教員の転職で「担任をやっていました」は通じません。スキルの言い換え方の話です

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教員の転職で「担任をやっていました」は通じません。スキルの言い換え方の話です

転職の面接で、教員が最初につまずくところを書きます。

「担任をやっていました」は、通じません。

嘘だからではありません。事実です。でも、その言葉は学校の外では何のスキルの証明にもなっていないからです。

この記事では、教員のスキルを、転職市場の言葉にどう言い換えるかを書きます。

[ここに図解]教員の言葉と転職市場の言葉の対応表。担任→マネジメント、授業→プレゼンテーション、という言い換えを左右に並べた図

教員が「社会を知らない」と言われる正体は、伝え方です

先に、耳の痛い話をします。

教員は「社会を知らない」と言われます。反発したくなりますが、転職の場面に限っては、言われる理由がはっきりあります。

教員は、自分がしてきたことを語ってしまうんです。 何年担任をやった、行事をこう仕切った、部活でここまで行った。

でも、面接で聞かれているのは経歴の自慢ではありません。

「その会社に、何ができますか。」

これに答える形で話す。それだけのことを、私たちは練習したことがありません。職員室では誰も聞いてこないからです。逆に言えば、伝え方を変えるだけで、中身は同じでも通じ方が変わります

教員のいちばん大きいスキルは、マネジメントです

では、何と言い換えるか。いちばん大きい札から出します。

教員のスキルの本体は、マネジメントです。

40人の集団を、1年間、目標に向けて動かし続ける。やる気のない人間を動かし、もめごとを収め、保護者という利害関係者に説明する。これを会社の言葉にすると、そのままマネジメント経験です。

とくに効く転職先があります。17歳、18歳のアルバイトが働いている業界です。

その年代の人間が何を考えているか、どう言えば動くのか。その人たちがどうやってやる気を出すのかを、言語化できる。これは、毎日生徒を相手にしてきた人間にしかない強みです。飲食、小売、サービス業。若い人を束ねる現場で、教員の経験はそのまま使えます。

言い換えの対応表を置いておきます

具体的に並べます。左が教員の言葉、右が転職市場の言葉です。

  • 「担任をやっていました」→ 「集団のマネジメントができます」
  • 「授業をやっていました」→ 「何人の前でも、分かりやすくプレゼンテーションができます」
  • 「英語の教員でした」→ 「英語が使えます」(英語スクールに限らず、「英語ができる人がいたら助かる」会社は意外と多いです。「実は英語を喋れるんですね」と言われる場所に行ってみてください)
  • 「忙しい学校で働いていました」→ 「タフな環境でやってきたので、すぐには諦めません」

最後のは冗談ではありません。ブラックと呼ばれる働き方を回してきた体力と段取りは、転職市場で意外と効きます。「給料は下がるかもしれませんが、ガッツはあります」と言える人は、そう多くないからです。

この表は、職務経歴書にもそのまま使えます。「学級担任(40名)」と書いて終わりにせず、右側の言葉——「40名の集団マネジメント」「保護者対応を含む利害調整」——を添えてください。書類の段階で、読み手の頭に入る言葉に変わります。

教員のスキルが活きる転職先はここです

言い換えができると、行き先も見えてきます。左のスキルから、右の転職先がつながります。

  • マネジメント → 若いスタッフやアルバイトを束ねる業界(飲食・小売・サービス)
  • プレゼンテーション → 営業、社員研修、カスタマーサポート
  • 英語 → 英語スクールに限らず、「英語ができる人がいたら助かる」一般企業
  • ITが得意なら → 未経験からでも、プログラミングやWeb業界に入った例があります

「教員からの転職先おすすめ◯選」のような一覧を探すより、自分の札から逆算するほうが早いです。順番は、行き先が先ではなく、スキルの言い換えが先です。

教科そのものも、スキルです

教科の専門性も札になります。ただし、使い方に注意が要ります。

英語ができる人は、世の中に意外といます。だから「英語の先生でした」だけでは弱い。教科の知識と、教員のマネジメント・プレゼン能力を組み合わせて語れると、他の候補者と分かれます。

若ければ、未経験でも変えられます

最後に、希望のある実例を。

教員歴3年ほどで、未経験からプログラミングの世界に入り、そこから年収を大きく上げた人もいます。若いうちの転職は、いまのスキルの完成度より、自分の価値をどう伝えられるかで決まります。

伝え方は、この記事で書いたとおりです。中身はもう持っています。足りないのは翻訳だけです。

対応表を増やしても、市場価値は上がりません

ここまで対応表を書いておいて、逆のことを言います。

この表を増やしていっても、あまり意味がありません。

表は入口です。「担任=マネジメント」まで来たら、そこから先が本番です。表を100行にしても、通じ方は変わりません

理由を、効かない例から書きます。

分掌と部活は、そのままでは弱いです

  • 分掌 → 言えるのは「真面目さ・丁寧さ」までです。仕事を落とさずに回した、書類を期限内に出した。立派なことですが、それで市場価値が上がることはありません。同じことができる社会人が、いくらでもいるからです
  • 部活動 → 言えるのは「忍耐力」までです。土日を潰した、何年続けた。これも、耐えたという話にしかなりません

多くの人が、ここを厚く書いてしまいます。いちばん時間をかけた仕事だからです。気持ちは分かりますが、読む側には届きません。

効くのは、この3つだけです

① 数字と、どう向き合ったか

これがいちばん強いです。どういう施策をして、どうなったか。説明会やセミナーに何人集めたか。募集をどう出して、何人が動いたか。

数字が入った瞬間に、話が「教員の思い出」から「仕事の実績」に変わります。

② 部活で「結果を残した」場合のマネジメント

さきほど「部活は忍耐力止まり」と書きました。例外があります。結果を残した場合です。

15歳から18歳の集団を預かって、目標に向けて動かし、実際に成果が出た。これは、「若い人に対するマネジメントに自信がある」と言い切れる根拠になります。耐えた話ではなく、動かした話だからです。

③ 保護者対応は、クレーム対応です

保護者対応は、言い換えればクレーム対応です。しかも、待っていれば人が来るタイプのものではありません。関係を1から作りながら収めていく仕事です。

ここは、そのまま企業でも通じる能力です。

最後に通す、たった1つの基準

3つのどれを書くにしても、最後に必ず通してほしい問いがあります。

それが、一般的な教員の中から、どれだけ抜きん出ているのか。

そして、もう一段。

転職市場の中で、同年代の一般の社会人の経験と比べて、なぜ自分のほうが優れていて、本当に企業で活かせるのか。

ここを書けているかどうかで、書類の通り方が変わります。比べる相手は、隣の席の先生ではありません。 同じ年に社会に出て、別の場所で働いてきた人たちです。

言い換えの表は、そこにたどり着くための道具にすぎません。表を覚えるのではなく、この問いに答えてください。

では、どうすればいいのか。自分で言い換え表をにらむのをやめて、他人に見てもらってください。その言葉が市場で通じるかどうかは、市場にいる人にしか分かりません。

言い換えは、他人に見てもらったほうが早いです

※求人は一都三県が中心です。関東で働くことを考えていない方は、転職エージェントの活用が欠かせない理由を先に読んでください。なお、女性の先生には同じ会社の「type女性の転職エージェント」もあります。

まとめ:教員のスキルは、言い換えれば通じます

  • 「担任をやっていました」は通じない。「その会社に何ができますか」に答える形で話す
  • 本体はマネジメント。とくに若いアルバイトのいる業界で効く
  • 授業はプレゼンテーション能力。教科は組み合わせで使う
  • 「ガッツがあります」は、意外と効く
  • 若ければ、未経験でも変えられる。足りないのは翻訳だけ
  • 対応表を増やしても、市場価値は上がらない。分掌は「真面目さ」、部活は「忍耐力」で止まる
  • 効くのは①数字と向き合った経験 ②部活で結果を残したマネジメント ③保護者対応=クレーム対応
  • 最後の基準は「同年代の一般社会人と比べて、なぜ自分が優れているのか」

自分のスキルが何になるか、一人で考えても答えは出にくいです。市場を知っている人に聞くのが早い——その話は教員からの転職に転職エージェントの活用が欠かせない理由に書いています。転職の手順は教員が転職するための5ステップへ。

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