手取りの何割で暮らす?教員は9割でいい。先に「生きていける額」を選ぶ

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手取りの何割で暮らす?教員は9割でいい。先に「生きていける額」を選ぶ

手取りの何割で暮らせばいいのか。家計の本を読むと、7割、8割、中には6割という数字まで出てきます。

教員の私の答えは、9割でいいです。できたら8割、難しかったら9割。厳密にする必要はありません。

ただし、9割という数字だけを追いかけても、たぶん続きません。先にやることがあります。それは、自分が何円あったら生きていけるのかを選ぶことです。

この記事で伝えたいのは「分かる」ではなく「選ぶ」です。世間の平均でも、誰かに決められた額でもありません。自分で指さした金額です。

この記事では、手取り28万円の私が選んだ「生きていける額」と、その内訳、9割で暮らせなかった時期の話まで、全部お見せします。

手取りの9割で暮らす。教員はそれで十分

最初に結論を置いておきます。手取りの9割で暮らせていれば、教員の家計はもう合格です。8割を目指すのはその先の話で、無理に追う必要はありません。

できたら8割、難しかったら9割でいい

私自身、手取りの何割で暮らすかを、毎月きっちり計算しているわけではありません。

できたら8割、難しかったら9割。このくらいのゆるさで十分です。

家計の話になると、つい「何割が正解か」を探したくなります。でも、7割と8割の差で悩むより、9割をちゃんと守れている月が続くことのほうがずっと大事です。

1割でも毎月残れば、1年で手取りの1か月分以上が残ります。それを何年も続けられるなら、割合を1割詰めるより強いです。

ボーナスは計算に入れない

もう一つ、大事な決まりがあります。ボーナスは抜きで8割・9割を考えます。毎月の手取りだけがベースです。

理由は単純で、ボーナスで一気に貯めたいからです。

ボーナスを家計に入れてしまうと、「ボーナスがあるから買い物をする」という流れができます。夏と冬になると、なぜか欲しいものが増える。心当たりのある先生も多いのではないでしょうか。

ボーナスが出たら、ちょっといい物を買うのが楽しみなんですが……

つくね
つくね

欲しい物があるなら、それのために貯めて買えばいいんです。ボーナスがあるから買う、は順番が逆なんですよね。

私は、欲しいものがあるなら、それのために貯めて買えばいいと思っています。ボーナスがなかったとしても欲しいものは欲しいはずで、「ボーナスがあるから払う」という買い方は、どこか順番がおかしいと感じます。

ボーナスは「使うお金」ではなく「貯めるお金」として最初から分けておく。これだけで、毎月の9割がぐっと守りやすくなります。

先に「何円あれば生きていけるか」を選ぶ

ここからがこの記事の本題です。9割で暮らすイメージを作るには、先に「自分は何円あれば生きていけるのか」を選んでおく必要があります。

私の「生きていける額」は、15万円と20万円

私が選んだ額は、エンタメなしで月15万円、エンタメ込みで月20万円です。

15万円は、家賃や食費など、暮らしに必要なものだけで生きていける額です。服や、ときどきのちょっといい食事も、ここに入れています。

15万円から20万円までの5万円は、友人とご飯に行ったりする分です。ここまでが、私にとって「普通に楽しく暮らせる」ライン。

それより上は、最低限のエンタメというより、文化的な生活として上振れている部分だと考えています。

この金額は、2023年に家計簿を見て計算しました。株価が大きく下がったときにどう暮らすかや、働き方を少しゆるめる生き方を考えたのがきっかけです。なんとなく決めた数字ではありません。

15万円の中身

実際に、15万円の中身を書き出してみます。

項目月額
家賃(夫婦で9万円を折半)45,000円
食費20,000円
車のガソリン代10,000円
服代7,000円
ガス代5,000円
電気代5,000円
水道代5,000円
通信費5,000円
日用品・消耗品5,000円
合計約10.7万円
私の「生きていける額」の3段階。暮らすだけなら約11万円、エンタメなしで15万円、エンタメ込みで20万円。それより上は「上振れ」

これにYouTubeプレミアムなどのサブスクが少し乗って、約11万円です。15万円に届いていません。

書き出してみて、私も気づきました。本当に生きていくだけなら、11万円くらいでいける。15万円は、薬やボディケア用品、急な出費まで見込んだ「余裕込み」の数字だったわけです。

こうやって一度書き出すと、自分の中の「生きていける額」が、思っていたより低いことに気づく先生は多いと思います。それが分かるだけで、お金への不安はかなり小さくなります。

自分が月いくらで生きていけるかなんて、考えたこともなかったです。

つくね
つくね

私も書き出して初めて、11万円でいけると気づきました。数字が見えるだけで、ずいぶん安心できますよ。

選ぶのは自分。平均でも、人に決められた額でもない

ここで大事なのは、この15万円や20万円は、私が自分で選んだ数字だということです。

「30代の平均生活費は◯万円」という数字は、ネットで探せばすぐに出てきます。でも、それは自分の暮らしではありません。家賃も、車があるかどうかも、何を楽しいと思うかも、人によって全部違います。

私の場合、車は必要で、服にはある程度お金をかけたい。そのうえで、友人とご飯に行ける暮らしなら十分楽しい。そう分かっているから、20万円と言い切れます。

「これさえあれば生きていける額」は、自分にしか選べません。

選んだ額が決まれば、9割は自動的に決まる

生きていける額を選ぶと、面白いことが起きます。9割の中身も、残すお金も、ほとんど自動的に決まるのです。

手取り28万円の私の場合

私の手取りは、ボーナス抜きで月28万円前後です(月によって27万円から30万円くらい)。これに、選んだ額を重ねてみます。

金額手取り28万円に対して
本当に生きていくだけ約11万円約4割
エンタメなし(余裕込み)15万円約5割
エンタメ込み20万円約7割
9割のライン25.2万円9割
手取り28万円の帯グラフ。11万円は4割、15万円は5割、20万円は7割、25.2万円が9割のライン。20万円から9割までに余白が5万円ある

エンタメ込みの20万円で暮らしても、手取りの7割です。9割のラインまで、まだ5万円以上の幅があります。

つまり私は、9割を守ろうと頑張っているわけではありません。生きていける額を20万円と選んだ時点で、9割の中に自然に収まっているのです。

これが、「先に額を選ぶ」ことの一番の効き目です。割合を追いかけるのではなく、額を決める。そうすれば割合は後からついてきます。

上限が見えているから、罪悪感なく使える

では、20万円より上のお金は使わないのか。そんなことはありません。

私は今、20万円より上の分をゴルフや漫画に使っています。使うときに罪悪感はありません。

理由は二つあります。一つは、きちんと予算を組んでいるから。といっても、年の予算表を作るわけではありません。月に使う額の上限が決まっていて、月に1回くらいの予定外の出費なら、口座に置いてある現金で払える。予想外ではあっても、想定内なのです。もう一つは、どれだけ上振れても、使う額は30万円までいかないと分かっているからです。

ボーナスがいくら入っても、貯金がいくらあっても、自分が使う額の上限は大きく変わらない。この感覚が自分の中にあると、使うことが怖くなくなります。

9割で暮らすというのは、我慢の話ではありません。上限が見えているから、安心して使える。そういう話です。

つくね
つくね

20万円と決めてあるから、ゴルフや漫画に使っても罪悪感はありません。上限が見えていると、使うのが怖くなくなります。

9割で暮らせなかった時期もある

ここまで書くと、ずっと順調だったように見えるかもしれません。実際は違います。私にも、9割で暮らせなかった時期がありました。

交際を始めてから、10割使う月が増えた

9割で暮らし始める前、私が手取りのどれくらいを使っていたかというと、10割の月もあれば8割の月もあり、まちまちでした。

特に、妻と交際を始めてからは、旅行でお金を使う頻度がぐっと増えました。

二人で暮らしたり出かけたりすると、どちらかの金銭感覚に寄っていきます。そして多くの場合、寄っていくのは「使う側」です。お金のことをあまり気にしない人と一緒にいると、自分もそちらに引っ張られていく。これは、どちらが悪いという話ではなく、二人になったときに起きやすい構造だと思います。

私が9割で暮らそうと決めたきっかけは、シンプルにお金を貯めるためでした。

旅行を減らして、趣味の解像度を上げることにした

9割に戻すために変えたのは、旅行の回数そのものです。

きっかけは、妻のほうからでした。「旅行はたくさん行ってきたけど、結局、食べて寝るだけじゃない?」と。二人で話してみると、確かにそうだねと、すんなり決まりました。

そのうえで二人で落ち着いたのが、これからは、趣味や教養の解像度を高める方にお金を使おうという考えです。

旅行が悪いわけではありません。ただ、同じお金を使うなら、自分たちがもっと深く楽しめるものに回したい。そう思えたことで、減らすことが「我慢」ではなくなりました。

結婚式の年は9割を守れなかった

もう一つ、正直に書いておきます。結婚式と指輪の費用がかかった年は、9割を守れませんでした。

その年はギリギリ黒字でしたが、9割には届いていないと思います。崩れたので、その後の年で戻そうとしました。

9割が崩れる年があってもいい。人生には、お金がかかる時期と貯められる時期があります。大事なのは、崩れたときに「戻る場所」があることです。自分の生きていける額を選んでいれば、戻る先ははっきりしています。

生活が楽になるのは、やりくりが身についたとき

手取りの9割で暮らして、残ったお金を投資に回す。そうすると生活がどんどん楽になっていく。これは確かにそうです。ただ、順番を間違えないでほしいと思っています。

臨時収入を投資に回したから楽になったのではない

私の実感では、9割で暮らせるようになった段階で、生活はもう楽になっています。

臨時収入を投資に回したから楽になったのではありません。手取りの中でやりくりするスキルが身について、初めて生活が楽になるのです。

投資で増えるお金は、そのあとにくっついてくるおまけのようなものです。やりくりが身についていない状態で投資だけ始めても、使う額がふくらめば、結局どこかで苦しくなります。

金額が人生を深めるわけではない

やりくりのスキルとは、節約の技術のことではありません。楽しむためのお金の使い方を、自分の感覚として持っているかどうかです。

たとえば映画です。飲み物を買っても3,000円ほどで観られる映画でも、『国宝』のような作品に出会えば、何日も心に残る体験になります。

では、1泊3万円の旅館に泊まれば、それと同じくらいの体験が必ずできるのか。そうとは限りません。

金額が、そのまま人生を深めてくれるわけではない。そう分かっていると、お金を使う場面で迷わなくなります。高いものを我慢しているのではなく、自分が本当に満たされるものを知っている。だから少ないお金でも楽に暮らせるのです。

どの支出が自分を満たしてくれて、どの支出がそうでもなかったのか。これを振り返る方法は、次の記事で詳しく書きます。

ボーナスはほとんど投資、大きな買い物は予算を取る

ちなみに、ボーナスは今ほとんど投資に回しています。

では、大きな買い物はどうするのか。結婚式のように大きなお金が出るときは、その買い物のために、別に予算を取っておきます。ボーナスが入ったから使うのではなく、使うと決めたものに向けて前もって用意しておく。前に書いた「ボーナスありきで買わない」と同じ考え方です。

9割に収まらないなら、固定費に戻る

ここまで読んで、「自分は9割どころか、10割でも足りない」と感じた先生もいると思います。

その場合、9割で暮らせないのは、頑張りが足りないからではありません。固定費の見直しが、まだ終わっていないサインです。

家賃、通信費、保険。毎月必ず出ていくお金が大きいままだと、どれだけ食費や遊びを削っても9割には届きません。ここで無理に我慢を重ねると、家計管理そのものが嫌になってしまいます。

9割どころか、毎月ギリギリです……

つくね
つくね

それは頑張りが足りないのではなく、固定費がまだ大きいサインです。先に通信費と保険を見直してみてください。

9割に入らないときは、この段階で頑張らずに、一つ前の「固定費を見直す」に戻ってください。通信費と保険を見直すだけで、毎月の出費が大きく変わることがあります。固定費が整えば、9割は驚くほどあっさり守れるようになります。

子どもが生まれたら、額を選び直す

生きていける額は、一度選んだら終わりではありません。暮らしが変われば、選び直します。

私の家にも子どもが生まれて、生きていける額は変わりました。子ども一人分の暮らしが加わるのですから、当然です。

額が変わったら、選び直せばいい。20万円だったものが、22万円や25万円になるかもしれません。そのときは、9割のラインと並べて、まだ収まっているかを見る。収まらないなら、固定費に戻る。やることは同じです。

大事なのは、なんとなく出費が増えていくのに任せるのではなく、「これからはこの額で暮らす」と自分で選び直すことです。

「生きていける額」の選び方

最後に、自分の「生きていける額」を選ぶための手順をまとめます。

1. まず、いま何円で暮らしているかを見る

最初にやるのは、いま自分が何円で暮らしているかを知ることです。私はマネーフォワードMEで家計を見ています。銀行口座やクレジットカードをつないでおけば、何にいくら使ったかが自動でまとまります。

いきなり理想の金額を考える必要はありません。まずは、今の数字を見るところからです。

2. 「これがなくなったら困る」ものだけを足す

次に、家賃、食費、光熱費、通信費、車など、なくなったら暮らせないものだけを足します。私の場合、これが約11万円でした。

3. 余裕と楽しみを乗せて、2段階で決める

そこに、急な出費への余裕を乗せた「エンタメなしの額」と、友人とのご飯など楽しみも入れた「エンタメ込みの額」を決めます。私の場合は15万円と20万円です。

一つの数字にしぼらず、2段階で持っておくと、月ごとの波があっても慌てずにすみます。

4. 手取りと並べて、9割に入っているかを見る

最後に、ボーナス抜きの手取りと並べます。エンタメ込みの額が9割の中に入っていれば、もう大丈夫です。入らなければ、固定費に戻ります。

「生きていける額」の選び方4ステップ。①いまを見る、②必要なものだけ足す、③2段階で決める、④手取りの9割と比べる

まとめ:手取りの9割は、選んだ額についてくる

手取りの何割で暮らすか。教員の私の答えは、9割でいい、です。

ただし、9割という数字を追いかけるのではありません。

  • 先に「何円あれば生きていけるか」を自分で選ぶ
  • ボーナスは計算に入れない
  • 選んだ額が9割に入っていれば、上限が見えているので罪悪感なく使える
  • 9割に入らないなら、頑張らずに固定費に戻る
  • 暮らしが変わったら、額を選び直す

私の場合、エンタメ込みで20万円と選んだことで、手取り28万円の7割で暮らせています。9割を守ろうと必死になったことは、正直ありません。

生活が楽になるのは、投資で増えたからではなく、自分の手取りの中でやりくりする感覚が身についたからです。そしてその感覚は、「自分は何円あれば生きていけるか」を一度真剣に選んでみるところから始まります。

今月の家計簿を開いて、自分の「生きていける額」を指さしてみてください。

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