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趣味を始めようとして、最初にやってしまうことがあります。
道具を買うことです。
キャンプを始めようと思って、テントとチェアとランタンを揃える。登山を始めようと思って、リュックとポールと防寒着を揃える。そして、2回行って終わります。

形から入らないと、やる気が続かない気がします

その気持ちは分かります。ただ、揃えた達成感で満足してしまうことのほうが多いんです。
私の結論を先に書きます。趣味にお金をかけるのは、いちばん最後でいいです。

そもそも、その趣味に道具は要りますか
キャンプを例にします。
キャンプ用品を揃えたほうがいいかな、と考える人は多いです。でも、いったん立ち止まってください。
キャンプって、火を見て飯を食うだけです。

さすがに乱暴じゃないですか

乱暴です。ただ、この2つさえあれば成立するのは本当なので、まずそこから始めてみてください。
言い方は乱暴ですが、本質はそこです。焚き火があって、何か食べるものがあれば、キャンプは成立します。そうだとすれば、そんなにお金はかかりません。
「揃えないとできない」と思い込んでいるだけのことが、かなりあります。
最初は、借りるか、混ぜてもらう
では、どうするか。買わずに始める方法が2つあります。
① やっている友人に、混ぜてもらう
いちばん早いです。道具は全部その人のものを使わせてもらう。自分は食材でも持っていけばいい。
これは前の記事で書いたことともつながります。趣味は、一緒にやる人で決まります。誘ってくれる人がいる時点で、続く確率が上がっています。
② レンタルを使う
登山なら、登山口でレンタルできることがあります。杖、リュック、その他の道具。
これで1回やってみて、合わなければそれで終わりです。損失はレンタル代だけで済みます。
ただし、これを省いたら成立しないものがある
ここが、この記事でいちばん言いたいところです。
中には、それを省いたら「その趣味をやったことにならない」ものがあります。
分かりやすい例を挙げます。テニスラケットを持たずにテニスをしても、テニスをしたことにはなりません。
そして、登山の場合はこれです。
登山なら、トレッキングシューズだけは買う
登山靴なしに登山をしたことには、なりません。 これは道具の好みの話ではなく、体験そのものが変わるからです。
登山靴があると、こうなります。
- 登りの負担が、かなり軽くなる
- 滑りにくくなる
- 足をくじくのを軽減してくれる
つまり、登山靴がないと「しんどくて危ない山歩き」になります。それで「登山は自分に合わない」と判断してしまったら、判断材料が間違っています。

どれが「その1つ」なのか、自分では分かりません

分からなくて当然です。やっている知り合いに聞くか、その趣味を扱っているサイトを見てください。
買うかどうかの基準は、値段ではありません。「それがないと、体験そのものが変わってしまうか」です。
そして、その1つだけ買えば十分です。残りは借りるかレンタルで足ります。
必須のものは、普通に買う
ここで、言い方を正確にしておきます。
「何も買うな」ではありません。必須のものは、普通に買ってください。
たとえばカメラを始めるなら、SDカードが要ります。これは道具の好みでも、こだわりでもありません。無いと撮れないので、普通に必須です。登山靴も同じで、無いと登山になりません。
こういうものを我慢すると、その趣味を試したことにならないまま「合わなかった」と判断してしまいます。いちばんもったいない形です。

結局、何を買って何を我慢すればいいんでしょうか

無いと成立しないものは買ってください。我慢するのは、ブランド物と上級者向けのほうです。
最後でいいのは、ブランド物と上級者向け
では、何を最後に回すのか。ここがこの記事の本題です。
ブランド物と、上級者向けのものです。
- 経験者が「これがいい」と勧めてくる、いいグレードのもの
- レビューで評価が高い、上位モデル
- その世界で名前が通っているブランド
どれも、いいものだと思います。ただ、始めたばかりの人には、その差が分かりません。差が分からないものにお金を払っても、体験は変わりません。
上級者が「これがいい」と言うのは、上級者にとって差が出るからです。その人の基準を、始めた日の自分に当てはめないでください。
使い込んで、「ここが足りない」と自分で分かったときに買う。そのときには、何を買えばいいかも自分で分かっています。
何が「その1つ」かは、人に聞く
自分では分かりません。やったことがないからです。
すでにやっている知り合いに聞く。 それが無理なら、その趣味を扱っているサイトを見る。そこで見聞きして、判断していくのがいちばん確実です。
キャンプなら、1,000円以下でできる
具体的に書きます。キャンプを本気でローコストにやる方法です。
- 薪:ごみ収集場などで余っている木をもらいに行く。タダでもらえます
- 焚き火台:ペール缶を、ガソリンスタンドで「廃棄のものはありませんか」と聞いて持って帰る
- 着火剤:段ボール、紙、落ち葉で足ります
- 火を育てる材料:公園に落ちている枯れ枝、松ぼっくり。その辺のもので十分です
これで1,000円以下でできたりします。
これを、キャンプ場も買って、薪も買って、着火剤も買って、火起こし道具も買って——とやっていくと、かかるのはお金だけではありません。
時間のコストが、えぐいことになります。 買う店を調べて、比べて、届くのを待って、使い方を覚えて。始める前に疲れます。
だから、おすすめしていません。
ペール缶と薪を、実際にもらう手順
さきほど「ペール缶をもらう」「薪をもらう」と書きました。抽象的なままだと使えないので、実際の手順を書きます。
ペール缶(焚き火台にする)
- ガソリンスタンドに電話します。行く前に電話です
- 聞き方は「余っているペール缶はありますか」。これだけで通じます
- 用途を聞かれたら「実験で使いたい」で足ります。焚き火台にすると説明する必要はありません
いつ行くかが、いちばん大事
ここがコツです。もらうときは、相手の手間を増やさないタイミングを選びます。

タダでくださいと言うのは、気が引けます

処理にお金がかかっているものなので、持っていくほうが助かる場合があります。聞き方だけ気をつければ大丈夫です。
ペール缶は、放っておけば産業廃棄物として処理されます。処理に出す曜日を先に聞いておいて、その前日あたりにもらいに行く。そうすると、相手にとっては処理する手間が減るだけなので、断られにくくなります。
逆に、処理に出した直後や、忙しい時間帯に行くと、相手の仕事が増えます。タダでもらうものほど、相手の都合に合わせてください。
薪も、考え方は同じ
薪も、余っている木を引き取る形です。ごみ収集の集積場、造園や建築の現場、木工所。処分にお金がかかる側にとっては、持っていってもらえるほうが助かります。
ここでも、聞くのは「ください」ではなく「処分されるものがあれば、いただけませんか」です。言い方が1つ違うだけで、通り方が変わります。
⚠️ 当然ですが、敷地に勝手に入って持って帰るのは論外です。必ず先に聞いてください。
予算から考えない。やりたいことから考える
ここまで「安く始める」話をしてきたので、誤解のないように書いておきます。
私は、趣味にお金を使うなと言っているのではありません。使う順番の話をしています。
私自身の考え方はこうです。
予算から考えない。何をしたいかから考える。
「月にいくらまでなら趣味に使える」から入ると、やりたいことがその枠に合わせて小さくなります。そうではなく、行きたいところ、やりたいことを先に決める。そのうえで、その日のために貯金を作って、それ以外を節約します。

先に予算を決めたほうが、安全な気もします

安全ですが、やりたいことが枠に合わせて小さくなります。削る場所は、あとから決まります。
たとえば旅行なら、私は1泊3万円以上かけます。旅館に泊まること自体が旅行だと思っているからです。ここは削りません。削るのは、そこに関係のない支出のほうです。
この順番だと、使うところと削るところが自分で決まります。全部を薄く我慢するより、ずっと続きます。
続いた趣味には、ちゃんと払う
最初に1つだけ買う。続かなければ、それで終わり。ここまではさっき書いたとおりです。
では、続いたらどうするか。そこからは、揃えていいです。
私の場合、キャンプは春と秋のシーズンに2回ずつくらい行きます。年に4回です。この回数になってはじめて、焚き火台を買おうか、という話になります。
判断の材料は、回数です。
- 年に1回なら、借りるかレンタルで足ります
- 年に3〜4回で、毎回借りる手間が面倒になってきたら、買っていい頃です
- それ以下の回数で揃えたものは、たいてい押し入れに入ります
逆にいうと、この段階まで来た趣味にケチをつける必要はありません。ここまで残った趣味は、自分に合っていたということです。
私が買いすぎたのは、ガジェット
偉そうに書いていますが、私も買いすぎています。
大きく失敗した1つ、というものはありません。ただ、ガジェット製品は、かなり買いすぎました。
この種類が危ないのは、1つが安いからです。数千円から1万円台のものが多く、1回ごとの判断が軽くなります。そして、どれも「ちょっと便利」なので、失敗した実感すら残りません。
気づくと、引き出しに似たようなものが並んでいます。合計すると、けっこうな額になっています。

安いものなら、いいかなと思ってしまいます

そこが落とし穴です。高いものは考えて買うので、意外と失敗しません。
登山靴のような高いものは、買う前によく考えます。本当に溶けるのは、考えずに買える金額のほうです。
対策は1つだけです。同じ用途のものを2つ持たない。買う前に、いま持っているもので代われないかを一度だけ考えてください。それで止まるものが、かなりあります。
中古とフリマは、無理に使わない
「安く始めるなら中古では」と思われるかもしれません。私はあまり使っていません。
使うときもありますが、中古がうまくハマる趣味が、そんなに多くないからです。
理由は2つあります。
- 始めたばかりだと、状態の良し悪しが判断できません。写真と説明文だけで、使えるものかどうかを見抜くのは無理です
- 探す時間がかかります。安く買えても、探すのに何時間も使っているなら、この記事の最初に書いた「時間のコスト」のほうが大きくなります
そもそも、ここまで書いてきたとおり、最初は借りるか、混ぜてもらうかで足ります。買わずに済むなら、中古を探す必要もありません。
中古が効くのは、続くと分かったあとです。そのころには、状態の見方も自分で分かるようになっています。
買い足す順番は、趣味によって違う
「続いたら、何をどの順で買えばいいですか」とよく聞かれます。
これは趣味によって違うので、一般的な答えはありません。順番の正解を探すより、やっていて「ここが足りない」と感じたものから買うほうが確実です。
足りないと感じていないものは、まだ要らないということです。
お金をかけるのは、続いてから
順番はこうです。
- 借りるか、混ぜてもらって、1回やってみる
- それがないと成立しないものだけ、1つ買う
- 続いたら、そこから揃えていく
3にたどり着く趣味は、そんなに多くありません。だからこそ、1と2で止められる仕組みが要ります。
固定費を下げる話と、考え方は同じです。先に大きく払うと、やめにくくなります。 やめにくくなると、合わないものを続けることになります。
まとめ:買うのは、1つだけで足りる
- キャンプは火を見て飯を食うだけ。揃えないとできないと思い込んでいるだけのことが多い
- まずは混ぜてもらうか、レンタル
- それを省いたら成立しないものだけ、1つ買う(登山ならトレッキングシューズ)
- 判断基準は値段ではなく、体験そのものが変わるかどうか
- キャンプは廃材とペール缶で1,000円以下でもできる
- 時間のコストのほうが、実は大きい
- 予算から考えない。やりたいことから考えて、それ以外を節約する
- 「何も買うな」ではない。必須のものは普通に買う(カメラのSDカード、登山靴)
- 最後でいいのはブランド物と上級者向け。始めたばかりだと、その差が分からない
- 本当に溶けるのは、考えずに買える金額のほう。ガジェットは1つが安いので判断が軽くなる
- ペール缶は電話で「余っていますか」。処理に出す前日に行くと、相手の手間が減るので通りやすい
- 続いた趣味には、ちゃんと払っていい。判断の材料は年に何回やるか
固定費を下げる考え方は教員の節約は固定費だけでいいに、休みの使い道は教員の夏休みは部活の有無で決まりますに書いています。時間そのものを作る話は定時で帰る教員の1日の回し方へ。趣味そのものの探し方は、別の記事に書いています。
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