやってしまいます。調整に使う時間と気力のほうが高くつくからです。ムカつく相手への対処は職員室のムカつく教員への対処法でも書きました。
私立には異動がないので回避する力が要ります
ここは私立特有の事情です。公立なら、合わない人がいても数年でどちらかが動きます。私立にはそれがありません。
成果を出していない人が大きな顔をしたまま、ずっと同じ職員室にいる。この状況からは逃げられません。私立でしんどいことを一つ挙げるなら、これです。
だからこそ、回避する能力を高めるしかありません。関わらない。巻き込まれない。自分の仕事を進める。逃げ場がない環境では、この技術が生存能力そのものになります。
教員が管理職に相談したら負けだと思ってください
意外に思われるかもしれませんが、私は管理職にあまり相談しません。これは管理職が悪いという話ではありません。
管理職の時間はあなたの時間より重いと考えてください
理由は単純です。管理職の時間のほうが大事だからです。
管理職は、学校全体のことを判断しなければいけない立場にあります。その人の時間を自分の問題のために使わせるということは、それだけの重さのある案件を持ち込んだということになります。
だから私は、イレギュラーなことが起きない限り、管理職とはあまり話しません。管理職を引っ張ってこなければならない状況を作った、という認識でいます。この感覚を持っていると、まず自分で処理しようとするようになります。
管理職に相談すべき場面もはっきりあります
もちろん、相談してはいけないという話ではありません。自分にはどうにもできないことは、必ず相談してください。
ハラスメントを受けている。生徒の安全に関わる。保護者対応が個人の手を離れている。こうした場面は、最初から組織で扱うべきものです。一人で抱えることのほうが問題を大きくします。
線引きはこうです。自分の裁量で処理できることは自分でやる。組織の判断が要ることは持ち込む。この区別さえついていれば、迷う場面は減ります。
陰口の輪に入ってしまうのは普通です
きれいごとを書かないと決めたので、これも正直に書きます。
陰口の輪に入ってしまうことは実際にあります
私も、入ってしまうことがあります。
その場の流れで話を合わせてしまう。うなずいてしまう。あとから思い返して、入らないようにしようと反省する。その繰り返しです。完璧にやれている人のふりはできません。
大事なのは、入ってしまった自分を責めすぎないことです。気づいて戻れれば十分です。悪口を言わない人でいようとして苦しくなるくらいなら、思い出したときに引くくらいでちょうどいいと思っています。
陰口の輪から抜けても場は普通に回ります
抜けるときに気になるのが、「自分だけ乗らないと空気が悪くなるのでは」という不安だと思います。
実際にやってみると、拍子抜けします。黙っていたら、自分以外の人間で普通に盛り上がっています。誰も気にしていません。
抜けることを大ごとに考えなくて大丈夫です。相槌をやめる。席を立つ。仕事に戻る。それだけで抜けられます。あなたが思っているほど、あなたの参加は必要とされていません。
人間関係で辞めるかどうかは教員特有かどうかで決めてください
最後に、いちばん重い話です。人間関係がしんどくて辞めたい。そう思ったときの判断基準を書きます。

まず異動で解決するかどうかを確認してください
順番があります。最初に確認するのは、異動の可能性です。
公立で、異動の可能性があるなら、まず希望を出し続けてください。希望が通ることは多くありません。ただ、言い続けている人にしか、通る可能性は回ってきません。言っていない人には、そもそも順番が来ません。
異動が無い、あるいは待てないという場合に、次の判断に進みます。
教員特有の悩みなら転職はありです
ここが判断の中心です。あなたの悩みが、教員特有のものか、社会人に共通するものかを切り分けてください。
教員特有のものとは、たとえば部活の顧問の押しつけです。あるいは、成果を出していないのに大きな顔をしている人がいること。これは教員という仕事が、成果と評価が結びつきにくい構造だから起きます。一般企業なら成果で序列がつく場面でも、学校ではそうならない。この種のしんどさは、職場を変えれば消えます。
一方、上司と合わない、陰口がある、評価に納得できない。これは社会人に共通する悩みです。転職しても、形を変えて付いてきます。この場合は、今の場所で対処する力をつけたほうが早いです。
そのうえで本気で辞めたいなら、それは止めません。判断の材料は教員を辞めたいと思ったら、それが辞めるタイミングですにまとめてあります。
まとめ 職員室の人間関係は2割から離れれば変わります
大事なところをまとめます。
意地悪な人は、職員室の2割もいません。その2割の声が大きいから、10割に見えているだけです。全員と仲良くする努力ではなく、その2割から距離を取ることに集中してください。
味方は作れます。8割は普通の人です。ただし、誰と仲良くなるかは選んでください。隣の席の人が、力のある人とは限りません。
そして「気にしない」という努力は続きません。目指すのは「気にならない」です。自分の能力が上がると、相手の言葉は届かなくなります。小学4年生と割り算の速さを競おうとは思わないのと同じことです。
私が悩まなくなったのは、特定の分野でリスペクトをもらえたときでした。全方位で認められる必要はありません。認められる場所がどこかにあれば、変な人に頭を使う余裕はなくなります。
辞めるかどうかを決めるなら、その悩みが教員特有か、社会人共通かで切り分けてください。教員特有なら、場所を変えれば消えます。
職員室は、あなたが思っているより敵だらけではありません。
あわせて読みたい