投資の目標額の決め方。いくら必要かは、生活費と4%で出す

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投資の目標額の決め方。いくら必要かは、生活費と4%で出す

投資を始めて、毎月の積み立てが回り始めると、ある日ふと思います。「これ、いくらまで増やせばいいんだろう」。

私も、その疑問にぶつかりました。そして、答えが出ないまま、一度積み立てを止めたことがあります。

この記事では、投資の目標額をどう決めればいいかを書きます。先に結論を書くと、私の出し方はシンプルです。生活に必要なお金を、年4%の利回りでまかなえる金額。それが目標です。

目標がないと、何のために増やしているのか分からなくなる

私が積み立てを一度止めたのは、暴落のときではありません。目標が分からなくなったときです。

月2万円で、老後の2,000万円に届いてしまう

きっかけは、ある計算でした。

私が投資を始めたのは20代後半です。そこから65歳まで、月2万円を積み立てたとします。仮に年5%で増えたとすると、35年後には約2,270万円になる計算です(元本は840万円)。

ひところ話題になった「老後2,000万円問題」は、それだけで届いてしまいます。

そう考えたときに、「これ以上積み立てる意味はあるんだろうか」と思いました。何のために増やしているのかが、分からなくなったのです。

2,000万円は、自分の目標ではなかった

振り返ると、当時の私は「老後2,000万円」という、誰かが出した数字を目標にしていました。だから、そこに届きそうだと分かった途端に、次に何をすればいいか分からなくなったのです。

2,000万円という数字自体、あまり意味のある計算ではありません。暮らし方は人によって違います。必要な金額は、自分の生活から出すしかありません。

老後2,000万円を目標にすれば、いいのでは?

つくね
つくね

それは誰かが出した数字です。必要な金額は、自分の生活から出すしかありません。

目標額は「生活費÷4%」で出す

では、どうやって目標額を出すのか。私の出し方は、こうです。

生活に必要なお金が、資産の年4%でまかなえる金額。それが目標額です。

式にすると、1年に必要な生活費 ÷ 4% = 目標額。1年に必要な生活費を25倍した金額、と言い換えてもいいです。

目標額って、どうやって出せばいいんですか?

つくね
つくね

1年に必要な生活費を4%で割るだけです。生活費の25倍、と覚えてもいいです。

1年に必要な生活費目標額(生活費÷4%)
200万円5,000万円
240万円6,000万円
300万円7,500万円
400万円1億円

なぜ4%なのか

4%という数字には、目安としての出どころがあります。アメリカのトリニティ大学の研究(1998年)などから、「資産の4%ずつ取り崩していけば、資産が長持ちしやすい」という考え方が広まりました。「4%ルール」と呼ばれています。

私の場合は、取り崩すというより、配当で4%を受け取る形を考えています。持っている株から毎年4%ほどの配当が入れば、元本を減らさずに生活費をまかなえます。

もちろん、4%が約束されているわけではありません。あくまで、目標を決めるための目安です。

私の目標は、夫婦2人で8,000万円から1億円

私の場合を書きます。

私の目標は、夫婦2人で8,000万円から1億円です。そこに届いたら、インデックス投資から、配当を受け取る投資に切り替えるつもりです。配当を受け取るのは、個別の会社の株か、高配当の株を集めたETFを考えています(どれかを勧めるものではありません)。

この目標は、配偶者と細かく話し合って決めたわけではありません。ただ、「ここを目指す」と宣言はしています。口に出しておくと、毎月の積立額を守る理由になります。

8,000万円の4%なら年320万円、1億円の4%なら年400万円。夫婦2人の基本的な生活費を、配当でまかなえる金額として決めました。

今の私たちの生活費は、夫婦2人で月30万円から40万円くらいです。1年にすると360万円から480万円ほど。この中には、旅行や趣味など、なくても暮らせる支出も入っています。配当でまかないたいのは、そのうちの基本的な生活費の部分です。残りは、あとで書く働き方で補うつもりです。

今のペースで積み立てを続けると、36歳から37歳くらいで目標に届く見込みです。

この見込みは、毎月の積立額に、給料と副業の収入から入れる分を足して、年7%から10%くらいで増えていく前提で計算しました。もちろん、この利回りは約束されたものではありません。

途中で大暴落が来たら、回復を待つ

目標に届く前に、大きな暴落が来たらどうするか。

回復を待ちます。それしかありません。途中で下がっても、売らずに積み立てを続けていれば、いずれ戻ってきます。過去の暴落も、そうでした。

目標に届く前に暴落が来たら、どうしますか?

つくね
つくね

回復を待ちます。売らずに積み立てを続けていれば、いずれ戻ってきます。

ただ、目標に届く時期は、そのとき大きな暴落が来ているかどうかで変わります。36〜37歳というのは、あくまで今のペースでの見込みです。何年かずれることは、最初から覚悟しています。

この目標を決めたのは、30歳のときです。計算は、AIにしてもらいました。今の生活費、毎月の積立額、給料と副業の収入、想定する利回りを伝えて、何歳でいくらになるかを出してもらったのです。自分で複雑な計算をしなくても、今は数字を入れるだけで見通しが出せます。それまでは、なんとなく積み立てていただけでした。目標を決めてから、積立額にも、働き方にも、迷わなくなりました。

数字は、厳密には考えていない

ただ、この金額を1円単位で決めているわけではありません。8,000万円から1億円と、幅で持っています。

理由は、インフレです。物の値段は、これからも上がっていくはずです。今の生活費で計算した金額が、20年後にも足りるとは限りません。だから、少し余裕を持たせて、幅で考えています。

実際、物の値段は2022年から4年続けて、毎年2.5%から3.2%上がっています(総務省「消費者物価指数」2020年基準)。仮に毎年3%ずつ上がり続けたとすると、20年後には、同じ暮らしに今の約1.8倍のお金がかかる計算です。目標額を1円単位で決めても、あまり意味がないのはこのためです。

以前は、もう少し低い金額を考えていました。でも、それだと生活費ぴったりで、余裕がなさすぎると気づきました。インフレを考えると、幅を持たせた今の目標のほうが安心です。

届いたら、非常勤講師として働きたい

目標に届いたら、サイドFIREをして、非常勤講師として働きたいと考えています。

教員の仕事そのものが嫌いなわけではありません。授業をすることは好きです。ただ、常勤でいると、授業以外の仕事がどうしても多くなります。式典の準備や、自分では納得できない指示に従う時間。そういう時間に、人生を使っているなと実感したことが、サイドFIREを目指したきっかけでした。

非常勤講師になったら、週に8コマくらい授業を持つつもりです。月の収入は、5万円から15万円くらいあればいいと考えています。配当で基本的な生活費をまかない、非常勤の収入で旅行や趣味の分を足す。そういう組み合わせです。

基本的な生活費を配当でまかなえれば、働く時間を自分で選べます。授業だけをする働き方を、自分で選べるようになる。それが、私にとっての目標額の意味です。

実は、投資をやめることはない

目標に届いたら投資をやめるのかというと、そうでもありません。

増やそうと思えば、いくらでも増やせます。目標に届いたら、増やすための投資から、受け取るための投資に切り替える。やめるのではなく、役割を変えるという感覚です。

家計の決まりも、年齢で変えていく

目標に届いたら、今の家計の決まりも変えるかもしれません。

たとえば、今は銀行の口座にだいたい200万円を置いて、それ以外を投資に回しています。でも、年齢が上がってきたら、この200万円は増やすと思います。現金の割合を、少しずつ上げていくつもりです。使うまでの時間が短くなるほど、値動きのないお金を厚くしておきたいからです。

公的な年金は、特にあてにしていません。配当だけで、基本的な生活費をまかなえるようにしておくのが目標です。もちろん、年金をもらえる年齢になったら、もらえる分はもらいます。あてにはしないけれど、入ってきたら足しにする、という位置づけです。

常勤をやめて非常勤になることについては、特に心配はしていません。その頃には、基本的な生活費を配当でまかなえる状態になっているはずだからです。心配しなくていい状態を作るために、今、目標額を決めて積み立てています。

子どもの教育費は、別に考える

ひとつ付け加えると、この目標額には、子どもの教育費は入れていません。教育費は、別に準備します。

私は、2027年から始まる子ども向けのNISAを使うつもりです。2027年1月1日から、0歳から17歳の子どもも、つみたて投資枠を使えるようになります。子どもの間は、1年に60万円まで、合計600万円までです(国税庁「令和8年度税制改正のあらまし」)。

老後や働き方のためのお金と、教育費を混ぜない。目的ごとに分けておくと、それぞれの目標額がはっきりします。

目標は、家計管理から決まる

目標額を出すには、「1年に必要な生活費」が分かっていないといけません。ここが、家計管理とつながるところです。

毎月いくらで暮らしているのかが分かっていなければ、目標額は出せません。逆に、家計管理ができていれば、目標額は計算するだけで出てきます。

自分の生活費が、はっきり分かりません…

つくね
つくね

それなら先に家計管理です。生活費が分かれば、目標額は計算するだけで出てきます。

私も、家計を見直して自分が生きていくのに必要な金額が分かったことで、目標が決まりました。必要な金額が分かったら、心が楽になりました。いくらあれば足りるのかが分かれば、それ以上を追いかけて不安になる必要がなくなるからです。

目標が決まると、毎月の積立額が決まる

目標額が決まったら、次は「毎月いくら積み立てれば届くか」です。

仮に年5%で増えたとすると、毎月の積立額と期間で、だいたい次のようになります。

毎月の積立額15年後20年後30年後
3万円約800万円約1,230万円約2,500万円
5万円約1,340万円約2,060万円約4,160万円
10万円約2,670万円約4,110万円約8,320万円

※年5%で毎月複利として計算した試算です。税金や手数料は含まず、将来の成果を約束するものではありません。

たとえば、夫婦で目標が8,000万円なら、1人あたり4,000万円。月5万円なら30年、月10万円なら20年くらいで届く計算です。

私が月10万円にした理由

私は、「老後2,000万円」に気づいて、積み立てを止めたり、月2万円に下げたりした時期がありました。そのあと、30歳のときに、将来いくら欲しいのかを考え直しました。出た答えが、サイドFIREでした。生活費の一部を配当などでまかなえる状態を作って、働き方を自分で選べるようにする。

その目標から逆算して、積み立てを再開し、月10万円まで増やしました。目標が決まったから、積立額も決まったのです。サイドFIREの考え方は、教員こそサイドFIREを目指せるに書きました。

「今から始めても遅いですか」には、目的を聞く

40代、50代の先生から「今から投資を始めても遅いですか」と聞かれることがあります。

私の答えは、「遅くないです。でも、目的は何ですか」です。

そして、もう一つ聞きます。「それ以上増やして、何円まで欲しいんですか」。

投資は、目的があって初めて金額が決まります。何円まで欲しいのか。それは何のためか。そこが決まっていないまま「遅いかどうか」を考えても、答えは出ません。

目的がはっきりすれば、必要な金額が決まり、残りの年数で毎月いくら積み立てればいいかも決まります。遅いかどうかは、その計算の結果で分かります。

まとめ:誰かの数字ではなく、自分の生活から出す

  • 目標がないと、何のために増やしているのか分からなくなる。私は一度、それで積み立てを止めた
  • 「老後2,000万円」は、誰かが出した数字。月2万円でも届く計算になる
  • 目標額は、1年に必要な生活費÷4%(生活費の25倍)で出す
  • 私の目標は、夫婦2人で8,000万円から1億円。インフレを考えて、幅で持っている
  • 届いたら、やめるのではなく、受け取るための投資に役割を変える
  • 目標額は、家計管理で生活費が分かって初めて出せる
  • 目標が決まれば、毎月の積立額も決まる
  • 「遅いですか」と聞かれたら、まず目的を聞く

なぜ教員こそ投資に向いているのかは、教員こそ投資をやったほうがいいに書きました。

なお、この記事は特定の商品を勧めるものではありません。数字は試算と目安で、将来の成果を約束するものではありません。投資の成果は市場の状況によって変わり、元本が保証されているものではありません。最終的な判断は、ご自身でお願いします。

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