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AIを使うと、どれくらい仕事が速くなるのか。
正直に答えます。週に10時間は、はるかに浮いています。
ただし、ここからが本題です。労働時間そのものは、減っていません。
嘘のようですが、こういうことが起きます。時間が浮くと、新しい仕事がしたくなるのです。新しいAIも使いたくなる。結果として、空いた時間は別のことで埋まります。
だから正確に言うとこうなります。これまでの仕事をまったく同じ分だけやりなさいと言われたら、めちゃくちゃ時間が空きます。
この記事では、私が実際に何にAIを使っているか、任せてはいけないのはどこか、そして最初にやるべきことを書きます。個別のやり方は、これから一つずつ公開していきます。
教員がAIに任せている仕事の一覧
まず、何に使っているのかを全部出します。隠すつもりはありません。

授業まわりでAIに任せていること
授業に関わるものから挙げます。
授業のスライド作り。授業のプリント作り。定期テストや小テストの作成。このあたりは、かなりの部分を任せています。
学習指導案も同じです。手順とプロンプトは学習指導案はAIで作れるにまとめました。1日で終わらせる方法を全部書いてあります。
アンケートの分析も相性がいいです。授業評価アンケートを取ったあと、自由記述をまとめる作業は手作業だと重い。ここは任せられます。
校務でAIに任せていること
校務のほうが、実は種類が多いです。
所見。面談の日程調整(全員面談をするときのマッチング)。時間割の生成と交換。保護者向けのポスターやチラシ。メールやチャットの文面。
さらに、フィールドワーク先のリスト作りのような調べものにも使います。行き先の候補を条件つきで探してもらう、という使い方です。
所見については所見をAIを使って一瞬で終わらせる方法に詳しく書いています。ただし注意点が多い領域なので、そちらも必ず読んでください。
AIを使っても労働時間が減らない理由
冒頭の話に戻ります。なぜ時間が浮いたのに、労働時間が減らないのか。

浮いた時間は新しい仕事で埋まります
仕組みは単純です。時間が浮くと、やりたいことが増えます。
これまで諦めていた企画に手を出したくなる。新しいツールを試したくなる。もっと良い教材を作りたくなる。手が空くと、人はそこに何かを入れます。
これは悪いことではありません。むしろ、やりたかったことができる状態になったということです。ただ、「AIを使えば早く帰れる」という期待とは、少しずれます。
意識しないと時短にはなりません
だから、時短にしたいなら意識的にやる必要があります。
「これまでの仕事を、同じ量だけやる」と決める。浮いた時間を新しいことに使わない。そう決めれば、確実に時間は空きます。
どちらを選ぶかは、その人の状況によります。いまが苦しい人は、まず時間を空けることを目標にしてください。余裕がある人は、浮いた時間で新しいことをすればいい。目的を先に決めておかないと、気づけば同じ時間働いています。
AIに任せてはいけない仕事
ここが、この記事でいちばん大事な部分です。任せてはいけないものが、はっきりあります。

最終チェックは絶対に自分でやってください
最終チェックだけは、絶対に任せられません。
AIは、それらしい文章を必ず作ります。読むと自然です。ところが、事実と違うことを自然な文章で書いてきます。
私が実際に見つけたものを挙げます。日付が間違っている。正答が間違っている。時間割が実は間違っている。どれも初歩的なミスですが、そのまま出せば事故になります。
文章の面でも起きます。うまく伝わらない書き方になっている。過去の資料からの引用がずれている。読み流すと気づきません。
指摘すれば「そうでしたね」と直してくれますし、次からは気をつけてくれます。だからこそ、指摘する人が要ります。それが自分です。
属人性の高い仕事は任せられません
もうひとつが、属人性の高い仕事です。
その生徒を見ていた人にしか書けないこと。その場にいた人にしか判断できないこと。情報を持っているのが自分だけである仕事は、AIの外にあります。
所見が難しいのは、まさにここです。持っている情報を出すのは自分、形にするのはAI。この分担なら成立します。逆にすると事故ります。
個人情報は入力しないでください
そして、生徒が特定できる情報は入力しないでください。文部科学省の方針と同じです。
氏名、学校名、クラスと出席番号、家庭の事情。これらは入力せずに済みます。「この生徒」「A」といった置き換えで、所見も文書も問題なく作れます。名前はあとから自分で入れれば足ります。
そして、勤務先のルールを必ず確認してください。使ってよいツール、入力してよい情報の範囲は、学校や自治体によって違います。
教員がAIを使い始めるときの最初の一歩
「何から始めればいいか」への答えを書きます。
まずはClaude CodeかCodexを入れてください
私の答えははっきりしています。Claude CodeかCodexをダウンロードすることです。
チャット形式のAIも便利ですが、手元のファイルを読ませられるかどうかで、できることがまったく変わります。フォルダの中から教科書を探す。過去のプリントを参照する。去年の案内文を下敷きにする。この使い方ができると、一気に実務的になります。
学校のパソコンに入れられないときの回避策
ここで壁にあたる方が多いと思います。学校のパソコンには入れられない可能性があります。
そのときは、家のパソコンでやってください。制作物のやり取りは少し面倒になりますが、それでも割に合います。
具体的には、しんどい作業や制作物は全部自分のパソコンで作ります。そのあと、OneDriveに入れる。メールで送る。Teamsで自分宛てに送る。この方法で持ち込めます。
繰り返しますが、勤務先のルールを必ず確認してください。持ち込み方にも決まりがある場合があります。
タイピングができないと速くなりません
最後に、意外な前提を書きます。AIを使う仕事は、打つ量が増えます。
何をしてほしいのかを言葉で伝え、出てきたものを読み、直してもらい、また伝える。このやり取りが、そのまま入力量になります。
だから、教員が身につけるべき「ブラインドタッチ」というスキルは、AI時代にこそ効きます。思いついたことを止めずに打てるかどうかで、出てくるものの質まで変わります。
同僚にAIを勧めるときに分かったこと
広める側の話も書いておきます。無理に勧めても続きません。
続く人と続かない人がいます
私は同僚にAIをかなり勧めてきました。反応は「すごい」と言ってもらえます。ただ、そこから実際に使い続ける人は限られます。
理由は能力ではありません。そもそも触るのが苦にならないかどうかです。
私も、美容やアイドルについて自分で調べるのは苦手です。興味がないものを調べるのは、誰でもしんどい。AIを触るのが苦にならない人でないと、続かないのは、それと同じことです。
興味を持った人にだけ渡してください
だから私は、続けそうな人に絞って教えています。
冷たいわけではありません。無理に教えても、その人の時間を使わせるだけだからです。興味を持って聞いてきた人には、いくらでも教えます。
学校でAIが広まらないのは、教員が怠けているからではありません。新しいものを入れなくても回ってしまう構造があるからです。回るなら、変えないほうが合理的に見えます。だから、変える気のある人から渡していくのが現実的です。
5年後に残る教員の仕事
最後に、少し先の話をします。
情報処理と単純作業は置き換わります
はっきり書きます。情報処理能力と単純な作業は、完全にAIに置き換わります。
速く正確に処理する。形式を整える。定型の文書を作る。このあたりで勝負している人は、5年後に強みがなくなります。
これは脅しではなく、すでに起きていることです。私自身、その領域の仕事をどんどん渡しています。
残るのはケアと表現です
では何が残るのか。2つあります。
ひとつはケアです。対面のケアの仕事が、メインになります。保護者対応、生徒対応。目の前の人の状態を見て、その場で判断すること。ここは代わりがききません。
もうひとつが表現です。自分が何かを表現できる人であるか。何かの専門性を持っているか。表現者たりうるか。
つまり、人としての厚みと、専門性です。AIが処理を引き受けるほど、残った部分の価値が上がります。そこに時間を回せるかどうかが、これからの分かれ目になると思っています。
まとめ 教員のAI活用は最終チェックを手放さないことです
大事なところをまとめます。
AIで週10時間は浮きます。ただし、労働時間そのものは減りません。浮いた時間は新しい仕事で埋まります。時短にしたいなら、意識的にそう決めてください。
任せられるのは、授業のスライド、プリント、テスト作成、所見の下書き、面談の日程調整、時間割、保護者向け文書、アンケート分析など、かなり広い範囲です。
任せてはいけないのは3つ。最終チェック。属人性の高い仕事。そして個人情報の入力です。日付、正答、時間割の間違いは実際に起きます。指摘する人が要ります。
始め方は、Claude CodeかCodexを入れること。学校のパソコンに入れられなければ、家のパソコンで作って持ち込んでください。勤務先のルールは必ず確認を。
そして5年後、情報処理と単純作業は置き換わります。残るのはケアと表現です。
個別のやり方は、これから一つずつ記事にしていきます。全部無料で公開します。
お勤めの学校や自治体に、生成AIの取り決めがある場合はそちらを優先してください。 使ってよいツールと、入力してよい情報の範囲は、学校ごとに違います。
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実際に私が現場で使っている手順と、そのまま使えるプロンプトが入っています。
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