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「教員は副業禁止でしょう」
そう思っている先生は多いです。私も、そう思っていました。
違います。許可を取れば、普通にできます。
私は兼業の許可を取って副業をしています。手続きは、申請書を1枚出して終わりでした。面談も、長い審査もありませんでした。通ると思って出して、普通に通りました。
この記事では、何を書けば許可が通るのか、学校が本当に見ているのは何なのか、そして副業をやってみて本業がどう変わったかを書きます。
先に一つだけ断っておきます。この記事は「バレずにやる方法」の話ではありません。バレるかどうかを気にしている時点で、話の入り口を間違えています。許可を取れば、隠す必要がなくなります。

教員の副業は法律で禁止されていません
まず、根拠を確認します。
公立学校の教員は地方公務員なので、地方公務員法第38条が適用されます。ここには「任命権者の許可を受けなければ、営利企業を営んだり、報酬を得て事業に従事してはならない」と書いてあります。
読み方が大事です。禁止されているのは「許可なしでやること」です。許可を取れば、できます。
さらに、教員にはもう一つ有利な条文があります。教育公務員特例法第17条です。教育に関する他の職や事業については、本務の遂行に支障がないと任命権者が認めれば、従事してよいとされています。
つまり、教育に関わる副業なら、一般の公務員より広く認められる立てつけになっているわけです。塾、家庭教師、教材制作、講演。このあたりは、そもそも制度の想定の中にあります。
文部科学省も教師等の兼職兼業についてというページを出しています。国として「やっていい」と言っている領域だと理解して構いません。
教員の副業の許可は申請書1枚で終わります
ここからは私の実際の話です。
申請書を出して、終わりでした。
面談はありませんでした。呼び出されることもありませんでした。何度も説明を求められることもありませんでした。紙を1枚出したら、そのまま通りました。
ダメ元だったのかと聞かれれば、違います。通ると思って出しました。理由は、書く内容が決まっていたからです。
申請書に書いたのは2つだけです
私が書いたのは、この2点です。
1. 学校の公益性を損なわないこと 2. 本業に全く影響が出ないこと
これだけです。長い事業計画も、収益の見込みも書いていません。
そして、この2点には根拠があります。法律が許可の基準として挙げている項目と、ほぼそのまま重なっているのです。
教員の副業が許可される基準は決まっています
総務省の資料によれば、営利企業への従事の許可を出すときに確認されるのは、次の3点です。
| 確認されること | 意味 | |—|—| | 職務遂行上、能率の低下を来すおそれがないこと | 本業がおろそかにならないか | | 相反する利害関係を生じず、職務の公平を妨げるおそれがないこと | 生徒や保護者と利害でぶつからないか | | 職員および職務の品位を損ねるおそれがないこと | 学校の看板に傷がつかないか |
私が書いた「本業に影響が出ない」は1番目。「学校の公益性を損なわない」は2番目と3番目。基準をそのまま言い換えただけです。
申請書で悩む必要はありません。この3つに触れながら、自分の副業がどれにも当たらないことを書けば済みます。
学校が本当に見ているのはお金ではなく時間です
もう一段、実感の話をします。
学校が引っかかるのは、お金を稼ぐことではありません。時間を取られることです。
副業でいくら稼いでいるかを、学校は細かく見ていません。見ているのは、その副業のせいで学校の仕事が回らなくなるかどうかです。上の3つの基準でいえば、1番目にほぼ集約されます。
だから、申請するときに強調すべきなのは金額ではありません。「勤務時間には一切かからない」「土日と平日夜だけで完結する」という時間の話です。ここが通れば、あとはだいたい通ります。
私立教員の副業は公立より緩いです
私立の場合、根拠になるのは法律ではなく勤務先の就業規則です。
そして実感として、私立のほうがルールは緩いです。判断するのが自治体ではなく学校法人なので、話が早いという面もあります。
ただし「緩い=何も言わなくていい」ではありません。就業規則を読んで、必要なら申請を出す。この手順は変わりません。私立だからと油断して、あとで問題になるほうが面倒です。
なお、副業が制限されやすい職業だからこそ、手元のお金に働いてもらう発想も要ります。その話は教員こそ投資をやったほうがいいに書きました。
教員に向いている副業は教員の経験以外から選びます
ここは、少し期待を裏切る話になります。
教員の経験が活きる副業は、実はほとんどありません。
私自身、副業に活かせた「教員としての経験」は、正直なところ何もありません。授業がうまいことも、生徒対応が得意なことも、外ではほとんど値段がつきません。
そのうえで、教員が持っているものを挙げるなら2つあります。
- 情報処理能力
- 一定の学力
この2つは、どの副業にも効きます。逆に言えば、この2つがあるから何でもできるということです。教員だからこの副業、という決まった正解はありません。
副業は「教員だから」ではなく「自分だから」で選びます
現実的な選び方は、自分が持っている武器から逆算することです。
- 英語ができるなら、英語のスクール
- 音楽ができるなら、音楽のスクール
- 文章が書けるなら、書く仕事
- 動画を触れるなら、編集の仕事
つまり個人によります。「教員におすすめの副業ランキング」のような記事は、この個人差を無視しています。あなたが40年やってきた中で、教員以外の部分に何があるかを先に数えてください。
教員が副業をすると本業が変わります
ここがいちばん伝えたい部分です。
副業をやってみて、本業に影響はあったか。めちゃくちゃありました。
変わったのは2つです。
成果から考えるようになりました
学校の仕事は、成果が見えにくい構造になっています。何時間働いたか、どれだけ丁寧にやったか。評価の言葉が、そちら側に寄りがちです。
副業は逆です。やったことに対して、結果が数字で返ってきます。取り組みが空回りしていれば、そのまま何も起きません。
この経験をすると、学校の仕事も「これは何のためにやっているのか」から考えるようになります。順番が変わるだけで、仕事の減り方が変わります。
KPIを立てるということを知りました
もう一つが、KPIという考え方です。
最終的に達成したい目標があって、そこに到達するために途中で測る指標を置く。副業をやるまで、私はこの発想を持っていませんでした。
学校の仕事にも、これは使えます。「行事を成功させる」ではなく、その手前で何が測れるかを考える。生徒指導も、行事の運営も、これがあるとぶれません。
副業で得た一番のものは、収入ではなく、この考え方でした。
働き方そのものを変えたい人は、教員の年収は割に合うのかも一緒に読んでみてください。手取りの実額を知ってから副業を考えたほうが、判断が早くなります。
教員が副業を始めるなら最初の1ヶ月にやることは1つです
最後に、始め方です。
副業を始めたい先生が、最初の1ヶ月でやるべきことを1つだけ挙げるなら、こうなります。
まず、副業を始めてください。
準備の話ではありません。情報収集の話でもありません。始めることそのものです。
理由は、上に書いたとおりです。副業から得られるいちばん大きなものは、成果から考える感覚とKPIの発想であって、これは始めないと絶対に手に入りません。読んでも身につきません。
許可の申請は紙1枚です。基準は3つしかありません。止まっている理由が「なんとなく禁止されている気がするから」なら、それは思い込みです。
まとめ 教員の副業は許可を取れば普通にできる
- 教員の副業は禁止されていない。禁止されているのは許可なしでやること
- 公立は地方公務員法38条。教育に関わる副業は教育公務員特例法17条でさらに広く認められている
- 許可の申請は申請書1枚。面談も審査もなかった
- 書くのは「本業に影響が出ない」「学校の公益性を損なわない」の2点でよい
- 学校が見ているのはお金ではなく時間
- 私立は就業規則次第で、公立より緩い
- 教員の経験が活きる副業はほとんどない。効くのは情報処理能力と学力
- 副業で得られる最大のものは収入ではなく、成果から考える感覚とKPIの発想
隠れてやる必要はありません。紙を1枚出せば、堂々とできます。
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