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転職活動と、転職は、別のものです。
ここが混ざったまま「まだ辞める決心がつかないから」と動かない先生を、たくさん見てきました。
今、辞めなくていいです。 辞めないまま、転職活動だけしてください。辞めない人にこそ、いちばん効きます。
この記事では、その理由を書きます。

転職活動をすると、自分の値段が分かります
まず、いちばん大きい効果から書きます。
転職活動は、市場に自分の値段を聞きに行く行為です。やってみると、自分がいくらの人間として扱われるのかが分かります。
これは、教員をしている限り一生分からない情報です。給料表で決まっているからです。
そして、ここが大事なところです。
自分の市場価値が分かったなら、それは「教員をやり続ける理由」になります。
外に出ても同じくらいなら、続ければいい。むしろ下がるなら、なおさら続ければいい。知らないまま続けるのと、知ったうえで選ぶのは、まったく違います。
いつ辞めてもいいと思えると、今辞めなくてよくなります
不思議に聞こえるかもしれませんが、実際にそうなります。
複数の選択肢があることが、心の安定につながります。
いま職場がしんどい人の多くは、しんどさそのものより、「ここしかない」という感覚に追い詰められています。逃げ道がないと思うから、目の前の理不尽が実際より大きく見えます。
転職活動をして、行き先がいくつか見えると、この感覚が消えます。
いつ辞めてもいいという気持ちが、実は「今辞めなくてもいい」という話に直結します。
辞めるために動くのではありません。続けるために動くのです。
3年後に転職するために、今エージェントと話してください
もうひとつ、見落とされている使い方があります。
転職エージェントは、今すぐ転職する人のためだけのものではありません。
エージェントは、あなたのスキルが活かせる場所を探すのが仕事です。だから、こういう話ができます。
「3年後、5年後に転職するとしたら、今のうちに何を伸ばしておけばいいですか。」
この質問に答えられる人は、職員室にはいません。学校の外の労働市場を見ている人にしか答えられない質問だからです。
今すぐ動かなくても、伸ばす方向が分かるだけで、これからの3年の使い方が変わります。
私も使いました。転職はしていません
正直に書きます。
私も転職エージェントを使ったことがあります。そして、実際には転職していません。
それでも、やってよかったと思っています。いろいろな転職先を知ることができたからです。
そして、これは想定していなかった効果でした。
転職活動そのものが、教員にとって「社会を知る」ことになります。
教員は社会を知らないと言われます。反発したくなる気持ちは分かりますが、外の会社が何を求めているのかを知る機会は、たしかに少ないです。転職活動は、その機会を1回で作ってくれます。
百害あって一利なし、の逆です。百利あって一害なしだと思っています。
何もないと思っている人ほど、行き先を知れます
「自分には何のスキルもないから」と言う人がいます。その人にこそ勧めたいです。
私の周りで、実際に教員から転職した人たちを挙げます。
- 飲食店に転職した人
- ゲームの知識があって、プログラミングの仕事に移った人
- 英語のスキルを活かせる会社に移った人
何もないという人でも、行き先を知ることはできます。 何かあるという人は、それをエージェントと一緒に深掘っていけます。どちらにしても、一人で考えているより早いです。
飲食店に移った同僚の話をします
いちばん参考になるのが、飲食店に転職した人の話です。
年収は下がりました。ただ、下がったといっても50万円ほどです。想像していたほどの落差ではありませんでした。
そして、移ってから分かったことがあります。
飲食店で店長のナンバー2をやると、後輩やアルバイトの指導が仕事になります。ここは、教員に一日の長があります。
17歳や18歳のアルバイトが何を考えているか、どう言えば動くのか。これは、毎日生徒を相手にしてきた人間がいちばん分かっています。教員をやっていた時間は、ちゃんとスキルになっていました。
もうひとつ、本人が言っていたことがあります。
他の職場は、人に傷つけられることが少ない。
これは、聞いたときに考えさせられました。
外を見ると、教員の良さも分かります
念のため書いておきます。私は「教員を辞めろ」と言いたいわけではありません。
教員には、若い人からフレッシュなエネルギーが入ってくるという良さがあります。 これは、他の職場にはなかなかないものです。
ただ、その良さは、中にいるだけでは見えません。
周りを知ることで、教員の良さも客観的に分かります。
だから転職活動をしてください。辞めるためではなく、自分がいる場所を、自分で選び直すためです。
面談では、こういうことを聞かれます
「何を聞かれるんだろう」で止まっている人が多いので、先に書いておきます。基本的な質問ばかりです。
- どういう働き方をしたいか
- それはなぜか
- どういう教育方針を持っているか
- どのエリアで考えているか
身構える必要はありません。準備した答えを言う場ではないからです。
面談は、試験ではありません
ここがいちばん誤解されているところです。
面談は、あなたを評価する場ではなく、あなたという商品の設計をする場です。
エージェント側は、あなたという労働力を、できるだけ高く売れるように設計してくれます。そのうえで、条件が合う場所を探してくれる。彼らはそれが仕事だからです。
だから、うまく答えようとしなくていいんです。むしろ逆で、思っていることをそのまま、たくさん喋ったほうがいい。材料が多いほど、設計の精度が上がります。
「まだ辞める気はないんですけど」も、そのまま言って構いません。それも含めて設計の材料になります。
よくある質問:在職中の転職活動は、禁止ではないんですか
心配する方が多いので、書いておきます。
勤務時間の外で転職活動をすることを禁じる法律は、ありません。 公務員の職務専念義務(地方公務員法35条)は、勤務時間中の話です。エージェントとの面談を夜や休日に入れるぶんには、義務とぶつかりません。
ただし、学校で堂々と話すことではありませんし、勤務先の服務規程は一度確認しておいてください。こっそりやましく、ではなく、静かに堂々と。それが在職中の転職活動の正しい姿勢です。
まとめ:辞めない人こそ、転職活動をしてください
- 転職活動と転職は別物。活動だけならノーリスク
- 自分の市場価値が分かると、それが教員を続ける理由になる
- いつ辞めてもいいと思えると、今辞めなくてよくなる
- 3年後に備えて「何を伸ばすか」をエージェントと話せる
- 私も使って、転職はしていない。それでも社会を知る機会になった
- 何もないと思っている人ほど、行き先を知る価値がある
- 外を見ると、教員の良さも客観的に分かる
辞めたい気持ちが先に立っている方は、教員を辞めたいと思ったら、それが辞めるタイミングですを先に読んでください。活動の進め方は教員からの転職活動がメリットだらけである理由に書いています。
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私が実際に聞かれたことを、もう少し具体的に書いておきます。一般の転職エージェントでは、どういうところで働きたいか、人生で何を重視しているか。私学専門のエージェントなら、共学か男子校か、それはなぜか、何が得意か、教育理念は何か。
答えられなくて構いません。分からないところは教えてもらう、という姿勢で登録して質問すればいい。自分の人生のハンドルは自分で握りますが、地図は持っている人に見せてもらえばいいのです。
繰り返しますが、転職しなくていいです。いま市場でどんなスキルが求められているかを知るだけでも、十分に元が取れます。