教員の貯金に共済貯金はいらない。私が使わない理由

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教員の貯金に共済貯金はいらない。私が使わない理由

「教員の貯金といえば共済貯金」。職員室でも、教員向けのマネー記事でも、そう言われ続けてきました。利率が高い、天引きで確実、公務員の特権。そんな言葉を聞いて、なんとなく申し込んだ先生も多いはずです。でも私は、共済の積立貯金を使っていません。これからも使う予定はありません。検索して出てくる記事は、どれも「デメリットもあるけど併用しましょう」で終わります。教員本人が「いらない」とはっきり書いた記事は見当たりません。だからこの記事で書きます。私が共済貯金を使わない理由と、代わりにお金をどこに置いているか。利率の数字から給与口座の変え方まで、実際にやっていることを全部お見せします。

教員の定番「共済貯金」を私は使っていない

最初に立場をはっきりさせます。私は私立教員で、共済の積立貯金を使っていません。理由は利率と資金の縛り、そして期待値です。順に説明します。

私が共済貯金を使わない理由

私が使わない理由は単純で、利率が低すぎるからです。詳しい数字は次の章で見ますが、私の入る私学共済の積立貯金は、増えるとは言いがたい水準です。加えて、積み立てたお金は普通預金のように自由には動かせず、払い戻しには手続きと日数がかかります。使いたいときにすぐ使えないお金は、それだけで価値が下がります。さらに言えば、共済側も集めたお金を国債などで手堅く運用しているはずで、それなら自分で運用した方が早い。低い利率、資金の縛り、見合わない期待値。この条件が揃った時点で、私の中で共済貯金は選択肢から外れました。

職員室では話題にならないが、使っている先生は意外といる

面白いことに、職員室で共済貯金が話題になることはほとんどありません。それでも書類を見ると、使っている先生は意外といます。おそらく、就職したときに勧められるまま申し込み、そのままになっているのでしょう。貯金の手段をほかに知らないなら、それは仕方のないことです。責めるつもりはまったくありません。ただ、知らないまま選ばされているのと、知ったうえで選ぶのとでは意味が違います。この記事を読み終わる頃には、共済貯金・ネット銀行・積立投資を並べて、自分で選び直せるようになっているはずです。それでも共済貯金を選ぶなら、それはそれで立派な選択です。

共済貯金の利率は本当に高いのか

「共済貯金は高利率」という常識を、数字で確認します。結論から言うと、少なくとも私学共済では高くありません。そして公立でも、インフレを考えると話は変わります。

私学共済の積立貯金は年0.40%しかない

私学事業団の公式サイトによると、私学共済の積立貯金の利率は年0.40%です(令和8年4月1日からの適用利率・半年複利)。毎月の給与からの天引きに加え、賞与時の積み立てもできますが、利率は変わりません。100万円を1年預けて、増えるのは4000円。これが実態です。一方、公立の先生が入る共済組合の貯金は組合ごとに利率が違い、私学より高い水準のところもあります。お勤めの県の共済組合の利率は、共済のしおりや公式サイトで確認してみてください。いずれにせよ「共済貯金だから高い」という思い込みだけで預けるのは、数字を見ていない状態です。まず自分の利率を知ることから始まります。

インフレ2%の時代に、確実に目減りする貯金になる

利率0.40%の何が問題か。物価の上昇に負けることです。政府と日本銀行は2%の物価上昇を目標に掲げており、実際にモノの値段は上がり続けています。物価が年2%上がる世界で、年0.40%でしか増えないお金は、実質的に毎年目減りしているのと同じです。「元本保証で確実」という共済貯金の売り文句は、金額が減らないという意味でしかありません。買えるものが減っていくなら、確実に貧しくなる貯金です。銀行預金より利率がましだからと安心していると、10年後に同じ100万円で買えるものが2割近く減っている。これがインフレ時代の元本保証の正体です。

「共済貯金はチート」と言われるのは公立の一部の話

ネット上には「共済貯金は公務員のチート技」という声もあります。あれは利率の高い一部の共済組合の話で、教員全員に当てはまるわけではありません。特に私学共済の0.40%は、チートどころかネット銀行の定期預金と大差ない水準です。うらやましい利率の組合に入っている先生も、預入限度額や毎年の利率見直しがあることは知っておくべきです。高い利率は永続する保証がありません。「教員なら共済貯金」とひとくくりにする情報は、あなたの利率を確認していない情報です。共済貯金を評価する軸は肩書きではなく、手元の利率とインフレ率の差だけです。

共済貯金よりつみたてNISAでいい理由

では、どこにお金を回すか。私の答えはつみたてNISAです。確実性を捨てる代わりに、期待値を取ります。

確実な1万円より、期待値の高い選択を取る

こんな質問を考えてみてください。「確実に1万円もらえる」のと「80%の確率で100万円もらえる」の、どちらを選びますか。多くの人は後者を選ぶはずです。期待値が桁違いだからです。共済貯金と積立投資の関係は、これに似ています。共済貯金は増えないことがほぼ確定している代わりに、絶対に減りません。積立投資は短期では上下する代わりに、長期の期待値がまるで違います。確実性に安心料を払いすぎているのが、貯金に寄り切った家計の正体です。もちろん投資には元本割れの可能性があります。だからこそ次の、期間の話が重要になります。

積立投資は、長く持てば負けにくくなる

金融庁の資料によると、国内外の資産に分散して積立投資をした場合、保有期間が20年に及ぶと、過去の実績では元本割れが確認されていません。保有5年では損をした人もいる一方、期間が延びるほど成績は安定していきます。過去の実績であって将来の保証ではありませんが、時間を味方につけるほど負けにくいのが積立投資の性質です。私はこの性質を信じて、長期で使わないお金はすべて積立投資に回しています。買っているのは全世界株式、いわゆるオールカントリーの投資信託だけです。銘柄選びで悩む必要はありません。世界全体に薄く広く賭けて、あとは放置。教員の忙しさと相性のいい投資は、これくらい単純でいいのです。

天引きでないと貯められない人は、自動積立で再現できる

「共済貯金は天引きだから貯まる」という声もあるでしょう。その仕組み自体は正しいです。先に抜いてしまえば、残りで暮らすしかなくなる。ただ、天引きは共済の専売特許ではありません。証券口座の自動積立を給料日の翌日に設定すれば、同じ強制力を自分で作れます。給料が入る、翌日に積立額が引き落とされる、残りが生活費。流れは共済貯金とまったく同じで、行き先が0.40%の貯金か、世界株式かの違いだけです。意志の力で貯金できる必要はありません。仕組みを一度作れば、あとは勝手に積み上がります。なお、投資の最終判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

共済貯金が向いている教員もいる

ここまで否定を続けてきましたが、公平のために書いておきます。共済貯金が合理的な選択になる先生もいます。

投資がどうしても怖い先生には、悪くない選択

値動きのあるものを持つと夜も眠れない。そういう性格の先生に、投資を無理強いするつもりはありません。ストレスで消耗するくらいなら、元本保証の中で最も条件のいい場所を選ぶのが正解です。その場合、普通預金に置くよりは共済貯金の方がましなことが多いでしょう。特に利率の高い共済組合に入っている公立の先生なら、十分に合理的です。また、数年以内に使うことが決まっているお金の置き場所としても、共済貯金は機能します。大事なのは、自分の性格と使う時期に合わせて選ぶことです。全員に共済貯金が要らないのではなく、「思考停止の共済貯金」が要らないのです。

「それしか知らない」なら、知ってから選び直してほしい

問題にしたいのは、共済貯金そのものではありません。ほかの選択肢を知らないまま、勧められた書類に判子を押しただけの状態です。利率を確認し、インフレと期待値を理解し、そのうえで共済貯金を選ぶなら、誰にも文句は言わせなくていい。でも、もしこの記事で初めて0.40%という数字を見たなら、一度立ち止まってください。選んだのではなく、選ばされていたのかもしれません。幸い、共済貯金は途中で減額も解約もできます。今日から選び直しても、遅くはありません。次の章から、私が実際にやっているお金の置き方を紹介します。

教員の貯金の置き場所はネット銀行と証券でいい

私のお金の置き場所は、ネット銀行とネット証券だけです。これで困ったことは一度もありません。構成はきわめて単純です。

私のお金の置き場所は、生活費100万円と投資だけ

内訳を公開します。まず、生活費としてざっくり100万円をネット銀行に置いています。私の生活で、1回の支出が100万円を超えることはほぼありません。だから現金はこれで足ります。それを超える分は、すべてネット証券で積立投資に回しています。銀行に眠らせておいても、いいことは何も起きないからです。貯金の内訳は、ネット銀行の目的別口座で管理しています。旅行用、車検用と名前を付けて分けておけるので、家計簿を付けなくてもお金の行き先が見えます。生活費だけ現金、残りは投資。教員の家計は、この単純な形で十分に回ります。

銀行はドコモSMTBネット銀行、証券はSBI証券を使っている

具体名も出します。銀行は、住信SBIネット銀行から名前が変わったドコモSMTBネット銀行を使っています。目的別口座が作れること、他行あての振込手数料が無料になる回数が多いこと、毎月決まった額を自動で動かせる機能が揃っていることが理由です。店舗を持たない分、手数料の安さと機能の多さは店舗型の銀行と勝負になりません。証券はSBI証券です。楽天証券でも構いません。この2社なら手数料水準も商品の品ぞろえも十分で、どちらを選んでも失敗はないでしょう。教員向けの銀行選びは教員におすすめの銀行口座の記事でも詳しく書いています。

メガバンクと地銀の口座は、役割を終えている

では昔ながらの銀行はどうか。メガバンクはアプリ対応こそ進みましたが、機能がネット銀行に追いついていません。振込手数料もかかります。地銀はさらに厳しく、手数料の高さと使い勝手の悪さは正直、選ぶ理由が見つかりません。そして窓口に行けば、使わない証券口座や割高な保険を勧められます。あれは相談ではなく営業です。窓口で買っていい金融商品はありません。付き合いで口座を残す必要もありません。使っていない口座は管理の手間と休眠のリスクになるだけなので、思い切って整理してしまいましょう。私も昔作らされた口座を解約して、ネット銀行に一本化しました。

教員の給与振込口座をネット銀行に変える手順

「給料が地銀に振り込まれるから仕方ない」。そう思っている先生が多いのですが、給与振込口座は変えられます。私が実際にやった手順を書きます。

事務室に伝えて、指定の書類を出すだけだった

やることは拍子抜けするほど簡単でした。事務室に「給与の振込先を変えたい」と伝え、指定された書類に新しい口座を書いて出す。それだけです。私の場合、翌月か翌々月の給与から新しい口座に振り込まれるようになりました。特別な理由を聞かれることも、嫌な顔をされることもありません。給与をどの口座で受け取るかは労働者側の権利であり、事務室にとっても書類1枚の手続きです。順番としては、先にネット銀行の口座を作り、いまの口座から生活費を移してから、振込先の変更を出すとスムーズです。必要なのは書類1枚と、言い出す勇気だけでした。

給与口座を変えられない学校は「定額自動入金」で吸い上げる

学校によっては、給与振込先が特定の銀行に事実上固定されている場合があります。公立だと、地域の銀行を指定される話も聞きます。その場合でも諦める必要はありません。ネット銀行の「定額自動入金」を使えば、毎月決まった日に、指定した額を給与口座から自動で吸い上げられます。毎月10万円、30万円と設定しておけば、給料日後に自動でネット銀行へお金が移り、手数料もかかりません。給与口座は受け取り専用の通過点にして、実際のお金の管理はネット銀行でやる形です。仕組みの詳細は定額自動振込サービスの解説記事とあわせて読むと分かりやすいはずです。

事務の仕事を増やす罪悪感は、いらない

私が変更をためらった唯一の理由は、事務室の仕事を増やすことへの気まずさでした。正直に言うと、しばらく言い出せませんでした。でも考え直したのです。給与関連の手続きは事務室の本来業務で、そのために給与が支払われています。こちらが遠慮して家計の効率を落とす方が、よほど不健全です。それ以来、手続きは堂々と頼み、その分自分も仕事で返すと決めました。実際に出してみれば、事務の方は淡々と処理してくれます。あなたが思うほど、誰も気にしていません。口座ひとつで今後何十年の家計動線が変わるのですから、遠慮の対象を間違えないでください。

教員の貯金はいくらあればいいのか

「結局、いくら貯金して、いくら投資すればいいのか」。私の基準は明確です。生活防衛費と、使う時期が決まっているお金だけを貯金に置きます。

生活防衛費は「生きるのに必要な生活費」の半年分

まず確保すべきは生活防衛費です。目安は生活費の半年分。ここで注意してほしいのは、いまの支出の半年分ではないことです。外食も趣味も込みの月30万円ではなく、家賃と食費と光熱費など、生きるのに絶対必要な金額で数えます。それが月15万円なら、防衛費は90万円で足ります。教員は給料が安定していて、病気やけがのときも共済の保障が手厚い職業です。収入が突然ゼロになる可能性は民間より低く、防衛費を厚く積みすぎる必要はありません。働けなくなったときの保障は病気やけがで働けなくなるときの備えの記事で計算しています。

15年以内に使うお金だけ、貯金に置く

生活防衛費のほかに貯金しておくべきなのは、使う時期が決まっているお金です。数年後の結婚式、車の買い替え、住宅の頭金。こうした15年以内に使うことが決まっているお金は、値動きのある投資に入れてはいけません。使う直前に相場が下がっていたら、目的そのものが崩れるからです。逆に言えば、それ以外のお金を貯金に寝かせておく理由はありません。防衛費と予定資金を確保したら、残りは淡々と積立投資へ。余ったお金を口座に積み上げても、利息は付かず、インフレで目減りするだけです。「なんとなく多めに貯金」が、いちばんもったいない置き方です。

教員の貯金はまず家計の把握から始める

ここまで読んで「何から手を付ければいいのか」と思った先生へ。最初の一歩は、貯金でも投資でもなく把握です。

マネーフォワードMEで口座とカードをつなぐだけでいい

自分が毎月いくら使っているか、即答できるでしょうか。できないなら、生活防衛費の計算も積立額の設定もできません。まずは家計簿アプリのマネーフォワードMEに、銀行口座とクレジットカードを連携させてください。一度つなげば、収支は自動で記録されます。手書きの家計簿は続きませんが、自動なら忘れていても記録は貯まります。1〜2か月も回せば、生活に必要な金額と無駄が数字で見えてきます。その数字が、防衛費と積立額を決める土台になります。設定の手順はマネーフォワードMEで家計を自動管理する記事にまとめてあります。今日、通勤電車の中でできる作業です。

それでも動けない先生は、メールで相談してください

正直なところ、記事を読んだだけで実行できる人は一握りです。口座開設のどこかでつまずいたり、忙しさに流されたりして、結局元のまま。それが普通です。自力で進められる先生は、この記事の手順どおりにやってもらえれば十分です。もし自力では難しいと感じたら、このブログの問い合わせページからメールをください。状況を聞いたうえで、何から手を付けるべきか一緒に整理します。内容によっては有償になる場合もありますが、その際は事前にお伝えします。共済貯金に判子を押したときのように、分からないまま放置するのだけは、もう終わりにしましょう。

まとめ。教員の貯金は共済貯金じゃなくていい

共済貯金は「教員の定番」というだけで選ぶものではありません。私学共済の利率は年0.40%で、インフレ2%の世界では実質目減りします。私は使っていません。生活防衛費と15年以内に使うお金だけをネット銀行に置き、残りはSBI証券でオールカントリーに積立投資。給与振込口座は事務室への書類1枚で変えられ、無理なら定額自動入金で吸い上げられます。最初の一歩は家計の把握から。共済貯金しか知らずに選ばされるのではなく、数字を見て自分で選び直してください。

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