教員に医療保険はいらない。私が最初から入っていない理由

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教員に医療保険はいらない。私が最初から入っていない理由

職員室に来た保険の販売員に「何も入ってないの?みんな入ってるよ」と言われて、不安になったことはありませんか。

私は私立教員で、民間の医療保険に入っていません。見直して解約したのではなく、調べた結果、最初から入りませんでした。

それから何年も経ちますが、困ったことは一度もありません。検索して出てくる記事の多くは「基本は不要、でも人によります」とぼかして、最後は保険相談への誘導で終わります。

この記事は何も売りません。教員の公的保障がどれだけ手厚いかという制度の事実と、入らずに過ごしてきた私の実体験だけで、「教員に医療保険は要るのか」に答えを出します。

教員に民間の医療保険はいらない

結論から言い切ります。教員に民間の医療保険はいらないです。これは節約術ではなく、教員の公的保障を計算した結果の答えです。まず私自身の状況からお見せします。

私が入っているのは自動車保険と火災保険だけ

私が契約している保険は、対人対物無制限の自動車保険と、賃貸住宅の火災保険だけです。医療保険もがん保険も、貯蓄型の生命保険もありません。

就職した頃、「社会人になったし何か入らなあかんのかな」と思って一通り調べました。その結論が「何もいらん」だったのです。

だから私には「解約して月々いくら浮いた」という話がありません。最初から払っていないからです。

逆に言えば、いま医療保険に入っている先生が見直せば、これから払うはずだった保険料がまるごと浮きます。月3000円なら30年で100万円を超える金額です。

その判断材料を、この記事で全部お渡しします。

医療保険に入っていなくて困ったことは一度もない

「入っていなくて、いざという時どうするの」と聞かれます。実際のところ、病院にかかる場面は普通にありました。

それでも家計が痛んだことは一度もありません。理由は単純で、教員の医療費には制度の上限があるからです。

窓口で払う額が大きくなっても、後から共済の給付で戻ってきます。私は実際に、共済からお金が戻ってきた経験があります。

手続きらしい手続きもせず、忘れた頃に振り込まれていました。医療保険に入る前に、まず自分がすでに持っている保障を知ってください。

次の章で、その中身を順番に見ていきます。

教員の医療保険が不要な理由。公的保障は四段構え

教員の医療保険が不要な理由は、公的保障が四段構えになっているからです。高額療養費、付加給付、傷病手当金、障害年金。この順に守りが重なっています。

高額療養費制度だけでも医療保険はいらない

一段目は、全国民が持っている高額療養費制度です。医療費の自己負担には月ごとの上限があり、平均的な収入なら月9万円前後で頭打ちになります。

100万円の治療を受けても、支払いは9万円程度で済むということです。この時点で、医療費で家計が崩壊する筋書きはかなり成立しにくくなります。

入院や手術の「万一」に月数千円を払い続けるより、その分を貯金しておけば足りる。これが高額療養費制度を知った人の自然な結論です。

民間の医療保険は、この制度を知らない人ほど大きく見えるようにできています。まずはこの一段目を知ることが、保険を考える出発点です。

共済の付加給付で自己負担は実質月2万5000円まで

二段目が、教員だけの上乗せです。共済には「付加給付」という制度があり、同じ月・同じ病院の自己負担が2万5000円を超えた分は、後から自動的に払い戻されます。

私学共済にも公立学校共済組合にも、ほぼ同水準の仕組みがあります。申請は不要で、数か月後に勝手に戻ってくる。

私も実際に戻ってきた経験があります。高額療養費だけでも保険はいらないのに、付加給付でさらにいらなくなる。

どれだけ大きな病気をしても、医療費は実質月2万5000円までなのです。この数字を知ったとき、私は民間の医療保険を検討する理由が消えました。

公的保障の全体像は保険のしくみと公的保険の基本でも解説しています。

長期で働けなくても傷病手当金と障害年金がある

「入院は平気でも、長く働けなくなったら」という不安にも、三段目と四段目があります。病気やけがで勤務できない間は、共済から傷病手当金が出ます。

私学共済の場合、標準報酬日額の80%が最長1年6か月支給され、結核なら3年、満了後もさらに付加金が続きます。給与のおよそ8割が1年半守られるということです。

それでも回復しなければ、最後は国の障害年金が受け皿になります。ここまでの四段構えを民間の医療保険で再現しようとしたら、保険料がいくらあっても足りません。

働けなくなったときの備えの計算は病気やけがで働けなくなるときの備えの記事で詳しくやっています。

「教員でも医療保険が必要な人」の正体

ここまで読んで検索すると、「それでも必要な人もいます」と書いた記事に出会うはずです。その章の正体を先に明かしておきます。あれは、不要と認めて信頼を取ってから、不安で引き戻す構成です。

「先進医療が心配」への答え

不安の定番が先進医療です。「先進医療の技術料は公的保険の対象外。数百万円かかることもあります」という語り口ですね。

事実としては正しい。

ただ、先進医療はまだ評価の定まっていない治療で、対象となる医療機関も症例も限られています。実際にその治療を受ける場面は、まれです。

起きる確率がごく低く、起きても貯蓄と選択肢の変更で対応できるものに、毎月の固定費を払い続けるのは釣り合いません。まれな不安に月額で課金するのが医療保険の構造です。

それでも心配が拭えない人が最小限の掛金の共済型でカバーする、くらいが妥当な線だと私は考えます。

「退職後は付加給付が消える」への答え

次の定番が「教員でいる間はいいけど、退職したら付加給付はなくなりますよ」です。これも事実です。

でも、答えは簡単で、そのときに考えればいいのです。掛け捨ての医療保険は、必要になったタイミングでいつでも入れます。

「若いうちに入ると保険料が安い」と続くのがお決まりですが、若いうちから何十年も払い続けた総額は、たいてい将来の差額を超えます。教員でいる間の何十年か、使わない保障に払い続ける理由にはなりません。

在職中は付加給付に守られ、退職が見えたら改めて計算する。順番はそれで十分です。

将来の不安を先払いさせるのが、この話法の狙いです。

「貯蓄が少ない人・子どもがいる人は必要」への答え

最後の網が「貯蓄が少ない人、子どもがいる人、心配な人には必要です」という章です。よく見てください。

ほぼ全員がどれかに当てはまるように作られています。貯蓄が少ないなら、月数千円の保険料こそ貯蓄に回すべきです。

医療費は付加給付で月2万5000円までに抑えられているのだから、まず数か月分の生活費を貯める方が先です。子どもがいる場合に考えるべきは医療保険ではなく、自分に万一があったときの死亡保障で、これは後の章で扱います。

「心配な人には必要」に至っては、保障の話ですらありません。不要な民間保険の各論は教員に不要な保険の記事でも切り分けています。

職員室に来る保険販売員に、教員はどう対応するか

制度の話の次は、現場の話です。職員室には保険の販売員が来ます。私も新任の頃、「何も入ってないの?みんな入ってるよ」と半ば強引に勧められました。

教員が狙われるのは、安定した給料があるからだ

なぜ販売員は学校に通ってくるのか。教員の給料が安定していて、長く払い続けてくれるからです。

毎月確実に引き落とせる顧客は、保険会社にとって理想の安定収益です。考えてみてください。

あなたの相手をしてくれるあの販売員の人件費は、誰が払っているのでしょうか。契約した先生たちの保険料から出ています

つまり、必要のない保険に付き合いで入ることは、ほぼ募金です。それも、あなたより家計の苦しくない会社への募金です。

「みんな入ってるよ」は保障の根拠ではなく、営業トークです。みんなが入っていることと、あなたに必要かどうかは、何の関係もありません。

断り文句は「いりません」だけでいい

私が新任だった頃は、何がいい保険か判断する余裕もありませんでした。だから入りませんでした。

結果的に、それが正解でした。判断できないものは契約しない。

これは金融の大原則です。断り方に技術は要りません。

「いりません」とだけ言えば終わります。理由を説明する必要も、気まずくなる必要もありません。

理由を言えば、そこに切り返しの余地が生まれるだけです。人をあしらうのが面倒だからと付き合いで入るのは、いちばん高くつく解決策です。

一度「いりません」が定着すれば、来なくなります。私のところには、もうほとんど来ません。

4月の新任の先生へ。良い保険は向こうから来ない

これから教壇に立つ先生に、一つだけ言わせてください。あなたは4月、狙われます。

新しい環境で判断力が落ちているところに、優しい顔で近づいてくる人がいます。覚えておいてほしいのは、本当に良い金融商品は、向こうから売りに来ないということです。

良い商品は黙っていても選ばれるので、職員室まで足を運ぶ営業を必要としません。向こうから来る時点で、それは「売る側が売りたい商品」です。

忙しくて調べる時間がないなら、なおさら即決しないでください。保険はいつでも入れます。

断って失うものは、何もありません。

教員が入るべき保険は自動車と火災だけ

では何にも入らなくていいのか。そうではありません。判断基準はひとつ、起きたら貯金で払えない損失かどうかです。この基準で残る保険は少ししかありません。

対人対物無制限の自動車保険と、住まいの火災保険

車に乗るなら、対人対物無制限の自動車保険は必須です。人を傷つけてしまえば、賠償は数千万円から億に届くこともあり、貯金では絶対に払えません。

同じ理由で、住まいの火災保険も必要です。賃貸なら契約時のもので足ります。

逆に、車両保険のような「自分の車の修理代」は貯金で払える損失なので、私は付けていません。貯金で払えない損失だけに保険をかける

この一行が保険選びのすべてです。医療費は付加給付のおかげで「貯金で払える損失」になっているから、医療保険が要らないのです。

自動車保険の選び方は教員に必要な自動車保険の記事にまとめています。

子どもが生まれたら、掛け捨ての生命保険だけ足す

例外がひとつあります。子どもが生まれたときです。

自分に万一があったら、残された家族の生活費は貯金で払えない損失になり得ます。このときだけ、掛け捨ての生命保険を足してください。

といっても、遺族年金という公的保障がまず土台にあるので、必要な上乗せは大きくありません。月2000円か3000円の世界です。

生命保険に月5000円以上払っていたら黄色信号だと思ってください。貯蓄型や外貨建てを勧められても、保障と貯蓄は分けるのが原則です。

がん保険も同じ理屈で不要です。がんの治療費にも高額療養費と付加給付は同じように効きます。

必要額の計算は遺族年金の記事でできます。

教員の保険は「保険とは何か」を理解すれば見直せる

最後に、いちばん大事な話をします。保険を見直す最初の一歩は、商品の比較ではありません。「保険とは何か」を理解することです。

保険は、確率は低いが致命的な損失に備える道具

保険とは、めったに起きないけれど、起きたら貯金で立て直せない損失に、みんなでお金を出し合って備える道具です。だから、確率の高いこと(ちょっとした通院)や、貯金で払えること(数万円の医療費)に使うと、必ず割高になります。

保険会社の運営費と利益が上乗せされているからです。教員は、付加給付と傷病手当金によって「医療で致命傷を負わない」立場をすでに手に入れています。

この理解さえあれば、販売員のトークも記事の不安煽りも、自分で判定できるようになります。そうすれば、保険がいらないことは自分で分かります。

浮いた保険料の行き先は教員の貯金の記事で書いた通り、生活防衛費と積立投資で十分です。

それでも迷う先生は、メールで相談してください

ここまで読んでも、「自分の場合はどうなんだろう」と手が止まる先生はいると思います。家族構成や貯蓄額で細部は変わるので、それは自然なことです。

自力で整理できる方は、この記事の基準どおりに進めてもらえれば十分です。難しければ、このブログの問い合わせページからメールをもらえれば、状況を聞いて一緒に整理します。

内容によっては有償になる場合もありますが、その際は事前にお伝えします。少なくとも、私は保険を売る側の人間ではありません。

なお、保険の最終判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。

まとめ。教員の医療保険は公的保障で足りる

教員に民間の医療保険はいらない。高額療養費で自己負担は月9万円前後に抑えられ、共済の付加給付で実質月2万5000円まで下がります。

長期で働けなくても傷病手当金が給与の約8割を最長1年6か月支え、最後は障害年金があります。入るべきは、対人対物無制限の自動車保険と火災保険だけ。

子どもが生まれたら掛け捨ての生命保険を月数千円で足す。職員室の販売員には「いりません」だけでいい。

保険とは、貯金で払えない損失に備える道具です。その理解が、月々の保険料よりずっとあなたを守ります。

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