インデックス投資は今から始めても遅くない。40代・50代の先生が先に決めること

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インデックス投資は今から始めても遅くない。40代・50代の先生が先に決めること

「若いうちから始めた人はいいけれど、私はもう遅いのでは」

投資の話になると、40代、50代の先生からこう言われることがあります。周りの若い先生がNISAの話をしているのを聞いて、焦っている人もいるかもしれません。

私の答えは、遅くないです。

ただし、一つだけ条件があります。始める前に、決めておくことがあるのです。この記事では、なぜ遅くないと言えるのか、そして40代・50代の先生が始める前に何を決めればいいのかを書きます。

私も「もっと早く始めればよかった」と思っている

先に、私自身の話を書いておきます。

私が投資を始めたのは2023年、20代後半のときです。もっと早く始めればよかったと思うことはあります。お金の損得だけで考えれば、始めるのは早ければ早いほどいいからです。

でも、あの頃は始められなかった

ただ、振り返ってみると、もっと早い時期に始められたかというと、たぶん無理でした。

投資を始めるには、「自分でやってもいい」と思えるくらいには調べないといけません。暴落が来ても売らずに持ち続けるための知識も、身につけておく必要があります。私はそれを「握力」のための知識と呼んでいます。

それまでの私は、がむしゃらに働いていました。その時間を、投資の勉強に回す余裕はなかったと思います。

そして、あの頃にがむしゃらに働いたからこそ、今の自分があります。だから私は、始めたのが今のタイミングだったことが、自分にとっては一番よかったと思っています。

これは、40代、50代の先生にも言えることだと思います。これまで投資をしてこなかったのは、それだけ仕事に時間を使ってきたからです。遅れたことを悔やむ必要はありません。

もっと早く始めていれば、と悔やんでしまいます…

つくね
つくね

これまでは、それだけ仕事に時間を使ってきたんです。悔やむ必要はありません。

「若い人がうらやましい」と言われたら

「若いうちからNISAがあって、うらやましい」と言う50代の先生もいます。

私は、こう答えます。50代の先生には、50代の先生が若かった時代の良さがあったはずです。職場のみんなで一生懸命に何かをやった経験や、その時代だから持てたもの。どの時代にも、その時代の良さがあります。

投資に関しては、たまたま今の制度が若い人に有利に見えるだけです。そして、その制度は、今から始める50代の先生も同じように使えます。

なぜ「遅くない」と言えるのか

では、なぜ今からでも遅くないと言えるのか。理由は3つあります。

理由1:15年あれば、ほとんど損をしていない

インデックス投資は、15年という長さで持つことで効いてくる投資です。

アメリカの株の代表的なインデックスであるS&P500のデータでは、配当を再投資しながら15年間持った場合、1871年以降の約150年で、損をしたのは1回だけでした。1950年以降に買った場合に限ると、1回もありません。

出典:Robert J. Shiller「U.S. Stock Markets 1871-Present」(1871年1月〜2023年6月の月次データ)から計算。配当再投資・ドル建て。

45歳で始めれば、15年後は60歳。50歳で始めても、65歳です。15年という長さは、40代・50代からでも十分に取れます。

40代・50代からだと、時間が足りないのでは?

つくね
つくね

45歳で始めても、15年後は60歳。15年という長さは十分に取れます。

理由2:定年で、人生は終わらない

「定年までに15年ない」と思う人もいるかもしれません。でも、定年で人生が終わるわけではありません。

60歳で定年を迎えても、そこから20年、30年と人生は続きます。投資したお金を、定年の日に全部使うわけではありません。使う予定のない分は、定年のあとも置いておけば、増えていく時間があります。

理由3:新NISAには、期限がない

新NISAで買ったものは、無期限で、税金がかからないまま持っていられます。制度そのものも、期限のない恒久的なものになりました(金融庁「NISAを知る」)。

旧NISAには、つみたてNISAで20年という期限がありました。今は、その期限がありません。何歳で始めても、好きなだけ持ち続けられるのです。

40代・50代が始める前に決めること

遅くない、とは言いました。ただ、若い人と同じやり方でいいかというと、少し違います。

残りの時間が短いぶん、始める前に決めておくことがあります。

「何のために、何円まで欲しいのか」

私は、40代・50代の先生から「遅いですか」と聞かれたら、こう聞き返します。「遅くないです。でも、目的は何ですか」。

何のために増やしたいのか。老後の生活費を足したいのか、早めに仕事を減らしたいのか。そして、それ以上増やして、何円まで欲しいのか。

目的と金額が決まっていないまま始めると、いくら積み立てればいいのか、いつまで続ければいいのかが決まりません。

最初の金額は、家計で余っているお金から

「最初は月いくらから始めればいいですか」とも、よく聞かれます。

私の答えは、家計管理をして、余っているお金からです。月1万円でも、月5万円でも構いません。金額に正解はありません。生活に必要なお金を口座に置いたうえで、それでも余っている分。それが、その人にとっての最初の金額です。

子どもがいる40代の先生なら、子どもの教育費は別に考えておくと、自分の投資の金額が決めやすくなります。2027年1月1日からは、0歳から17歳の子どもも、NISAのつみたて投資枠を使えるようになります。子どもの間は、1年に60万円まで、合計600万円までです(国税庁「令和8年度税制改正のあらまし」)。自分の老後のお金と、子どもの教育費を、分けて積み立てられるようになります。

40代・50代は、若い人より収入が多いぶん、余っているお金も大きいかもしれません。逆に、教育費やローンで余りがほとんどないかもしれません。どちらにしても、家計を見ないと決まらないのです。

「何歳まで、何割を、どれくらいで運用するか」

もう一つ、聞くことがあります。「何歳まで、資産の何割を、どれくらいの金額で運用するつもりですか」という質問です。

この質問に答えられるなら、何歳から始めても、私は止めません。やめておけ、と言うことはありません。

逆に、ここに答えられないまま始めるのは、少し危ないと思います。たとえば、55歳の人が全財産を投資に回して、60歳の定年で退職金の使い道が決まったときに暴落が来たら、困ります。使う時期が近いお金まで、値動きのあるところに置いてしまうからです。

退職が近いのに、投資して大丈夫でしょうか?

つくね
つくね

使う時期が近いお金は現金で。しばらく使わないお金だけを投資に回します。

年齢が上がるほど、現金の割合を増やす

年齢が上がるほど、投資に回す割合は減らして、現金の割合を増やしていくのが基本です。

若いうちは、下がっても待てます。でも、使うまでの時間が短くなるほど、待てる時間も短くなります。だから、使う時期が近いお金は現金で、しばらく使わないお金だけを投資に。この線引きを、始める前に決めておいてください。

退職金は、ゴールが見えているなら投資していい

50代になると、退職金の使い道も気になってくると思います。退職金を投資に回していいのか。

私の考えは、ゴールが見えているなら、回していいです。退職金で何をしたいのか、何歳から毎月いくら使うのか。そこが決まっていれば、使う時期が遠い分だけを投資に回せばいい。ゴールが見えないまま、まとまったお金だけを投資に入れるのは危ないと思います。

住宅ローンが残っているなら、実力とメンタルで決める

50代で住宅ローンが残っている先生もいると思います。繰り上げ返済が先か、投資が先か。

私なら、こう考えます。投資がきちんとできていて、住宅ローンの金利より高い利回りを投資で取れる実力があるなら、投資を続けたほうがいい。ローンの金利と投資の利回りの差(イールドギャップ)が、そのまま得になるからです。

でも、暴落が来たときに、気持ちがついていかないと思うなら、繰り上げ返済をしたほうがいい。繰り上げ返済は、値動きのない、確実な「利回り」です。暴落で眠れなくなるくらいなら、確実なほうを選ぶのも立派な判断です。

繰り上げ返済と投資、どちらが先ですか?

つくね
つくね

暴落で眠れなくなりそうなら、繰り上げ返済も立派な判断です。確実な利回りですから。

私が50歳で始めるなら、積み立てはしない

正直に書いておきます。もし私が50歳から始めるとしたら、オルカンの積み立てはしないと思います。

代わりに、配当が出る高配当の株に投資すると思います。そして、入ってきた配当は全部使います。

50代から始めると、15年持っても60代半ばです。そこから増えたお金を使う時間は、若い人より短くなります。それなら、最初から配当を受け取って、使いながら持つほうが合っていると思うのです。配当が毎年入ってくれば、株価が下がっても「配当は入っている」と思えます。配当が、暴落のときの心の安定剤になるのです。

高配当株を選ぶなら、気をつけてほしいことが2つあります。

1つ目は、高配当株も暴落するということです。配当が出るからといって、値段が下がらないわけではありません。暴落のときには、配当が減ることもあります。

2つ目は、何のためにやるのか、出口を考えているかです。配当を生活費に足したいのか、趣味に使いたいのか。何歳まで持って、最後はどうするのか。ここが決まっていないと、下がったときに売ってしまいます。

もちろん、これは私の考え方です。オルカンの積み立てが合う50代の先生もいます。大事なのは、自分の年齢と目的に合わせて、やり方を選ぶことです。

勧めても、やらない人はやらない

正直に書くと、私は50代・60代の人にも、後輩にも、投資を勧めたことがあります。

50代・60代の人に勧めたのは、オルカンです。本当は、年齢を考えると高配当株を勧めたい気持ちもありました。でも、高配当株は、どの会社を選ぶかを自分で調べないといけません。買う時期も考えることになり、結局はタイミングを読む投資になってしまいます。

だから、真剣に学ぶ気があるなら高配当株、とりあえず早く始めてみたいならオルカン。そう分けて考えて、そのときはオルカンを勧めました。

でも、やってくれた人はほとんどいません。

それでいいと思っています。お金の考え方は、最後は人それぞれです。無理に勧めても、下がったときに続きません。やってみようと思ったときに、この記事を読んでもらえれば十分です。

何歳でも、まずは家計管理から

最後に、何歳から始める人にも共通することを書きます。

まず、家計管理です。これは、20代でも50代でも同じです。

毎月いくらで暮らしているのか。生活に必要なお金はいくらか。急な出費に備えるお金を、口座にいくら置いておくか。ここが決まらないと、投資に回せる金額が決まりません。

40代・50代の先生は、若い人より収入が多いぶん、支出も大きくなっていることが多いと思います。子どもの教育費、住宅ローン、親のこと。家計を一度見直すだけで、投資に回せる金額が見えてくるかもしれません。

固定費の見直しは教員の節約は固定費だけでいいに、お金の置き場所の分け方は教員の貯金に共済貯金はいらないに書きました。

始めるなら、やることは同じ

家計が整って、目的と金額が決まったら、あとは始めるだけです。

  1. 証券口座を開く(楽天証券かSBI証券)
  2. 自分の年齢と目的に合わせて、買うものを決める(迷ったらオルカンの積み立て)
  3. 使う時期が近いお金は、投資に入れない

何歳で始めても、最初にやることは変わりません。違うのは、始める前に決めておくことの量です。

なぜ教員こそ投資に向いているのかは、教員こそ投資をやったほうがいいに書きました。

まとめ:遅くない。でも、先に決める

  • 私も「もっと早く始めればよかった」と思う。でも、あの頃は始められなかったし、今が自分には一番よかった
  • 15年あれば、ほとんど損をしていない。40代・50代からでも15年は取れる
  • 定年で人生は終わらない。使わない分は置いておけば増えていく時間がある
  • 新NISAは無期限。何歳で始めても持ち続けられる
  • 始める前に、「何のために、何円まで欲しいのか」を決める
  • 「何歳まで、何割を、どれくらいで運用するか」に答えられるなら、止めない
  • 年齢が上がるほど、現金の割合を増やす
  • 退職金は、ゴールが見えているなら投資していい
  • 住宅ローンが残っているなら、投資の実力と、暴落に耐えられる気持ちで決める
  • 私が50歳で始めるなら、高配当の株で配当を受け取って使う。配当が心の安定剤になる
  • 何歳でも、まずは家計管理

なお、この記事は特定の商品を勧めるものではありません。数字は過去の実績で、将来の成果を約束するものではありません。投資の成果は市場の状況によって変わり、元本が保証されているものではありません。最終的な判断は、ご自身でお願いします。

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