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投資と聞いた瞬間に、身構える先生は多いと思います。ギャンブルのようで怖い。勉強する時間なんてない。詐欺の話もよく聞くから、誰を信じていいか分からない。
私も、まったく同じことを思っていました。
でも先に言い切ります。教員は、投資に向いています。しかも「忙しくて値動きを見ていられない」という、一見すると不利に思える事情が、そのまま強みになります。
この記事では、私がなぜそう考えるようになったのか、何を買っているのか、そして投資を始めて何が変わったのかを書きます。商品の売り込みはしません。最終的な判断はご自身でしてくださいという前置きだけ、先に置いておきます。
教員が投資に向いているのは、忙しくて値動きを見られないから
結論から書きます。教員の忙しさは、投資においては欠点になりません。むしろ、余計なことをしなくて済むぶん、有利に働きます。
忙しくて勉強できないのに、口座のお金だけは貯まっていく
教員になって最初に気づいたのは、お金を使う時間がないということでした。朝は早く、帰りは遅い。土日は部活。平日に買い物へ行く体力も残っていません。
そうすると、何が起きるか。給料が振り込まれて、そのまま口座に積み上がっていきます。就職してしばらくの間、私はそのお金をただ寝かせていました。
もったいなかったと、今は思います。使う予定のないお金を、何年も普通預金に置いていたわけですから。
投資の勉強をする時間が取れないのは、私も同じでした。でも、勉強してから始めるのではなく、少額で始めてから覚えるほうが早いというのが実感です。私は月3万3千円から始めました。それくらいの額なら、どうなるかを眺める余裕があります。
値動きを見られないことが、そのまま強みになる
投資でいちばん損をするのは、値下がりしたときに慌てて売ってしまうことです。逆に言えば、見なければ、売らずに済みます。
私は暴落を経験しました。ただ、始める前に「暴落はするけれど、長い目で見れば戻ってきた」という話を知っていたので、そのときの感想は「これが暴落か」という程度でした。
慌てたのは、私ではなく画面の向こう側でした。SNSには、いつもより明らかに動揺した投稿が並んでいました。こうやって人は売っていくんだな、と分かったのは、むしろ良い経験だったと思います。
やったことは、ひとつだけです。何もしませんでした。持ち続けただけです。
授業と部活で埋まった一日のなかで、株価を確認する時間はありません。その環境が、結果的に私を守ってくれました。

固定給だからこそ、投資をしないとお金が目減りする
ここは、教員にとって切実な話です。給料が安定していることは、投資をしなくていい理由にはなりません。むしろ逆です。
物価が上がっても、給料表はすぐには変わらない
教員の給料は、給料表で決まります。安定している代わりに、世の中の値段が急に上がっても、それにすぐ追いつくようにはできていません。
去年と同じ金額をもらっていても、買えるものが減っていれば、それは実質的に給料が下がったのと同じことです。ここ数年、スーパーでそれを実感している先生は多いはずです。
一方で、株式を持っていると、物価上昇にある程度ついていける可能性があります。値段が上がるということは、企業の売上が増えるということでもあるからです。
もちろん、必ずそうなるとは言えません。ただ、現金だけで持っているほうが安全だ、という前提は疑ったほうがいいとは思います。
昇給も副業も期待しにくい立場にいる
教員は、頑張ったから今年の給料が倍になる、という職業ではありません。年齢と経験に応じて、決まった幅で上がっていきます。
そして、収入を外で増やすことにも制限があります。公立の先生は地方公務員法第38条で営利企業への従事などが制限されていますし、私立でも就業規則で兼業を制限している学校がほとんどです。
つまり、入口を増やしにくい仕事なのです。だからこそ、いま手元にあるお金にどう働いてもらうかを、自分で考える必要があります。
教員の年収がどれくらいで、何にどう消えていくのかは、教員の年収は割に合うのかを検証した記事に手取りの実額まで書きました。
毎月同じ額を積み立てられるのは、固定給の特権
積立投資は、毎月決まった額を、決まった日に買い続けるのが基本です。これは、収入が読める人ほど続けやすいやり方です。
自営業の方は、月によって入ってくる額が違います。今月は多いから10万円、来月は少ないからゼロ、ということが起こります。
教員は違います。来月いくら振り込まれるかが、ほぼ分かっています。だから、月3万円でも5万円でも、機械的に続けられます。
安定した収入は、投資と組み合わせたときに本当の強さを発揮します。ここは、教員が持っている数少ない武器のひとつだと思っています。

投資はギャンブルではない。賭けているのは「発展」のほう
職員室でこの話をすると、たいてい「それってギャンブルでしょ」と返ってきます。私はいつも、同じ答え方をしています。
私が同僚にしている説明
ギャンブルは、誰かが勝てば誰かが負ける仕組みです。全体で見ると、参加者の取り分は増えません。
株式投資は、そこが違います。企業が新しいものを作り、売上を伸ばし、世の中が便利になっていく。その積み重ねに乗せてもらう、というのが基本の考え方です。
私が賭けているのは、この世界が発展するかどうかです。資本主義がこのまま伸びていくのか、それとも終わっていくのか。私は伸びるほうに置いています。
もし世界全体が発展しなくなったら、そのときは投資をしていてもいなくても、生活は苦しくなります。だから「発展するほう」に置いておくのは、そこまで奇妙な選択ではないと考えています。
詐欺が怖いなら、覚える商品を減らせばいい
始める前、私がいちばん怖かったのは詐欺でした。知識がないまま近づけば、うまい話に引っかかるのではないか、と。
これは、買うものを絞れば、ほぼ解決します。私は世界中の株にまとめて投資する投資信託を、ひとつだけ買っています。
覚える商品がひとつなら、それ以外の話はすべて「自分には関係のない話」になります。職員室で誰かに勧められても、判断に迷いません。
知識で武装するより、選択肢を減らすほうが、忙しい教員には現実的だと思います。
私が買っているのはオールカントリー1本
商品名を出します。私が積み立てているのは、全世界の株式に投資するタイプの投資信託、いわゆるオールカントリーです。
S&P500から乗り換えたのは、感情と付き合いやすいから
最初に買ったのはS&P500、アメリカの大きな企業をまとめて買うタイプのものでした。今も悪い選択だとは思っていません。
乗り換えた理由は、成績ではなく気持ちの問題です。アメリカ以外の国が伸びているというニュースを見るたびに、「そこに投資していない」という落ち着かなさが出てきました。
オールカントリーなら、その心配が消えます。インドが伸びても、日本が伸びても、ヨーロッパが伸びても、どこかには入っています。
値動きの幅も、特定の分野に絞った商品より穏やかです。かといって、預金や債券よりは増える可能性がある。この真ん中あたりが、私には合っていました。
投資で続かなくなる原因は、成績より感情です。自分の性格に合うものを選ぶほうが、結局は長続きします。
情報を追わなくていい状態を作る
私が投資の情報を得ていたのは、主に動画でした。ただ、見ないほうがいいのも、同じ場所です。
買うものを決めたあとは、他人の意見はほとんど雑音になります。「今から買うなら別の商品だ」という話を毎日見ていたら、そのたびに乗り換えたくなってしまいます。
だから今は、ほとんど見ていません。積立の設定を済ませたら、あとは放っておく。それだけです。
情報を追う時間がないことを、私はもう不利だと思っていません。
投資を始めて変わったのは、金額より老後の不安
最後に、お金以外の話をさせてください。私にとって、いちばん大きかった変化はここでした。
老後の心配が、頭のなかから消えた
毎月コツコツと積み立てていくと、老後に必要だと言われている金額に、少しずつ近づいていきます。月に数万円でも、時間をかければ形になります。
そうすると、老後という心配ごとが、頭のなかから消えます。ゼロになるわけではありませんが、少なくとも「何もしていない」という後ろめたさは無くなります。
考えることが減るというのは、思っている以上に効きます。教員の頭のなかは、ただでさえ生徒と授業と行事で埋まっています。そこに老後の不安まで置いておく余裕は、本当はありません。
老後のお金の全体像については、教員の老後対策をまとめた記事で年金の仕組みから整理しています。
不安が消えると、勧誘に揺れなくなる
保険を勧められるとき、投資商品を勧められるとき。相手が使ってくるのは、たいてい老後の不安です。
その不安が自分のなかで片付いていると、話を聞いても揺れません。「もう手は打ってあります」と言えるからです。
私が職員室で勧誘を断れるようになったのは、知識が増えたからではありません。先に自分で手を打っていたからです。
医療保険についても同じ考え方で判断しました。詳しくは教員に医療保険がいらないと考える理由に書いています。
まとめ:教員に向いているのは、見ないで続ける投資
教員は投資に向いています。忙しくて値動きを見ていられないこと、固定給で毎月同じ額を出せること、そして使う時間がないこと。この職業の事情が、そのまま積立投資と噛み合います。
私がやっているのは、全世界に投資する商品をひとつ買い、放っておくことだけです。暴落のときも、何もしませんでした。
そして得られたのは、増えたお金より、老後を心配しなくてよくなった頭のなかでした。
投資の成果は市場の状況によって変わりますし、元本が保証されているものでもありません。最終的な判断は、ご自身でお願いします。それでも、口座に寝ているだけのお金があるなら、一度考えてみる価値はあります。