教員のまま、私学へ転職するのはあり?「学校を変わる」という選択肢の話です

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教員のまま、私学へ転職するのはあり?「学校を変わる」という選択肢の話です

「いまの学校はしんどい。でも、教員という仕事は好きだ。」

この状態の人に、選択肢が1つ抜けていることが多いです。

学校を変わる転職です。 教員を辞めるのではなく、教員のまま、環境だけを変える

教員の道の三叉路の図。いまの学校で続ける、学校を変わる(教員のまま)、教員以外へ転職する。真ん中の道が見落とされがち

公立の異動は選べません。私立の移籍は選べます

まず、仕組みの整理から。

公立の先生の異動は、避けられません。そして、行き先も選べません。環境を変えたくても、次がいい環境かどうかは運です。

「希望を出せばいい」と思うかもしれません。でも、希望は基本的に通りません。そして、通そうとして粘るほど、職場での自分の立場が悪くなります。希望を出すこと自体が、「この人は不満を持っている」というメッセージになるからです。

つまり公立では、環境を変えたいと思っても、変える手段を自分が持っていません。数年待って、運を引くしかない。

一方、私立は違います。私学から私学へ、こちらが選んで移ることができます。受け入れる学校があれば、の話ですが、これは「異動」ではなく「転職」です。つまり、行き先の校風を調べて、選んでから動けるということです。

この差は、想像より大きいです。待つ側でいるか、選ぶ側に回るか、という違いだからです。

私立から私立へ移る人は、実際にいます

「私立の教員が転職する」と聞くと、珍しいことのように思われるかもしれません。実際には、私学から私学への移籍を扱う仕組みが、ちゃんと存在します。珍しいから仕組みが無いのではなく、知られていないだけです。

校風は、面接では分かりません

先に、いちばん間違えやすいところを書きます。

面接で校風を見極めようとしても、遅いです。

面接の場に立っている時点で、もう受けに行っています。そこで「うちは自由な校風です」と言われて、それを疑える人はいません。判断材料が足りないまま、印象だけで決めることになります。

校風を聞く場所は、面接ではありません。エージェントです。

私立教員に特化した転職サービスがあります

あまり知られていませんが、私立学校の教員募集をあつかう、教員専門の転職サービスがあります。登録しておくと案内が来て、担当者と話すと、いろいろな私立の校風を教えてもらえます。

ここが本番です。受ける前に、外から中身を教えてもらえるからです。

聞くと分かる軸は、たとえばこれだけあります。

  • 勉強を重視しているのか
  • グローバル教育に力を入れているのか
  • 合宿や行事を重視しているのか
  • 部活動を重視しているのか
  • 自由な発想を重視しているのか
  • 実は、進学実績をそこまで重視していないのか

いちばん最後が意外だと思います。私立=進学重視、とは限りません。 そこを外から確認できるのが、この段階の価値です。

ほかにも、実際にあるパターンを挙げておきます。

  • しんどいけれど、年収が高い学校
  • 生徒の質が高く、クリエイティブな取り組みをしている学校(そのぶん、求められる水準も高い)
  • 受験勉強に全振りしている学校
  • 文化祭など、学校行事を大事にしている学校

同じ「私立の教員」でも、中身はここまで違います。いまの学校がしんどい理由が「教員という仕事」ではなく「その学校の文化」なら、移るだけで解決することがあります。

「教育の仕事」は、学校の外にもあります

もうひとつ、視野を広げる話を。

教員を辞めると決めた人も、いきなり一般企業だけを見るのが得策とは限りません。学校の外にも、いまのスキルがそのまま通じる場所があります。

具体的に3つ挙げます。

塾は、国語・数学・英語の先生

いちばん分かりやすい行き先です。教える内容も、相手の年齢も、ほとんど変わりません。持っている教材も、そのまま資産になります。

ジムは、体育の先生

意外に思われるかもしれませんが、理屈は単純です。体育を教えるというのは、身体の動かし方を教えるということです。相手が生徒か大人かが違うだけで、やっていることは変わりません。

栄養の仕事は、家庭科の先生

ここがいちばん知られていません。家庭科の先生は、栄養の資格を持っています。そこから管理栄養士の方向に進むこともできます。

家庭科の先生は、自分がどれくらい栄養の知識を持っているかを、資格という形で示しやすい立場にあります。これは強みです。

教育の市場は、そんなに大きくはありません。でも、少なくもありません

そして、20代後半までなら、なおさら選択肢が広がります。自分の強みを生かせる転職先は、思っているより十分にあります。

次の学校を選ぶとき、見るところ

移るなら、同じ失敗をしないために、次の3つを見てください。

  1. その学校が何を大事にしているか(受験か、行事か、部活か)。自分の教育観と合わない学校は、待遇が良くてもしんどくなります
  2. 働き方の実態。テストの重み、会議の量、部活の拘束。学校によって文化はまったく違います
  3. 年収と引き換えに何を差し出すのか。高い年収には、たいてい理由があります

この3つは、エージェントの段階で聞いてください。 面接で聞くのでは遅いです。転職ですから、こちらにも選ぶ権利があります。ここが異動との最大の違いです。

まとめ:辞める前に、「移る」を検討してください

  • 教員の選択肢は「続ける/辞める」の二択ではない。「学校を変わる」がある
  • 公立の異動は選べないが、私学間の移籍は選べる
  • 私立教員専門の転職サービスがあり、面接ではなくエージェントの段階で校風を知ってから動ける
  • しんどさの原因が「学校の文化」なら、移るだけで解決することがある
  • 教育の仕事は学校の外にもある。塾は国数英、ジムは体育、栄養は家庭科の先生が向かえる

いまの学校で続けるか迷っている方は教員を辞めたいと思ったら、それが辞めるタイミングですを、教員以外への転職を考える方は転職を考えるべき教員の特徴もどうぞ。

あわせて読みたい

では、面接で何も聞くなという話かというと、そうでもありません。聞く価値があるのは、答えの中身ではなく相手の熱量です。

受験指導や行事について尋ねたとき、相手がどこで熱を持って話すか。そこが、だいたいその学校の校風です。私立には、受験指導をしたい人、行事をやりたい人、生徒指導に力を入れたい人がそれぞれいます。話す人の立ち位置で中身は変わりますが、熱の入り方だけは嘘をつきにくい

それでも、分かるのはニュアンスまでです。「聞けば分かる」とは思わず、大体の空気を掴む程度だと考えておいてください。

私学のエージェントには、こう聞かれます

参考までに、私が私学専門のエージェントとの面談で実際に聞かれたことを書いておきます。どんなところで働きたいか。共学がいいか、男子校がいいか。それはなぜか。何が得意か。どういう教育理念を持っているか。

この問いに答えようとすると、自分が学校に何を求めているのかが整理されます。校風を聞く前に、自分の側の条件が言葉になる。それだけでも、面談を受ける価値があります。

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