教員の転職が怖いのは、生活費が高いからです。リスクは「あるか」ではなく「どれくらいか」で見ます

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教員の転職が怖いのは、生活費が高いからです。リスクは「あるか」ではなく「どれくらいか」で見ます

教員が転職をためらう理由で、いちばん大きいのはお金の不安です。

年収が下がったらどうしよう。生活できなかったらどうしよう。安定を手放していいんだろうか。

この記事は、そのお金の不安を最初に全部扱います。結論を先に言うと、不安の多くは転職そのものではなく、自分の生活費を知らないことから来ています。

転職が怖い正体をお金の不安として3つに分解した図。生活費を知らない、年収の見通しがない、リスクの大きさを測っていない。怖さは測れば小さくなる

お金の不安の正体は、自分の生活費を知らないことです

まず、公務員あるあるから。

教員にとって年収は、「下がるもの」ではなく、定期的に入ってくるもので、その中から使うものです。だから、家計管理をしていない人が多い。毎月いくらあれば生きていけるのかを、計算したことがないんです。

計算していないものは、失うのが怖くなります。金額の分からない不安は、実際より大きく見えます。

だから、転職を考える前に、一度だけ計算してください。食費、家賃、服、携帯代、インターネット代。自分が生きていくのに、月いくら要るのか。

やってみると、たいてい気づきます。普通に会社に勤めている限り、基本的には足りるということに。家計の計算はマネーフォワードMEで家計を自動的に管理しようが楽です。生活費そのものを下げる話は教員の節約は固定費だけでいいに書きました。生活費が低い人ほど、転職の自由度は上がります。

年収は、一度下がると思っておいてください

お金の不安のもうひとつの正体、年収の話も先に済ませます。正直に書きます。

一般論として、転職で年収を下げると、次の転職では「その年収の人」として見られます。400万円から300万円に下げれば、次は300万円からのスタートです。だから安易に下げるな、と言われます。

ただ、教員の場合は事情がひとつ違います。

教員の年収は、需要と供給で決まっていません。 国や自治体が定めた給料表で決まっています。つまり、いまの年収は労働市場での値段ではないんです。だから教員からの転職では、基本的に年収は一度下がると思っておいたほうがいい

下がる前提で、さっき計算した生活費と見比べてください。「下がっても足りる」が数字で見えていれば、この不安は消えます。 見えないまま悩むから、怖いんです。

「公務員は辞めさせられない」は、思っているほどの差ではありません

次の不安が、「民間はリストラがある」です。ここは事実を確認しておきます。

日本では、解雇は法律で簡単にはできない仕組みになっています。労働契約法という法律に、合理的な理由を欠く解雇は無効という定めがあり、経営不振などによる整理解雇も、人員削減の必要性や解雇を回避する努力などに照らして厳しく判断される、と厚生労働省自身が説明しています。

もちろん、解雇が絶対に無いわけではありません。ただ、実際にリストラが起きるのは、会社が本当に危ないときか、本人に重大な問題があるときがほとんどです。そして、会社が危なくなった場合でも、退職金を上乗せした希望退職の形を取ることが多い。仮に会社がなくなっても、もう一度転職すればいいだけです。

つまり——「辞めさせられない」という公務員の利点は、思っているほど大きな差ではありません。

リスクは「あるかないか」ではなく「どれくらいか」です

教員をしていると、ガチガチのノーリスクでいたくなります。その感覚のまま転職を見ると、1%のリスクも100%に見えます。

見方を変えてください。

リスクがあるかないか、ではなく、どれくらいのリスクなのか。

生活費を知っていて、年収の見通しを持っていて、解雇の実態を知っていれば、転職のリスクは「未知の恐怖」から「数えられる大きさ」に変わります。1〜2%のリスクで違う環境を歩いてみるのか。それは測ったうえで決めればいいことです。

お金のリスクばかり見て、抜けている指標があります

そして、ここがいちばん言いたいところです。

転職を考えるとき、経済的なリスクばかりが数えられます。でも、精神的なリスク、幸福度、家族をどれだけ大事にできるか——この指標が、かなり抜けています

1日のうち9時間、10時間を「嫌だな」と思いながら過ごす。そのストレスを、子どもやパートナーに当ててしまう。つらさから、帰りに惣菜を買い込んで食べすぎてしまう。経済的に守られていても、無気力になることはあります。

お金が守られていたら人生は幸せなのか。 リストラの心配がないことは、人生全体の総合点で見たときに、充足を保証してくれるのか。転職の損得は、ここまで入れて計算するものだと思っています。

年齢の話も添えておくと、20代半ばならまったくの好機ですし、20代後半でも、未経験から新しい分野で伸びている人はたくさんいます。伸びしろと幸福度は、給料表には載っていない資産です。

生活費は、この順番で見直します

「いくらあれば生きていけるか」を出すには、支出を下げるのが先です。順番があります。

  1. 通信費
  2. 家賃
  3. 見栄を張った消費(車、ブランド物)
  4. 保険
  5. 新NISAでの積み立て(固定費ではありませんが、ここに並べて考えます)
  6. 食費

上から順に効きます。いちばん上の2つで、たいてい決まります。

実際の数字を出します

具体で言います。家賃10万円、食費4万円なら、それだけで14万円です。そこにサブスクなどのもろもろを足しても、18万円くらいには収まります

一人暮らしなら、東京でも家賃込みで月20万円に収まると思います。15万円や17万円で収まることもあります。

ここで大事なのは、これが「必要生活費」だけだということです。 遊興費は含んでいません。

なぜ分けて出すのか

生活防衛資金としての生活費と、遊びに使うお金を、分けて計算してください。

分けると、こうなります。

最悪、転職でメンタルが回復した代わりに年収が下がっても、このくらいなら行ける

この一行が出せると、転職のハードルが一段下がります。

家計を見たことがない人が、必ずやること

家計管理をしたことがない人には、共通のパターンがあります。

手取りが20万円あるから、20万円使っていいものだと思い込む。 あるいは、20万円では足りないと、根拠なく思い込む。

どちらも、実額を出していないから起きます。怖さの正体は、金額を知らないことです。

まとめ:怖さは、測れば小さくなります

  • 教員の転職の不安は、まずお金。そしてその正体は自分の生活費を知らないこと
  • 年収は一度下がる前提で、生活費と見比べる。「下がっても足りる」が見えれば不安は消える
  • 「公務員は辞めさせられない」は、思っているほどの差ではない。日本の解雇は法律上厳しく判断される
  • リスクは「あるか」ではなく「どれくらいか」で見る
  • 精神的リスク・幸福度・家族の指標を、計算に入れ忘れない

なお、怖さを測るいちばん実践的な方法は、辞める前に転職活動だけしてみることです。悩みが深い方は教員を辞めたいと思ったら、それが辞めるタイミングですも読んでください。

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